祭り

文字数 325文字

祭りの提灯の赤い光が
嘘の会話の途中に差し込み
僕は拡大する視界の中で酔い
そこにいた人々は降りていくような気がした
酔いは長くは続かなかった
人々の靴の裏に踏まれた死骸のように
世界から切り離された土の匂い
それでもまだ酔いは覚めることはなかった
高揚感と拡大していく幻想への執着は
温かさと平穏を失った影

わからない問題はそのままにして
放課後の夕日はオレンジ色
照らし出すのは幻想の中
忘れていたと思っていた憶測
記憶の中を巡る無数の間違い

気が付くと傷だらけの風景の中を
高台で見ているような気持ちだった
あの時見た景色はどんなものだったか
晴れた日の夜の記憶は
どこまでも続いていくようだ

様々な過ちは
孤独な世界観を結びつける
体に差し込む光は
僕を殺せただろうか
夜の祭りは続いていく
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み