番外編(1) 悠の休日 ~水族館編~

文字数 2,836文字

彩音:
「今日明日はお休みです。」

いつものように第1の訓練所へと行った悠は彩音からそのように告げられた。

 悠:
 「休みってまた急に。」

 彩音:
 「働きすぎです。昨日も遅くまで見回りや師団員の指導していたでしょう。いつか倒れますよ。」

悠はぐうの音も出なかった。近年の魔物の傾向から夜の警戒を強めることになりここしばらく寝る間を惜しんで見回りをしており、夜勤の師団員の稽古もやっていたからだ。

 彩音:
 「あなたに何かあったら総司令がうるさいんですから自分の体を大事にしてください。ということで今日明日は休んでください。仕事はやっておくので。訓練も禁止ですよ。」

悠は無理やり訓練所を追い出された。

 悠:
 「休みって言っても何しよう。」

悠は趣味という趣味はなく、何をしようか困惑していた。

 悠:
 「涼介兄は普通に仕事だろうし・・。!そうだ。」

悠は基地内にある自室に戻り

 悠:
 「おいでみんな。」

指輪から自分の武器を取り出し、人化された。

 桜:
 「ご主人どうしたの?急にみんな呼び出して。」

桜が不思議そうに尋ねた。

 悠:
 「実は急に休暇を言い渡されてな。俺は趣味という趣味ないし最近お前たちにあまりかまってあげられなかったからな。今日明日は一緒にどっか行こうかなって。」

全員が悠に詰め寄り、

 夜行:
 「いいの?やった。あるじ君私スイーツ食べ放題行きたい。」

夜行がそういうと続いて桜が

 桜:
 「私はショッピング行きたい。彼岸は?」

 彼岸:
 「私は映画見に行きたいわ旦那様。」

次に姫香と姫乃が

 姫香:
 「パパ、姫香水族館行きたい!」

 姫乃:
 「パパ様、姫乃も。」

最後に業魔が

 業魔:
 「悠!俺は遊園地に行きたい!」

 悠:
 「見事にバラバラだな。わかった。2日もあるんだ全部行こうか。」

 全員:
 「やったー-。」

 悠:
 「遊園地と水族館は連続で行きづらいから2日に分けるとして。まずはどこに行こうか?」

 夜行:
 「じゃああるじ君、少し遠くのショッピングモールに行かない?そこなら近くに水族館もあるし、遊園地以外ならいけるし。遊園地が一番疲れるから明日のほうがいいよ。」

