教会でおこったこと
文字数 1,018文字
んー、今日はいい天気!
昨日の夜中にやっと歌詞が完成したし、なおさら気分がいいよ!
さて、歌詞のことカーレンに報告しないとだよね?
カーレン、家にいるかなぁ?
日曜日の朝は教会で礼拝があるはずですので、そちらではないでしょうか?
ふーん、そういうものなんだ。
じゃあ⋯⋯ちょっと怖いけど教会に向けて出発!
アプルはホウキにまたがると、城下町の教会に向けてひとっ飛び。
ふむ、しかしもう礼拝は始まってしまったみたいですね⋯⋯。
中に入るわけにもいきませんし、外で待っていましょうか。
うーん⋯⋯中が気になる⋯⋯どこかから覗けないかなぁ?
おや、アプルは教会が怖いのではありませんでしたっけ?
でもカーレンが何してるのかはやっぱり気になるし⋯⋯!
そのころ教会の中では、神父様のお話が続いておりました。
――で、あるからして、このお言葉は神の御心の広さを示していて――。
(ダンスの最後のところ、結局決まらなかった!
アプルになんて言おう!)
(いや、ライブは今日の午後からだから、まだ時間はある!
神父様のお話が終わるまでに考えないと)
(あれは⋯⋯アプルを捕まえようとした兵士さん?
この教会に来るなんて珍しい⋯⋯)
(えーと、舞台で踊るなら、やっぱステップは前後より左右の方がいいかな?
ちょっと腰にひねりもいれて)
――はい、いきおいよく手が挙がりましたね。
ではカーレンさん、続きを読んでください。
えっ!? いや、はい、えっ!?
(やば、集中しすぎて本当に体が動いてた!?)
(どうしよう⋯⋯話なんか全然聞いて無かったし⋯⋯)
えっと⋯⋯わかりません。
――それはお前が踊りのことばかりを考えていたからだろう。
そのような者には神様の罰がくだるのだ!
ビビデ・バビデ・バッドエンド!
兵士が唱えると、カーレンの赤いくつが闇に包まれました。
そして、なんとくつがひとりでに踊りだしたのです。
とうとうカーレンはそのまま、教会を飛び出してしまいました。
カーレン!
(どうしよう⋯⋯カーレンを助けないとっ!)
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