第二幕(9)

文字数 353文字

オポッセ・サーン。

二十五日。
ブリザード。二人とも終日睡眠をとる。よい休養となった。

オットーメンボド、二十六日。ひきつづきブリザード。今日もまったく進めず。

ハースは砂糖水だけ飲んで寝てしまった。食糧を節約して、その分僕に食べさせようとしているのだ。ありがたいが、やりきれない。

ゲセニ・サナーン。
冬第二の月、第一日。

吹雪のち晴れ。17キロ。難行軍。行けども行けども岩。

そりに車輪をつけたが、石にはさまり車軸が曲がる。

かかとの筋を痛めた。一晩寝れば治るはずだ。

ソードニ、第二日。みぞれ、6キロ。

鼻と耳を凍傷にやられる。ハースが驚いてマッサージをしてくれた。

うかつだった。

ベレン、第七日。終日夕暮れのようだ。

降りしきる火山灰のせいでのどがざらつく。深紅の花のような火山の炎が、闇にひろがる黒雲をにぶく照らしている。

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登場人物紹介

ゲンリー・アイ

地球出身。惑星同盟《エキュメン》の特使。惑星《冬》ことゲセンに単身降り立ち、カーハイド帝国の皇帝に開国をうながす。長身。性格は誠実で直情的。推定される容貌はアフリカ系。男性。

セレム・ハース・レム・イル・エストラヴェン


ゲセン出身。帝国カーハイドにおける《王の耳》(宰相に相当する最高実力者)。ゲンリーの使命の重要性をただ一人理解する。やや小柄(ゲセン人の平均的体躯)。性格は慎重かつ大胆。推定される容貌はアジアあるいはエスキモー系。中性(両性具有)。

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