第3話
文字数 1,354文字
外の闇の中から……はあ?
桜の花弁が落ちているーーー??
俺の家の隣は比水公園だった。そこの桜の木が満開のようだ。
「うーんっ! 確かに綺麗な夜桜ッスね?」
俺は呆れて冗談を言うしかなかった。風に乗って桜の花弁がガラス窓の外でひらひらと舞い落ちていた。
「おにいちゃーーん! 遅刻だよーーー!! なんで起こしてくれないのーー! おにいちゃんバカ!」
その時、妹の光 の絶叫が二階から降ってきた。
あれ? もうこんな時間か?
いつもの妹を起こしてやることを忘れてた。
数分後。慌てて夜の外へと二人して駆け出していた。
「光! 朝食は優しい兄である俺のトーストだ!」
「ほりがとう! ほひいちゃん!」
もぐもぐと俺のフレンチトーストを走りながら瞬時に食べる妹を置いて、ひとまず公園に様子を見に行くことにした。
そこに現れたのは、気象予報士や子供たちの姿はなく。
満開の桜に覆われたこじんまりとした比水公園だった。いつもここには老人しか訪れない。おまけに噴水が中央にあるだけの公園だ。ただ単の……鳥たちの水飲み場でもある。
「ナニコレ? 異常気象? え? なんで、今、7月よ!」
俺に追いついた光るが目を回して言うのだが……。
「ああ、寒いのになあ。桜くん。ご苦労様です! ちょっと、お尋ねしてもよろしいでしょうか、ここでテレビ中継とかされていましたか?」
「何言ってるの? おにいちゃん! いつも通り変よ!」
なんだか……変だ!
今日に限って……。
その時、ズシンという地面からの揺れと衝撃と共に俺と光の身体がグラついた。咄嗟に地震だと思ったのは、勿論今朝の天気予報のせいだ。
「光! 伏せろ!」
「え! 何! 地震?! 伏せていいの?」
比水公園を囲むかのように建つ住宅街がグラグラと激しく踊りだした。地鳴りは耳を塞ぎたくなるほどに大きくなった。桜の木々はこの上なく右へ左へと揺れ動く。
瞬間、夜空が光った。
その光の中から、神々しい女神のようなこの世のものとは思えない美しい女性が現れた。
「影洋。さあ、今こそ試練の時です! そして、ようこそ影の世界へ!」
神々しい女神は、そう言うと、辺りは光の輝きに包まれた。
その光は、俺と光の影を消し去った。
…………
「やっと、地震が収まったぜーーー! 光! 無事か?! それにしても、なんだったんだろ? あの綺麗なお姉さん? いや女神か? 影の世界へようこそって?!」
「おにいちゃんこそ……無事? それよりおにいちゃんと私の影が消えちゃった……影の世界だから? ねえ、おにいちゃん?」
「おう! なんだかそんな感じだな!」
俺は未だカクカクとした足と腰を安定させる。
今は自分の影と光の影のことはまったく気にしなくてもいい。
それよりも、周囲の建造物や桜の木々はグラついただけでなんともなかった。桜の花弁もひらひらと普通に舞い落ちている。ほんとに有難いや。けど……。
「おにいちゃん。何か変よ? 避難勧告もないし……」
「あれ? そういや、なんで誰も外へ逃げてないんだ? 大きな地震なのにー! おーい、町民ーー! みんなまだ寝てるのかーーー?? おはようございますーー! 夜だけど朝の7時ッスよーーー!!」
俺は比水公園から近くの住宅街に走っていくと、すぐそこの民家のドアをドンドンと叩いた。
桜の花弁が落ちているーーー??
俺の家の隣は比水公園だった。そこの桜の木が満開のようだ。
「うーんっ! 確かに綺麗な夜桜ッスね?」
俺は呆れて冗談を言うしかなかった。風に乗って桜の花弁がガラス窓の外でひらひらと舞い落ちていた。
「おにいちゃーーん! 遅刻だよーーー!! なんで起こしてくれないのーー! おにいちゃんバカ!」
その時、妹の
あれ? もうこんな時間か?
いつもの妹を起こしてやることを忘れてた。
数分後。慌てて夜の外へと二人して駆け出していた。
「光! 朝食は優しい兄である俺のトーストだ!」
「ほりがとう! ほひいちゃん!」
もぐもぐと俺のフレンチトーストを走りながら瞬時に食べる妹を置いて、ひとまず公園に様子を見に行くことにした。
そこに現れたのは、気象予報士や子供たちの姿はなく。
満開の桜に覆われたこじんまりとした比水公園だった。いつもここには老人しか訪れない。おまけに噴水が中央にあるだけの公園だ。ただ単の……鳥たちの水飲み場でもある。
「ナニコレ? 異常気象? え? なんで、今、7月よ!」
俺に追いついた光るが目を回して言うのだが……。
「ああ、寒いのになあ。桜くん。ご苦労様です! ちょっと、お尋ねしてもよろしいでしょうか、ここでテレビ中継とかされていましたか?」
「何言ってるの? おにいちゃん! いつも通り変よ!」
なんだか……変だ!
今日に限って……。
その時、ズシンという地面からの揺れと衝撃と共に俺と光の身体がグラついた。咄嗟に地震だと思ったのは、勿論今朝の天気予報のせいだ。
「光! 伏せろ!」
「え! 何! 地震?! 伏せていいの?」
比水公園を囲むかのように建つ住宅街がグラグラと激しく踊りだした。地鳴りは耳を塞ぎたくなるほどに大きくなった。桜の木々はこの上なく右へ左へと揺れ動く。
瞬間、夜空が光った。
その光の中から、神々しい女神のようなこの世のものとは思えない美しい女性が現れた。
「影洋。さあ、今こそ試練の時です! そして、ようこそ影の世界へ!」
神々しい女神は、そう言うと、辺りは光の輝きに包まれた。
その光は、俺と光の影を消し去った。
…………
「やっと、地震が収まったぜーーー! 光! 無事か?! それにしても、なんだったんだろ? あの綺麗なお姉さん? いや女神か? 影の世界へようこそって?!」
「おにいちゃんこそ……無事? それよりおにいちゃんと私の影が消えちゃった……影の世界だから? ねえ、おにいちゃん?」
「おう! なんだかそんな感じだな!」
俺は未だカクカクとした足と腰を安定させる。
今は自分の影と光の影のことはまったく気にしなくてもいい。
それよりも、周囲の建造物や桜の木々はグラついただけでなんともなかった。桜の花弁もひらひらと普通に舞い落ちている。ほんとに有難いや。けど……。
「おにいちゃん。何か変よ? 避難勧告もないし……」
「あれ? そういや、なんで誰も外へ逃げてないんだ? 大きな地震なのにー! おーい、町民ーー! みんなまだ寝てるのかーーー?? おはようございますーー! 夜だけど朝の7時ッスよーーー!!」
俺は比水公園から近くの住宅街に走っていくと、すぐそこの民家のドアをドンドンと叩いた。