人生初の彼女 それを手放すなんてとんでもない

文字数 383文字

うぅ~……もういいわよ、とどめを刺しなさいよ
……ぐすっ
あ、そうですよ! 早くとどめを刺さないと
え、何で?
いや、何でって……
……私にはもう、あなたに勝てるような策なんて残ってないもの
……魔王にとどめを刺すのが勇者の役目なんでしょ?




できるわけ無いじゃん、そんなこと
えっ?
ちょ、ゆーしゃ様!?
いやだって生まれて初めて出来た彼女だよ?
初デートもまだなのに別れるなんてとんでもない!
えぇ~……
デート……デート……?
それって、私と一緒にお茶会してくれるってこと?
もちろん!
うぅ~……
うわ~ん!!
えっ! ちょ、なんで!?
……そりゃ心臓にぎられて『返してほしければ俺と付き合え』なんて脅されたら、普通泣きますよ
俺そんな非道いこと言ってたの!?
……………………
ち、ちがうの!
その……私は魔王だから誰かとお茶会なんて出来ないと思ってて……
……その、うれしくて
あ、この子意外とチョロインだ
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登場人物紹介

「……いや、女同士だしコレくらいいいかなと」


ゆーしゃ様

本作の主人公

勇者召喚の影響で女になった元男

女になったことが原因(多分)であまり自重しなくなった変態


彼女いない歴=年齢で、なんとしても彼女がほしい人

そして、できた彼女は神様を敵にしても手放すつもりがない

「ちょ、何やってるんですか!?」


妖精

ゆーしゃ様を召喚した(女性にした)人で

彼に振り回される苦労人

召喚する人間自体を間違えたのではないかと悩み始めた


……のは世界の意思に操られていたことが原因。

本来の彼女自身はこの終わらないゲームから解放されることを望み、彼女の意思でゆーしゃ様を召喚した。

「ぜ、ぜったいゆるさないんだかりゃ!!」


魔王

本作のラスボス……じゃなかったっぽい

まだ生まれたばかりの魔王

それでも強いはずなのだが、勇者に挑むたびに「ぺしっ」とやられる。


魔王城で勇者と戦い、とどめを刺されるのが役割……のはずだったが、いろいろあって結局成し遂げられなかった。

けれど、一度でいいから誰かとお茶会してみたいという夢は叶えられた。


魔王らしく優雅で不敵にふるまおうとしているが、生まれたばかりなので根は純真無垢な子。

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