天国に一番近い場所
文字数 1,049文字
黄昏の樹海。
そこは本来すず達の世界にいない魔法学的外来種が多く棲息する場所。
なんでも大昔に開かれた“ゲート”が数百年も閉じられずに放置されているそーです。
今でも“あっちの世界”と繋がってるとか。
そんな事から多種多様で希少な動植物に数多く出会う事が出来ます。
「ここはキノコ狩りの名所“キノコの森”なの!」
すずは最大限の営業スマイルで観光案内。
樹海の一画にあるキノコの森は、名前の通り沢山のキノコが自生していました。
食べられるキノコは勿論、魔法薬の材料になるものや役に立たない毒キノコも。
隣に立つと小人気分を味わえる巨大キノコなんかも有ります。
それなりに楽しい場所なんですが地底人は不服な様子。
「なんだ、ガイドブックお薦めの場所じゃねぇのか?」
彼が行きたかった最初の場所は“天国に一番近い場所”と紹介されている森。
でも“天国”の要素なんて全く見つからず、とりあえず森に来てみました(汗)
「ねぇねぇ、やっぱり駄目だったかなぁ…」
地底人は触手の様に手を伸ばすと、つまらなそうにガイドブックのページをパラパラめくります。
そして表情が変わりました。
「やっぱりそうだべ! なんか見た事あんなって思ったら、ここは本に写真付きで載ってた“天国に一番近い場所”でねぇか!?」
『え?』
すずとランカの疑問符がハモりました。
「こっちじゃ“キノコの森”言うだか? まぁ、そんなことはどうでもいいべ」
彼は楽しそうに景色と写真を見比べながら続けます。
「本によるとここはキノコがいつも生い茂っているらしいべ。“たまに珍しい生き物も訪れるんで見る事が出来たらラッキー”って書いてあるべ」
まあ、大体そんなトコですが…ふと、ランカは不思議に思います。
「ねぇねぇ、なんで“天国に一番近い場所”なの?」
そうなのです。
普通、キャッチコピーは場所に因んだ言葉を選ぶハズ。
まぁ誇大広告で勝手に適当な名前をつける手法は地上でも常套手段ですけど。
「なんだ、おめぇら地上人のくせにそんな事も知らねぇのか?」
彼は得意気にガイドブックのページを指差すと…。
「ここじゃあ毒キノコの犠牲者が急増中っちう話だっぺ!」
『へ?』
また2人がハモります。
「地上はこえぇだな。おめぇらも気をつけねぇと。どんなに腹減ってても毒キノコ食っちまったらなんねぇぞ!」
・・・・・・。
ま、まぁ彼が喜んでくれたなら結果オーライです…か?
すずが呟きます。
「その本、ガイドブックじゃなくてただのゴシップ誌なんじゃ…?」
そこは本来すず達の世界にいない魔法学的外来種が多く棲息する場所。
なんでも大昔に開かれた“ゲート”が数百年も閉じられずに放置されているそーです。
今でも“あっちの世界”と繋がってるとか。
そんな事から多種多様で希少な動植物に数多く出会う事が出来ます。
「ここはキノコ狩りの名所“キノコの森”なの!」
すずは最大限の営業スマイルで観光案内。
樹海の一画にあるキノコの森は、名前の通り沢山のキノコが自生していました。
食べられるキノコは勿論、魔法薬の材料になるものや役に立たない毒キノコも。
隣に立つと小人気分を味わえる巨大キノコなんかも有ります。
それなりに楽しい場所なんですが地底人は不服な様子。
「なんだ、ガイドブックお薦めの場所じゃねぇのか?」
彼が行きたかった最初の場所は“天国に一番近い場所”と紹介されている森。
でも“天国”の要素なんて全く見つからず、とりあえず森に来てみました(汗)
「ねぇねぇ、やっぱり駄目だったかなぁ…」
地底人は触手の様に手を伸ばすと、つまらなそうにガイドブックのページをパラパラめくります。
そして表情が変わりました。
「やっぱりそうだべ! なんか見た事あんなって思ったら、ここは本に写真付きで載ってた“天国に一番近い場所”でねぇか!?」
『え?』
すずとランカの疑問符がハモりました。
「こっちじゃ“キノコの森”言うだか? まぁ、そんなことはどうでもいいべ」
彼は楽しそうに景色と写真を見比べながら続けます。
「本によるとここはキノコがいつも生い茂っているらしいべ。“たまに珍しい生き物も訪れるんで見る事が出来たらラッキー”って書いてあるべ」
まあ、大体そんなトコですが…ふと、ランカは不思議に思います。
「ねぇねぇ、なんで“天国に一番近い場所”なの?」
そうなのです。
普通、キャッチコピーは場所に因んだ言葉を選ぶハズ。
まぁ誇大広告で勝手に適当な名前をつける手法は地上でも常套手段ですけど。
「なんだ、おめぇら地上人のくせにそんな事も知らねぇのか?」
彼は得意気にガイドブックのページを指差すと…。
「ここじゃあ毒キノコの犠牲者が急増中っちう話だっぺ!」
『へ?』
また2人がハモります。
「地上はこえぇだな。おめぇらも気をつけねぇと。どんなに腹減ってても毒キノコ食っちまったらなんねぇぞ!」
・・・・・・。
ま、まぁ彼が喜んでくれたなら結果オーライです…か?
すずが呟きます。
「その本、ガイドブックじゃなくてただのゴシップ誌なんじゃ…?」