まるっとまとめてゲットだぜ!

文字数 2,899文字

「よし、では呪文その2だね」
「じゅっじゅっ呪文~♪

 はにわはにわで土っ器土器~」

「またよくわからない表現を……」
「える・えむ・えす・さいず……。ワレは求め訴えたり……」
「変なもの呼び出すんじゃない!」(すぱーん!)
「いたあーぃ><

 ダイエット呪文ですよぅー><」

「まあまあ、あんまり相手しているとまた話がすすみませんわよ?」
「そ、そうだったな……。


 それで、呪文②とはいったい??」

「あ、ああ。

 フォルダの中をよく見てごらん。もう一つ pyと後ろについたスクリプトファイルがあるだろう?」

「本当ですわ、先ほど使った TalkGet.py のほかに allStorys.py というものもありますわね」
「オール・ストーリーズ……。まさか……?」
「そう、そのまさかさ。

 こいつは、目次からそのトーク作品のすべてのストーリー(エピソード)をまとめて取得してくるプログラムなんだ」

「それは……。もしかしてそのプログラムを実行するだけでEpubの本が作れてしまうのでは……?」
「そういうことだな。

 少しSigilで加工処理は必要だけれどもね。」

「そ、それは本当にすごいです!!」
「実行は先ほどとおなじように、コマンドプロンプトでこのように打つだけでいい」
python allStorys.py 
「たったこれだけでよろしいのですの?」
「もちろん。

 ああ、もちろんそれでもいいのだけれど、このつぎに取得したいストーリーのURLがあるとなお良いね。

 トークメーカーで開く、その作品全体の目次のあるページがあるだろう?」

いわゆる『作品ページ』のことだ。例えば本作『もしも経験のない女子高生がトーク作品をEpub化して電子書籍にしてしまったら』では、

https://talkmaker.com/works/37f020a91fa6c9ea8c38ed71c24bf237.html

のことである。

「その目次ページのURLをここの後ろに入れればいい。

 URLを入れるとコマンドラインはかなり長くなってしまうが

python allStorys.py https://talkmaker.com/works/37f020a91fa6c9ea8c38ed71c24bf237.html


こんな感じだな。

この白バックの文字をコピペしたらいいよ。


ちなみに、何も入れないと、『もしも敬虔な女子高生が〈神は死んだ〉のニーチェ作『ツァラトゥストラ』を読んだなら』のほうのトップページが自動で入るようになっている。

それをそのまま実行するとけっこう時間がかかってしまうはずだから、このURL付きをコピペしたほうがいいかもしれないな。」

「コピっと☆

 これで、エンターを押したらいいんですか?」

「そういうこと。」
「やらせてやらせてー!


 ♪えーんたー えんたー みっしょーん!♪


 ぽちっとな!」

「それがやりたかっただけか……」
「わわわっ! ぶわっ! ってたくさん出てきたっ!! (´;ω;`)ブワッ」
「大丈夫、正常に動作している」
「いえ、たぶんその泣き顔も言ってみたかっただけです、きっと……」
「てへぺろ!☆」
「まったくもう。。


 ところで、画面を見ていると、エピソードを読み込んだあと、ーーーー15秒間停止中ーーーーと言ってとまっていますけれど、これは?」

「ああ、サーバーに負荷を与えかねないプログラムなのでね、あまり一気に取り込まないようにしているんだ。だから、一つのエピソードをたとえ1秒で読み込んだとしても、そのあと15秒何もせずに停止してから、次のエピソードに進むようにしてある。なので、1エピソードごとに16秒ぐらいかかる計算だね。

 たとえば100話あるお話だと、1600秒必要ってことさ」

「すると、一時間は3600秒ですから、100話に30分ぐらいかかるわけですね」
「計算上は26分強になるが、まあ1秒以上かかる話もあるだろうし、そんなものかな。

 それでも、手でひとつひとつやることを考えたらものすごく楽だとは思わないかい?」

「それはもう!! ものすごく楽ですわ!!♡」
実際、このプログラムを知るまではちまちまと手作業ですべてをやろうとしていたのだ。感激はひとしおだろう。
「途中で止めたくなったら [Ctrl]キーと[C]キーを同時押しして強制終了してくれ」
「そうこう言っている間にーーーー終了ーーーーとでました。おわりましたね」
「みたいだね。ではそれをSigilで読み込んでごらん?」
「読み込みっと!」
「わ、でた!」
「すごい! 目次も最初からはいってます!」
「下のほうにスクロールしてごらん?」
「わわわっ! 私たちが出てる!!」
「そこは登場人物紹介だね。

 目次のほかにも作品ページに書かれている説明文、それにタイトル画像、それとこの登場人物紹介も自動で取り込むようにしておいたよ」

「すっ、すごすぎます!!」
「これでHTML版の目次はできているから、あとはSigilの[ツール]ー>[目次]ー>[目次の生成]でシステム目次(端末の目次機能から呼び出す)を作れば、だいたいEpub電子書籍はつくれてしまうんではないかな?」
「うわ、すごい。これももう最初からはいっていますね!」
「うん、ここでOKを押すだけで基本は大丈夫だとおもう」
「す……すごいです……」
「ああ、あとは表紙だな。これも[ツール]ー>[表紙の追加]で絵を指定してやるだけでいい。この場合は目次ページで表紙も含んでいるから不要かもしれないけれどね」


Amazon Kindle(KDP)等で出版する場合は表紙画像が必須だという話も聞いたことがある。これは各社状況が違うと思われるので、各自で試してみてほしい。
「これで、ものすごく、ほんとうにものすごく楽になりますわ! すてきです!!」
「すばらしいですよ。。さすがは兄さまです」
「ふあああ~。なんだかラクチンすぎて、AIに人間の仕事を取られちゃった気がしますねー」
「ええっ! じゃあお話書くのもやってくれちゃったりして!?」
「こらこら、それはやらなきゃだめだろう」
「あはは~。ですよねー><」
(すくなくとも、いまは、まだ……)
なんて、最後にそれっぽく栞理が思っていると……。
(ああ、じゃあこれは教えなくていいか。まだ未完成だしな……)
と、何かをポケットに戻す、その兄であった。


しかし、その姿を、寝ぼけた視線でじーーーーーっと見ている怪しい影が、亜空間のすみの布団の上にあった。

(じーーーー)
<まだつづく? かも?>
そうそう、この作業で作成されたEPUBファイルは、


https://github.com/kagurazakarasen/TalkMakerToEpub/blob/master/Doc/MoshiPub.epub


こちらに入れてある。Epubファイルを読める環境がある方は参考にしていただきたい。

Sigilでシステム目次を作成しただけの本作品のEpubファイルである。

それにしても、わずか数クリックでコレだけのものが生成されてしまうのはおどろきだ。

トークメーカーで作品を公開しているセルフパブリッシャーには朗報であろう。

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登場人物紹介

コンピュータのことならお任せくださいの便利なイケメン

わからない子代表

まあわかる代表

わからなくてもでしゃばる代表

わたしはお茶くみですと言いながら実は権力者だったりするかもしれない人

著者のひと

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