第14話
文字数 935文字
突然現れ、話しかけてくるラビス。
ラビスは宙に浮いている。
それにしてもあんな律、めずらしいよね。
戦いとか苦手なのに、怪しい奴に向かっていくなんてさ。
あそこで逃がしちゃったら、また紗奈ちゃんが危ないって、思ったんだろうね~。
まあ、紗奈ちゃん殺した犯人かどうかは分かんないけどさ。
よっぽど紗奈ちゃんを守れなかったのが、悔しかったんだろうね
声が震える。
涙がにじむ。
ラビがいなくなると、ぶるっと寒気がした。
あんなやつでも、話相手がいるだけましだったんだろうか……。
どうしよう……
これから一体どうすれば……
私一人で、何ができる……?
警察を頼ろうにも、私は死んだ人間……。
一体どう説明すれば……。
とりあえず、警察に相談だけでも……。
……でも、何も手掛かりなんてつかんでない……。
今日一日、私は一体何をしていたんだろ……。
無力……すぎるよ……。
りっちゃんも、こんな思い……してたのかな……?
……りっちゃん……。
りっちゃんお願い……。
無事でいて……。
”ゴッ”……
あっ……と思った時には、もう遅かった。
頭に鈍痛がし、
意識が遠くなっていくのを感じた。
……人の気配……。
おちる……黒い影……。
私は誰かに、頭を……殴られ……
そのまま意識を……手放した。