第17話 ステュムパリデス

文字数 2,883文字

オークのオク1、ゴブリンのゴブ1を眷属にして色々話を聞き終わった時、コボミが俺に向かって駈けてきた。

コボミ「ヒロト様!喋れたのですね!」
「お、おう。喋れたみたい。」
ハク「なんだ、念話じゃ無くても話せるのね。」
「そうだったみたいだよ。」

確認したところ、コボルトとゴブリン、オークの人形(ひとがた)の群れを形成する魔物とは会話が出来た。
またレベルが高く、元から知能があった次元白蛇のハク、雷獣のライゾウ、土蜘蛛のスパ、キラービークイーンのビーも会話が出来た。
マジックスライムのスラオ、アルラウネのレイ、ドレイクのリザ、イビルアイのアイは喋れなかった。

ヒナ「ねえねえ、ヒロトは何で魔物と話が出来るの?」
「異世界言語のスキルだよ。」

ヒナ「いいなぁ。私も皆と話したい。」
「異世界言語のスキルを取ればいいじゃん。」

ヒナ「どうやって?」
「あれ?転生の神様に聞いてないの?スキルを割り振るイメージを思い浮かべれば、取得出来るよ。ヒナはスキルポイントいっぱいあったはず。」

ヒナ「え!そうなんだ。・・・う~ん。」
ヒナは難しい表情で色々試してるようだ。

ヒナ「お!出来た!コボミ、聞きとれる?」
コボミ「分かりますよ。」

ヒナ「やったー!」
ヒナは嬉しくて小躍りしてる。
ヒナはコボミに抱きついて会話し始めた。

「ヒナ、そろそろ狩りもしないとね。行くよ。」
ヒナ「うん。分かった。」

ヒナと俺とビーはドレイクのリザに乗る。
前にコボミが歩く。
ゴブ1とオク1は後ろからついてくる。

ヒナ「毎日大猪(エリュマントス)の肉ばっかりで飽きちゃった。」
「そだね。牛肉とか、鶏肉とかも食べたいね。後は魚介類とか。」
ヒナ「ご飯も食べたい。」
「うんうん。」
よだれが出てくる。お腹空いたぁ。

「コボミ、鳥を探そう。」
コボミ「承知しました。」

アイ(いた。上。)
「ん!」

上を見る。
雉が飛んでる。
ビー「私が行きます。」

ビーがぶんぶん飛んで雉に向かって行く。
ビーのニードルバレットが雉を撃つ。
落ちてきた雉をビーが空中でキャッチ。

コボミ「前方草むらに鳥の匂い。」
ライゾウ「俺も行くぞ。」
雷獣のライゾウが消える。
速すぎて見えないのね。
レベルアップして更に速くなった。

ライゾウの雷撃の光が一瞬見える。
ライゾウが鳥を口に加えてきた。

「見たこと無い鳥だな。」
朱鷺(とき)に似ている。
朱鷺(とき)よりちょっと大きいか。
体長1m。白い体色。
顔と脚が朱色。
(くちばし)は真っ直ぐで青銅色。
翼の先も青銅色。
ん?(くちばし)も翼の先端も明らかに鳥の身体では無い。
鉄っぽい固さ。
これで攻撃されたら痛いぞ。

アイから鑑定情報が送られて来た。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前:なし
種族:ステュムパリデス
性別:♂
レベル:15
HP:140/150
MP:15/15
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔物だったか。
ステュムパリデスって聞いたこと無いな。
取り合えず、気絶してる様だが、
「テイム!」した。
<ステュムパリデスをテイムしました。>

「気絶してて聞こえないと思うけど、名前はステ1ね。」

なんてしてたら、バサバサバサッっと音がして、ステュムパリデスの群れが前方から襲ってきた。
かずは十数匹かな。
結構大きいので、ちょっと怖いな。
ヒナは俺にしがみついて来た。

