(一)-3
文字数 279文字
「あー、すっきりした。一人で抱え込むのって結構ストレスなのよね。だからといって、旦那に言うわけにもいかないし」
「絶対秘密よ、このことは。あなたの旦那さんにも言ってはダメ。私とあなただけの秘密なんだから」
「あなたって、口、堅いでしょう。だから誰にも言わないかなって。もちろんお友達だからお話したのよ。でも内緒にしておいてね」
私が頷くこと以外の返事ができない間にそうまくし立てた後、彼女は残っていたカップのラテを飲み干し、縁に唇紋の入った赤い口紅の跡をくっきりと残した。それは少し暗めの大人っぽいマットな赤で、きっと男の人が好きそうな色だと私は思った。
(続く)
「絶対秘密よ、このことは。あなたの旦那さんにも言ってはダメ。私とあなただけの秘密なんだから」
「あなたって、口、堅いでしょう。だから誰にも言わないかなって。もちろんお友達だからお話したのよ。でも内緒にしておいてね」
私が頷くこと以外の返事ができない間にそうまくし立てた後、彼女は残っていたカップのラテを飲み干し、縁に唇紋の入った赤い口紅の跡をくっきりと残した。それは少し暗めの大人っぽいマットな赤で、きっと男の人が好きそうな色だと私は思った。
(続く)