第18話 謎の男:ラッキー松村

文字数 1,322文字

ニンフィアに先導されて階段を下っていく三人。

その先に、大きなモニターのついた薄暗い部屋があった。

中央のソファに腰掛けた人物は、三人に話しかける。

やあ。春日エリちゃん、星野スミレちゃん、木乃葉ミキちゃん。
……
おや、どうかしたのかな?
いや、めちゃくちゃ怪しいのに、ここのところ変な人見慣れちゃってて。
変質者さんとか、三田さんとかねー
そこにいるニンフィアさんもだけどな……
えーひどーい
と、とにかく。だからなんか驚きが薄いなって。
そ、そうか。それはいろいろ大変だったね。

まあ、不審者扱いされて騒がれるよりは話が早くて助かるよ。

私は極秘組織:シンギュラリティ・サポートのラッキー松村。

まずは、はるか過去の2021年にようこそ、というべきかな?

――!

私たちが未来から来たこと、知ってるのか!?

松さん、何者なん!?
(出会っていきなり『松さん』呼びって……)
やっぱりそうか。
……どこまで知っているんですか?
それに、私たちが未来から来たことと、秘密結社デフォルトの間に何の関係が?
その前に、今君たちがいるこの世界はどういった世界かわかっているかな?
えーと、2045年の熊谷図書館にある2020年代のデータのアーカイブなん。
おいエリ! それって言っちゃいけないルールだろ!?
でも言わないと、松さんからホントの話を聞けそうにないん
そ、それもそうだけど……
半分正解で、半分間違いだね。
――どういうことですか?
実は秘密結社デフォルトの首領が熊谷図書館のデータをハッキングして、

シュレーディンガー理論を――あれ?

この後なんだったかな?

もう、松さん! カッコいいところでわややわにならないで!
そんなこと言ったって、量子力学は専門じゃないしなぁ……。

と、とにかく。そんなこんなでこの世界は今、

『図書館のアーカイブデータ』と『現実の過去』の狭間にあるんだ。

――! もしかして、それで図書館からのアナウンスが聞こえなかったの?
いくら2045年でも、『現実の過去』にメッセージを送ることはできないからな……。
でも、なんだって秘密結社デフォルトの首領はそんなことしたん?
彼の目的は『シンギュラリティの阻止』。そう言われている。

なんだそのめんどくさい設定……。

シンギュラリティの阻止のためにカード狩り?

全然関係ないだろ!

そうとも言えないんだよー。

どうやらこの時代のVヴぁとラーの中には

未来でシンギュラリティに貢献する人が多いみたいで。

奴らはそういった人たちのカードを狩ることで、

未来に対してネガティブなイメージを植え付けて、

シンギュラリティに関わることのないように仕向けているんだ。

遠回り過ぎるけど……一応筋は通ってる……か。
そういう人たちを殺したり攫ったりするのは大変そうだけど、

カードを奪ってるだけじゃ警察とかも動かなそうだしね……。

でもでも! 楽しいこといっぱいの未来を奪うなんて許せないん!
おまけのコーナー!
BOOTHの公式ショップはもうチェックしたかな?

いろんなグッズが目白押し! 君も身に着けてVヴぁとラーをアピールだ!

君も『Vヴぁと』でLet'sヴぁとる!!

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登場人物紹介

※この小説はYoutubeチャンネル『シンギュラリティで待ってます。』および同チャンネルのカードゲーム企画『みんなでヴぁとる!!』の二次創作です。キャラクター・世界観設定等は公式を参考にしていますが、若干異なることをご了承ください。

【春日エリ】

スミレ・ミキとともに2045年から自由研究のためやってきた少女。

元の時代に戻る方法を探すうち、『Vヴぁと』をめぐる騒動に巻き込まれていく。

ちょっぴり天然なムードメーカー。

【星野スミレ】

未来から来た三人組のまとめ役。

ときにシビアなことも言うが、熱いハートを秘めている。

【木乃葉ミキ】

エリやスミレの親友。飄々としていて、どこか風変わり。

そしてちょっぴりおませさん……?

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