「ビー、ライゾウ頼むぞ。」
ビー「承知しました。」
ビーが飛び立つ。

ライゾウ「承知した。」
ライゾウがリザの頭の上で身構える。

空からの敵は厄介だな。

ビーが針弾(ニードルバレット)で、ライゾウが雷撃で打ち落とすが、倒し切れない敵が、俺やヒナに向かって来た。

リザがステュムパリデスの(くちばし)から俺達を守る。
俺のお尻の下からスラオが出てきて。
スラオ(炎弾(ファイアーバレット)!)
炎の銃弾を連射して倒していく。
(スラオ、有難う。)

レベルアップのメッセージが流れた。

落ちたステュムパリデスをコボミ、ゴブ1、オク1が拾ってくる。
ライゾウの雷撃で気絶しているステュムパリデスはテイムし、死んだステュムパリデスは、スラオが解体後ハクが異次元に収納。

始めの1匹も含めて気絶しているステュムパリデスは5匹。
名前はステ1~ステ5にした。

その後、順調にレベ上げしながら狩りを行い食料をゲット。
魔物じゃない鳥達も沢山狩ったので、鳥肉は当分大丈夫そうだ。
鳥の狩りでは、ステュムパリデスが大活躍。
空から攻撃出来るといいね。

主に動物を狩った。人形(ひとがた)の魔物や虫はちょっと食べる気しないよね。ヒナのレベルもかなり上がった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

拠点に戻り、ヒナにダンジョンを拡張して貰う。
ゴブリンキングやアラクネクイーンの群れが攻めて来たらかなり危ない。

しかし、ダンジョンは籠城するのに都合が良い。
大勢で一気に攻め込めないし、罠も作り放題。
敵が来ればダンジョンポイントを稼げるし、兵士も食料もダンジョンポイントで交換し放題。いつまでも籠城出来る。
そう考えるとダンジョンの拠点って最強だな。

T字路や↑字路の道を作り。真ん中の道を進んできた敵を左右から待ち伏せし襲撃可能にする。道も小さめの大きさとして、大百足のような大型の敵は入れないようにする。同時に二人がすれ違い出来ない大きさにして、複数人の敵と同時に戦わず、常に一人の敵と戦う。

どうせ入り口から出入りするのは小さめのキラービー達だけ。
他のメンバーはハクの転移で移動するので、攻め込まれない事を優先した。

入り口近くに部屋を作り、キラービーの巣にし、キラービーの群れが防衛。

地下1階の奥のスペース以外はダンジョンのゴブリン3匹とゴブ1、オークのオク1、エリュマントス3匹、キラーマンテイス、アルミラージが防衛のため住む。

地下2階を森林のエリアとし、生け捕りした魔物や動物を解放。
非常用食料ね。放牧のイメージ。

地下3階にヒナの部屋を移し、俺の部屋と眷属達の部屋を増設。

俺達は、午前中に寝床を作成したりして、俺の部屋と眷属達の部屋の充実をはかり、昼食後、昼寝をして夜にヒナのレベ上げを兼ねた狩りを実施。

拠点防衛をローテーションとし、コボルト達は、キラービーとダンジョンのゴブリンとゴブ1、オークのオク1、エリュマントスのイノ1~イノ3、アルミラージのアル、キラーマンテイスのカマ1達の拠点防衛メンバー達のレベ上げを兼ねた狩りを行う。

狩りは魔物を倒す以外に、イビルアイの鑑定を使用し、果実や食べられる野生の野菜の採取を行い食料の充実を図る。

スパには蜘蛛の眷属も増やすように指示し、警戒範囲も広げて行く。
ステュムパリデス5匹は、小蜘蛛達と一緒に人間の国探しだ。

そんな日々を何日か過ごしていたら、ステ3が樹海の南端から出て川沿いに人間の村を発見した。
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登場人物紹介

佐藤 大翔(サトウ ヒロト)年齢35歳。

異世界転移後は見た目14歳ぐらい。

淡々と物事を進めるタイプ。

女性に言いたい事を言えない。

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