第90話 NOVEL DAYSヒストリア

文字数 1,771文字

ふゆぅ。昨日の深夜からるるせは大忙しだったみたいね。
あー、アレな。えーっと、なんだっけ? 制限参加コラボノベルだっけ? それに参加してたんだよな。スターティングメンバーとして。
電子書籍で文集をつくるって話になって、そのブレストや、素案、草稿のためにまきえ肴さんのところでコラボノベルをやったのね。今はるるせはもうくたくたみたい。
上記リンクがそのコラボノベルだぜ?
この制限参加コラボノベル、三日間ランキングでも一位。るるせの方も、本気出して書いたらしいわよ。
殊勝なこったなぁ。
今回はノベルを掲載するだけでなくあとでまとめてエディットして電子書籍にするから、長丁場の企画になるわね。
どんなかたちになるのやら。
映画の話をしようとしてたけど、延期ね。ヒットポイントがもう絶望的にないわ。眠らないとならないわね。
当該コラボノベル、ボリューミーだから、ぜひ読んでみてくれよな!!

歴史の蓄積と継承って言えば最近、明治維新についての本を読んで、そこに明治維新に対しての歴史観って大きく五つあると考えている、ってその著者が言ってて。面白いんだよ、これ。要するに官軍史観と占領軍史観、そしてそこに対抗する、自分で調べていた系の三つの史観を、そこでは挙げていてさ。



一つ目が薩長(官軍)史観。薩長がなければ日本の近代化はなかっただろうって考え。今の日本は薩長がつくったって奴で、例えばどこかの会社や、業界に入ると学閥ってのがある(出版業界にもあるみたいだよー)し、それと同様に「藩閥」って呼ばれるものが根強くある。嘘だと思うなら政治や行政、官僚のひとたちの出身地を調べてみると傾向があるのがわかるよ。


二つ目が占領軍史観。東京裁判が行われて、「日本の行為は総て悪だ」と宣告されて。歴史観としては「戦前の日本には見るべきものはまったくない。日本が良い国になったのは民主化したからだ。それを行ったのは占領軍だ。歴史にはなにも見るものがない」ってもの。一瞬、そんなひといるのか、というと、いる。僕はミュージアム系のお仕事をしているので、僕は本当にこの史観のひとたちがかなりいるのを知っている。


また、「戦前に見るものがない」というひとに「戦前とは?」と訊くと、「半封建的な軍事国家で民主化もなにも行われていない」って言う史観のひともいる。


三つ目。司馬遼太郎的な史観。僕の読んだ本では特に言及されてなかったけど、司馬の書いた小説は小説なので、かなり現実と違うことも書いている、という前提があるから、これは歴史観ではない、と歴史警察の方からは言われちゃいそう、というのを踏まえた上で。司馬は膨大な著書を残したけど、明治の元勲について詳しく描いたものはなくて、志し半ば倒れたひとたちの努力を追いかけたものが多い。それは、明治維新のときそれだけのエネルギーがあった、ってのを真っ正面から見る必要があったのではないか、ということだと読んだ本には書いてあった。


四つ目が、司馬以外の研究者たちのそれぞれの史観。


五つ目が「後世の現代から歴史を批判するのはたやすい」と釘を刺す考え方。帝国主義の行為が酷かったと後世からは言えるけど、帝国主義のひとたちはその枠組みの中でベストを尽くしていたので、その観点から言うと、歴史の各々の局面ではその時代を生きていた人々の生き様があって、それを正当に評価しないと未来への手がかりは得られないぜ、って史観。




……なにが言いたかったかというと、蓄積と継承の話って、多分にして今述べたような、どの立場から見るか、誰が見るかでまるっきり変わってしまうということを、念頭に置いて、っていう話で。


2022/05/19 12:57

今日の更新は、るるせの上記の話からトークが始まったのよね。まあ、それはともかく、もう寝ましょう。
だな。おやすみ。
おやすみ。良い夢を見られるといいわね。
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登場人物紹介

朽葉コノコ(くちはこのこ):元気いっぱいの女の子。語尾は「〜のだ」である。


佐原メダカ(さはらめだか):ドジっ子。コノコを「姉さん」と呼ぶ。実は本作品の主人公なのでは、という疑いもある。

成瀬川るるせ(なるせがわるるせ):ボックスティッシュとお友達。ほかの作品に出てくるるるせとの統合が上手くいかない、ただのキモオタ野郎。

苺屋かぷりこ(いちごやかぷりこ):ファミレス〈苺屋キッチン〉のウェイトレス。『偽典〜』では活躍したが、『〜モダン天鵞絨』

での存在感はいまいちだったと、るるせは思っている。

鏑木盛夏(かぶらぎせいか):『夢浮橋モダン天鵞絨』で活躍したが、るるせによると「あれは盛夏と壊色の物語の外伝なので、現代を舞台にしてこいつらのことを書きたい」と語って早幾年(はやいくとせ)。