 悠:
 「そうだなそうしようか。」

 悠:
 「業魔、遊園地明日でいいか?」

 業魔:
 「あぁ、いいぞ。」

 悠:
 「ありがとう。じゃあ・・。」

悠は時計を確認して

 悠:
 「9時半には出ようか。電車で30分くらいで行けるし、10時過ぎからなら水族館も空いてるし。」

 夜行:
 「賛成。」

 悠:
 「じゃあ、各自準備して基地前に集合ね。」

各自準備に取り掛かった。9時半に悠が基地の門の前に行くとみんなすでに待っていた。

 悠:
 「ごめん待たせたね。」

 業魔:
 「悠!早く行こう。」

業魔が小さな手で悠の手を引いた。

 姫香:
 「パパ。」

 悠:
 「どうした?姫香?」

 姫香:
 「手をつなご。」

 悠:
 「いいよ。」

姫乃は姫香の反対の手をつないで桜たちは悠たちの後ろを歩きながら駅へと向かった。電車に乗り、到着した一行はショッピングモールの近くの水族館へと向かった。

 悠:
 「よし、チケットも買ったし入ろうか。」

 彼岸:
 「うん。」

 悠:
 「業、姫香、姫乃走ってはぐれるなよ。」

 業魔・姫香・姫乃:
 「「「はーい。」」」

姫香たち子供組は水槽の魚に釘付けになっていた。

 彼岸:
 「楽しそうでよかったね旦那様。」

 悠:
 「あぁ、喜んでもらって嬉しいよ。最近忙しくてかまってあげられなかったからな。」

 業魔:
 「悠!次あっち行きたい。」

 悠:
 「はいはい、今行くよ。」

 夜行:
 「ねぇ桜、彼岸。」

 桜:
 「?なに夜行?」

 夜具応:
 「こう見ると、あるじ君あの子たちのパパみたいよね。」

 桜:
 「本当ね、ご主人も楽しそうだし。」

 悠:
 「3人とも行くよ。」

 彼岸:
 「はい、今行くわ。」

様々なエリアを見て回っていると、館内アナウンスが流れた。

 『この後、12時よりイルカショーを開催いたします。』

 姫香:
 「パパ!イルカショー見たい。」

 姫乃:
 「姫乃も見たい。パパ様。」

 悠:
 「じゃあ、行こうかイルカショー。」

 姫香・姫乃:
 「「うん。」」

 悠:
 「夜行たちも行くか?イルカショー。」

 夜行:
 「えぇ、私たちも見たいもの。」

 悠:
 「じゃあ、行こうか。」

悠たちはイルカショーをやるエリアまでやってきた。そこにはすでに多くの家族連れやカップルがまだかまだかと待っていた。

 悠:
 「すげー数。前のほうに座ろうか。」

 姫香:
 「うん。」

 悠:
 「ってあれ?桜は?」

 夜行:
 「ちょっとお土産見たいって言ってたわよ。」

 悠:
 「まじか。ちょっと見てくるわ姫香たち頼むな夜行、彼岸。」

 彼岸:
 「えぇ、任せて。」

悠は桜を探してお土産コーナーまでやってきた。すると、桜は男性グループに絡まれていた。

 男性:
 「いいじゃんか、一緒に遊ぼうよ。」

 桜:
 「一緒に来ている人がいるのでお断りします。」

 男性:
 「そういって全然来てないじゃん。遊ぼうよ。」

流石にしつこそうだったので悠は助けに入ることにした。

 悠:
 「桜ここにいたにか。探したよ。」

 悠:
 「お兄さんたちその人俺の大事な人なので返してもらいますよ。」

男性グループの人たちは悠を見て笑った。

 男性:
 「なんだガキじゃねぇか。何だお姉ちゃんが探しに来たのか?悪いがお姉ちゃんは今から俺たちを遊ぶからガキは先に帰ってな。」

男性グループの発言に桜は堪忍袋の緒が切れたのか男の肩を掴み

 桜:
 「おい、何私のご主人を馬鹿にしてるんだ。」

男たちは驚いた顔をして桜を見た。

 桜:
 「その人は私の大事なご主人だ。何も知らないお前らが笑っていい人じゃないんだよ。失せろ。」

男たちは桜の気迫に腰の抜かしてその場を去った。

 桜:
 「ごめんね、お土産に夢中になっちゃって。」

 悠:
 「本当だよ。桜は大事なパートナーなんだから何かあったら困るよ。」

桜は悠の言葉を聞いて頬を赤く染めた。

 悠:
 「どうした?」

 桜:
 「ううん、何でもない。」

 悠:
 「そうか、じゃあ行くぞイルカショーが始まる。」

悠は桜の手を引いてイルカショーのやるエリアにも出ってきた。

 悠:
 「ごめんお待たせ。」

 夜行:
 「お帰りって、なんで手をつないでいるのかしら桜?」

彼岸が桜に詰め寄った。

 桜:
 「まぁ私はご主人の大事なパートナーらしいし。当然よね。」

 夜行:
 「なっ、どういうことよ。」

 彼岸:
 「説明してもらいましょうか、桜。」

彼岸が笑顔で詰め寄った。

 桜:
 「どうしようかな?」

 夜行・彼岸
 「「はぐらかすな!」」

 悠:
 「3人ともショーが始まるぞ。早く座れ。」

3人は一旦言い争いをやめ、ショーを楽しんだ。ショーが終わり時間は13時を過ぎていた。

 悠:
 「もうこんな時間か。みんな次行くぞ。」

 夜行::
 「あるじ君次どこ?」

 悠:
 「食べ放題。おなかもすいただろ。予約してあるから行くよ。」

悠たちは近くのショッピングモールに中にある食べ放題の店へと向かった。
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