第18話 修学旅行(1日目の終わり)
文字数 2,281文字
ホテルに着き荷物を置くとホテルの大会場みたいな所で夕飯をとる。
ここぞとばかりに神谷の周りには違うクラスの女子も殺到して椅子取りゲーム見たくなっている…
冬月さんの周りも他のクラスの男子が殺到して、冬月さんは不機嫌そうな顔をしている…
そんな時、神谷が自分に殺到する女子に謝りながら、女子の群れをかき分け、今度は男子の群れも謝りながらかき分け、冬月さんの前に現れた様子…
神谷が冬月さんの所に行ったことで、他の女子達は諦めたもの達もで始め、散らばり始めた。
そう思って会場に入ったばかりの光景を見ていた俺…
(冬月さんと神谷はお似合いだよ…それに神谷だから、冬月さんをいろいろ助けられることもあるだろうしさ…)
なぁ友よ。1日中、冬月さんばかり気にしすぎだぞ?
坂木さんより、冬月さんばっかり気にしてるだろ。
自分も囲まれていてゆっくりしたいからという理由はあるにしろ、ああやって行動できる神谷とお前じゃあ比べ物にならないよな(笑)
お前は今何もできずに見てただけ。
まぁ龍一が行った所で、他のクラスの男子達は諦めないだろうから、神谷が助けてくれたんだろうな。
と俺は思う。
俺は明と二人で遠い席に場所取ると、愛と酒井さんが来た。
なんか、神谷君と冬月さんが二人で並ぶとお似合いだよね、
ここいい?
明がどうぞどうぞと言うと、愛が俺の向かい、酒井さんが明の向かいに座った。
酒井さんと愛は飲み物を取りに行った。
俺と明もバイキング形式なので、色々取ってきた。
冬月さんいいなぁ、神谷君の隣で。
楽しそうに笑ってるし。
酒井さんがそう言ったので、冬月さん達の方を見ると冬月さんは楽しそうに笑っていた。
その姿を見た俺は喜ぶべきことなのに…
なんかモヤモヤしたんだ…
龍一君はなんか嬉しそうじゃないね。
冬月さんが馴染めるようにって色々頑張ってたのに、楽しそうにしてるの喜ばしいことじゃん?
そんなことを言って酒井さんと明は笑っている。
向かいの愛と目が合う…
そうだね。俺達の班は大阪行くんだろ?
しっかりものの神谷がいるから、安心だな。
お土産とか一緒に選ぶ?(笑)
夕方からはUSJだね。一緒にアトラクション乗る?(笑)
冬月さんのほうを見ながらテキトーに返事をした俺。
(ん?今なんて言った?!)
えぇ〜愛が龍一君と一緒に乗っちゃったら、私余っちゃうじゃん(汗)
だってUSJも班で行動でしょ?この感じだと神谷君と冬月さんでしょ、愛と龍一君でしょ、やっぱり、私余っちゃうじゃん!(汗)
お〜い!酒井さん?ここにも同じ班のものいますよ!(笑)
わかってるよ(笑)
1回くらいだったら、冬月さん神谷君と一緒にアトラクション乗るの交換してくれるかな?
なんで俺すか?
交換も何も、愛と冬月さん、神谷と酒井さん、明と俺っていう乗り方もあるんじゃないかな?
俺がそう言うと酒井さんは喜んだが横から明には文句を言われた…
お前はバカか!せっかく男女ペアでアトラクション乗れそうなものをなんで、ここまで来てわざわざ俺が龍一とUSJデートしなきゃないんだよ(汗)
だよね〜。せっかくだし男女ペアの方がいいよね〜。
私と明君はちょっと勘弁だけど(笑)
あんまり自分の意見を主張しない愛も、珍しく主張してきた。
じゃあ、何で決めようとか、神谷とか冬月さんの意見も聞いたほうがいいだろうけどさ、例えば、明と冬月さん、酒井さんと神谷、俺と愛とか、そういう組み合わせもあるんじゃない?
でもさ、そんなこと言ったら、私と神谷君、愛と明君、冬月さんと龍一君っていう可能性だってあるよね?
そ、そうだね。愛、今日はちょっと疲れてるんだね(笑)
明が話を戻そうとすると、愛と酒井さんに睨まれた明は、しょんぼりした…
夕飯を済ませると部屋に戻った俺と明。
神谷も部屋に入ってきた。
そうじゃなくて、好きとか、嫌いとか、魅力的とか、そうじゃないとかでの話。
あ〜そういう意味か(笑)
普通だよ普通。クラスメイト。
そりゃあ冬月さんは魅力的だとは思うよ。
特に笑顔は素敵だと思う。
でも、好きだとか、恋人になりたいとか、そんなふうには別に思ってないよ。
そっか。変なこと聞いてごめん。
明日のUSJ男女ペアでアトラクション乗ったほうがいいとか悪いとかなんて話を夕飯の時に坂木さんとか酒井さんとしたもんだからさ。
そっか。まぁ、俺はみんなの好きにしてもらっていいよ。
楽しく平和に過ごせれば、俺は満足(笑)
嫌味じゃないからな。冬月さんも同じこと思ってると思うよ(笑)
夕飯の時の話だけど、前の学校でも、色々大変だったみたいだからさ。
転向してきたこの学校ではゆっくり過ごしたいみたいだよ。
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