夢野壊色(ゆめのえじき):昔は書いててラクなキャラだったが、無駄に『百瀬探偵結社〜』などに登場するため、イメージ崩さないように書く必要が出てきていて悩んでいるが、それ以上にかぷりこと涙子と壊色の書き分けが厳しい。チャットノベルだからどうにか書けている状態。書き分け出来るくらいに作者の力量が上がることが期待される。

空美野涙子(そらみのるいこ):空美野財閥の一人娘。ガラが悪い。このチャットノベルでは説明出来ない設定の数々に拍車をかけてわけわからなくしている一人である。

雛見風花(ひなみふうか):盛夏の小さな恋人。盛夏と風花が恋人って設定、もはやほかのキャラもレズってることが多いるるせの小説では忘れ去られがち。

長良川鵜飼(ながらがわうかい):壊色の後輩。結構好きなキャラだけど、このチャットノベルでの活用方法が浮かばない。撹乱させるタイプのキャラなので。

白梅春葉(しらうめはるは):殺人鬼。あまりに書きやすい性格をしているので、逆に登場回数を制限したいところ。

谷崎順天(たにざきじゅんてん):こいつと津島尚は、るるせが別名義で出していた電子書籍雑誌の短編や、文学フリマでの同人誌で出てくるが、黒歴史ではある。が、るるせは数回〈転生〉していて、るるせ以前は全部黒歴史だから、困ったものである。

津島尚(つしまなお):谷崎の後輩。こいつら主人公で長編が書きたいが、そんなことを登場人物紹介で書いてどうするのか。わからない。

田山理科(たやまりか):『死神は〜』の主人公。妹のちづちづと知らない町に引っ越し、二人で暮らしを始めたが、ちづちづがどこからか拾ってきた少女・みっしーも同居することに。趣味は絵を描くこと。ペインティングナイフを武器にする。と言いつつ、ペインティングナイフで戦ってるシーンて、見たことねぇ!! と一瞬思ったが、こいつ『パイナップルサンド』の主人公で、戦ってた、そう言えば。

みっしー(みっしー):死神少女。十王庁からやってきた。土地勘がないため力尽きそうなところをちづちづに拾われて、そのまま居候することに。大鎌(ハネムーン・スライサー)を武器に、縁切りを司る仕事をしていた死神である。と、あるが、モデルは『密室灯籠』にて出てくるミシナという登場人物であるのは、ここだけの内緒である。何故かというと、密室灯籠のネタバレになるからである(ドーン)!!

ちづちづ(ちづちづ): 理科の妹。背が低く、小学生と間違われるが、中学生である。お姉ちゃん大好きっ娘。いつもおどおどしているが、気の強い一面をときたま見せる。みっしーとは友達感覚。……と、いう設定だったが、いつの間にかいつもイカソウメンもぐもぐしながら不遜な態度を取るキャラになっていたのであった。

青島空雷(あおしまかららかい):『文芸部は眠らせない』に登場する高校一年生。月天とコンビを組んで執筆活動をする文芸部員。ほかの部員に迷惑をかけないように幽霊部員でいようとしたていた、って設定だった気がする。今じゃ主人公(?)の山田よりずっと人気なキャラである。ていうかもはや主人公では?

蛇蝎月天(だかつげってん):青島の相棒。お笑い好きで釘バットを得物にする不良の域を超えた元・困ったちゃん。今は文芸部で小説書いてる。『文芸部は眠らせない』になくてはならないスパイス。坂口安吾の信奉者って設定があった気がするが、今後その設定が活きるかはわからない。

葛葉りあむ(くずのはりあむ):暗闇坂女子高等学校の生徒。折口のえるの〈フォークロア・コレクト〉を手伝う。気丈な性格。

折口のえる(おりぐちのえる):暗闇坂女子高等学校の生徒。〈バベル図書館〉の〈司書〉。フォークロアを蒐集している。いつもバベル図書館の図書貸し出しカウンターでおだやかに紅茶や珈琲を飲んでいる。お嬢様。

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