第1話 冴子の場合
文字数 737文字
ガタタ ガタL ガシャん
ピーピィーぴ …
「今日も部屋干しかなぁ〜」
でんでん虫が滑る様を見て
冴子が呟く
「キャハッ」
「彼奴さ、今頃泣いてんじゃねぇw
いい気味だぁョ」
心の中の掃除機のゴミを捨てるように
笑い飛ばして見る
最近は蝦夷梅雨も梅雨となり
部屋干しの部屋も蒸し暑い
幸いに副鼻腔炎が匂いを和らげて
脱水の排水が流れ堕ちると
心の汗も墜ちた様な気もした
午後 I:32
シナモンオレンジティーの香りが揺れる
「今日… 精霊流しなんだよなぁ
雨だけど」
最近は精霊船もロウソクからLEDになり
鈍い光を受け継いで海に向かってる
その船に優しい嘘を積み込んで
「あぁ いい気味だ」
なんて妄想広げて
突如と
「鬼畜めっ!!」
部屋の中にシュレッダーのゴミをブチまけて見る
彼奴の様に派手にブチまける。
「はあ はぁあ …」
ฅ^•ﻌ•^ฅ ニャゥ
三毛猫のニャアがビックリしてベッドの下に避難する。
何処かf部屋の… 頭の隅から
《ごめんね》という の活字が部屋に降ってくる
「この アパート もう 嫌っ」
とはいえ、彼奴の借金の所為で
今月の生活費は 「0」Zero
「アタマイタイ」
リボ払いもカードももう使えない …
頭痛薬と偏頭痛飲んで
洗濯物はそのままフテ寝する
***
「…して、あと5歳若ければね〜〜」
雨は止んだ
風族の面接に
堕ちた帰り道
水溜りの秋色の太陽がムシっと
アスファルトを蒸しあげる
「ビャッっ」
染みて灰色になったスニーカーから
グチャグチャチャ と鈍い音がする。
黄色い市電の路地裏
日当たりの悪いプランター横に
俯いた向日葵の花びらの雫が
煌めいた
小さな向日葵… コンクリートの隙間から
「うんっ
洗濯物? 干せるかなぁ …」
飴色のe風が吹き
躊躇いの傷が乾いて来た
して …
焼き肉の臭いを運んで来た。
就活以前に生活だわな
鉄工所@述Bell
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