まるっとまとめてゲットだぜ!
文字数 2,899文字
「じゅっじゅっ呪文~♪
はにわはにわで土っ器土器~」
「える・えむ・えす・さいず……。ワレは求め訴えたり……」
「まあまあ、あんまり相手しているとまた話がすすみませんわよ?」
「そ、そうだったな……。
それで、呪文②とはいったい??」
「あ、ああ。
フォルダの中をよく見てごらん。もう一つ pyと後ろについたスクリプトファイルがあるだろう?」
「本当ですわ、先ほど使った TalkGet.py のほかに allStorys.py というものもありますわね」
「そう、そのまさかさ。
こいつは、目次からそのトーク作品のすべてのストーリー(エピソード)をまとめて取得してくるプログラムなんだ」
「それは……。もしかしてそのプログラムを実行するだけでEpubの本が作れてしまうのでは……?」
「そういうことだな。
少しSigilで加工処理は必要だけれどもね。」
「実行は先ほどとおなじように、コマンドプロンプトでこのように打つだけでいい」
「もちろん。
ああ、もちろんそれでもいいのだけれど、このつぎに取得したいストーリーのURLがあるとなお良いね。
トークメーカーで開く、その作品全体の目次のあるページがあるだろう?」
「その目次ページのURLをここの後ろに入れればいい。
URLを入れるとコマンドラインはかなり長くなってしまうが
python allStorys.py https://talkmaker.com/works/37f020a91fa6c9ea8c38ed71c24bf237.html
「コピっと☆
これで、エンターを押したらいいんですか?」
「やらせてやらせてー!
♪えーんたー えんたー みっしょーん!♪
ぽちっとな!」
「わわわっ! ぶわっ! ってたくさん出てきたっ!! (´;ω;`)ブワッ」
「いえ、たぶんその泣き顔も言ってみたかっただけです、きっと……」
「まったくもう。。
ところで、画面を見ていると、エピソードを読み込んだあと、ーーーー15秒間停止中ーーーーと言ってとまっていますけれど、これは?」
「ああ、サーバーに負荷を与えかねないプログラムなのでね、あまり一気に取り込まないようにしているんだ。だから、一つのエピソードをたとえ1秒で読み込んだとしても、そのあと15秒何もせずに停止してから、次のエピソードに進むようにしてある。なので、1エピソードごとに16秒ぐらいかかる計算だね。
たとえば100話あるお話だと、1600秒必要ってことさ」
「すると、一時間は3600秒ですから、100話に30分ぐらいかかるわけですね」
「計算上は26分強になるが、まあ1秒以上かかる話もあるだろうし、そんなものかな。
それでも、手でひとつひとつやることを考えたらものすごく楽だとは思わないかい?」
実際、このプログラムを知るまではちまちまと手作業ですべてをやろうとしていたのだ。感激はひとしおだろう。
「途中で止めたくなったら [Ctrl]キーと[C]キーを同時押しして強制終了してくれ」
「そうこう言っている間にーーーー終了ーーーーとでました。おわりましたね」
「みたいだね。ではそれをSigilで読み込んでごらん?」
「そこは登場人物紹介だね。
目次のほかにも作品ページに書かれている説明文、それにタイトル画像、それとこの登場人物紹介も自動で取り込むようにしておいたよ」
「これでHTML版の目次はできているから、あとはSigilの[ツール]ー>[目次]ー>[目次の生成]でシステム目次(端末の目次機能から呼び出す)を作れば、だいたいEpub電子書籍はつくれてしまうんではないかな?」
「うわ、すごい。これももう最初からはいっていますね!」
「うん、ここでOKを押すだけで基本は大丈夫だとおもう」
「ああ、あとは表紙だな。これも[ツール]ー>[表紙の追加]で絵を指定してやるだけでいい。この場合は目次ページで表紙も含んでいるから不要かもしれないけれどね」
Amazon Kindle(KDP)等で出版する場合は表紙画像が必須だという話も聞いたことがある。これは各社状況が違うと思われるので、各自で試してみてほしい。
「これで、ものすごく、ほんとうにものすごく楽になりますわ! すてきです!!」
「ふあああ~。なんだかラクチンすぎて、AIに人間の仕事を取られちゃった気がしますねー」
「ええっ! じゃあお話書くのもやってくれちゃったりして!?」
(ああ、じゃあこれは教えなくていいか。まだ未完成だしな……)
と、何かをポケットに戻す、その兄であった。
しかし、その姿を、寝ぼけた視線でじーーーーーっと見ている怪しい影が、亜空間のすみの布団の上にあった。
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