第17話 <俺がみんなを守る!!>

文字数 1,013文字


こんな所までもう嗅ぎつけてるのか!

本当にマスコミの執念ってやつはすごいものだな。

「あ! いた!」

家の中に引き返す間も無く、
俺らは記者たちにとり囲まれてしまった。

「やめて下さい! 小さな子供もいるんです!!」

熊坂さんの叫びも虚しく、
報道陣のマイクが次から次へと向けられた。

「中野さんとはもともと交際されていたんですか!?」

「なんで今になって姿を現したんでしょうか?」

「今ごろ出てきたのは、
中野さんからの援助が必要だったからなんでしょうか?」

デリカシーのかけらもない質問が飛び交い、
熊坂さんは拓海くんを守るように
覆い被さりながら質問をやり過ごした。

「みなさん、待って下さい!!
ちゃんと話しますから!!」

中野も声を張り上げて記者たちを落ち着かせようとしたが、

「中野さん、お子さんは認知はされているのですか!?」

「ファンの方々にはどう説明するんでしょうか?」

と、矛先が中野に向かっただけで
記者たちの過熱ぶりは収まる気配はなかった。

この場を収めるには……
ひとまずこの三人を解放させるにはどうしたら……

俺も「近所迷惑なんで騒がないで下さい!!」と叫びながら、
この状況をどうやって切り抜けるか策を巡らせた。

えっとえっと……そうだ!!

俺は息を大きく吸ってこう叫んだ。

「みなさん! すみません!!
この二人がこれまで結婚に至らなかったのは、僕のせいなんです!!」

記者たちの動きが一瞬止まり、一斉に俺を見た後、
好奇に満ちた目で今度は俺にマイクを向けた。

「この二人が結婚ができなかったのは、
僕がずっと阻止していたからです!!
もし結婚したら必ず邪魔してやるって脅しをかけてました!!
なぜなら、僕はこの人が好きだから!!」

そう言って中野の腕をとった。

「僕はこの人が好きなんです!!」

「え、えぇ……!?」

中野は困惑した顔で俺を見た。

「でももう、彼のために諦めようと思います!!
今日もその話し合いをしてました!!
これからは二人の結婚を応援します!!」

「詳しいお話聞かせていただけますか!?」

記者たちの興味は目論見通り俺に向かった。

「二人は愛し合っています!
みなさん邪魔しないで暖かく見守ってやって下さい!」

俺が引き続き話をしていると
そこにナイスタイミングでまおみが車をつけた。

「早く乗って!!」

まおみは叫び、記者たちが俺に気を取られている隙に
中野と熊坂さんと拓海くんの三人は車に乗り込み、走り去った。

そして俺は記者たちにもみくちゃにされたまま、車を見送った。


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