『パスの道は長かった。』
文字数 3,477文字
※僕のツイッターを見てないと分からない話がいくつかあるので、一部ツイッターに投稿したのとは変更した点があります。ご了承ください(ーー;)
前巻までのあらすじ
眠り姫を目覚めさせるために森の中へとやってきた望。小人が言うには「キスをすれば目を覚ます」らしい。しかし女性が大の苦手である望にはそれは地獄の試練であった。そこに謎のおじさんがやってきて「俺がこの子の王子様だ!」と支離滅裂なことを言う。小人は猛烈に彼に反対し、止めようとするが望にはかえって好都合。その小人を抑えて、おじさんに全力で協力する。そしてキスをした結果、眠り姫は目を覚ましたがおじさんを見た瞬間眠り姫は彼をビンタ!で、隣にいた望にも勢いよくビンタ!意味も分からず望はその場に倒れ込んでいた……。
・ ・
望 「……そういえばW杯ですね」
千里 「はっ?」
望 「あのゴールは感動ものでした。あのシュートのかっこよさと言ったら」
千里 「先生、W杯はもうとっくに……」
望 「そしてついつい多くの人は、シュートをした人間の方を見てしまいますが」
千里 「だから先生、W杯はとっくに……」
望 「私はパスした方の人間を見ます!」
あびる 「どういうことです?先生」
望 「……私は知っています。良いパスあってこその良いシュートだと。良いパスからシュートを外すことはあっても、悪いパスからシュートを決めることはほとんどありません!」
奈美 「まあ分からなくもないけど……」
望 「そう、これはサッカーだけの話ではありません。良いパス、もといサポートのおかげで良いシュート、もとい良い結果を出すことができるのです!」
・両親の良きサポートで合格へゴール
・部下の良きサポートでプロジェクト成功へゴール
・友達の良きサポートで恋愛成功へゴール
可符香 「なんて素晴らしい、パス!」
望 「……しかし、世の中には余計なサポートというのもあります。例えば無理に役に立とうと努力した結果、かえって状況を悪化させて足を引っ張ってしまったりなど、悪いパスは無駄になったり、最悪良いシュートを邪魔してしまったりしてしまうのです!」
望 「まあ俗にいうありがた迷惑もそれの一部です。そしてそんな『逆効果パス』のなんたる多いことか!」
・アップデートした後の方が逆に使いにくくなったアプリ
・師匠からの愛ある読み切りが、結果として自分にダメージを与える
・お誕生日プレゼントに勉強道具を渡す親、ありがた迷惑やん(ーー;)
望 「絶望したっーー!! サポートしようとして逆に迷惑しかかけてない『逆効果パス』に絶望したっーー!!」
奈美 「まあ、あるよね、そういうの。周りがやけに私に食べ物をくれるんだけど、おかげで最近太ってきた気がするんだよね」
あびる 「奈美ちゃんはそうでしょう」
可符香 「そんな『逆効果パス』なんてあるわけないじゃないですか!」
望 「風浦さん……しかし実際に『逆効果パス』はあるのだから、その意見は通じませんよ!」
可符香 「『逆効果パス』ではありません!これは一種の『獅子の子落とし』ですよ!」
奈美 「獅子の子落とし?」
あびる 「ライオンの親は子供を崖から落とすほどに子供に対して厳しくすることで、子供を立派に育てる。そんな話からできた言葉だったような……」
望 「つまり良いシュートを邪魔する悪いパスは、あえての厳しさだと言いたいのですか?」
可符香 「ええ、その通りです!」
可符香 「だって考えてもみてください!パスとは自分の持っているものを人に渡すこと! そんなことは信頼している相手にしかできませんよ! そして信頼している相手に対してありがた迷惑などあるはずがない!そう、これはその人の成長のための、あえて授ける試練なのです!」
望 「ちょっと飛躍しすぎでは⁉︎」
可符香 「この世には素敵な『逆効果パス』、もとい『愛ゆえのパス』が多くあります!!」
・愛ゆえに、部下が失敗するように手回しを!
・愛ゆえに、新連載よりも話題になる読み切りを!
・愛ゆえに、迷惑でしかない二次創作小説を!
可符香 「言ってしまえば、『逆効果パス』は、お互いの信頼関係を示す存在にもなるということです!」
マ太郎 「ってことは、パスを出せば、シンライカンケイ築ける、ってことカ?」
可符香 「ええ、そうです!」
マ太郎 「マリア、みんなとシンライ築きたい!みんなとトモダチ、なりたいヨ!」
可符香 「なら『逆効果パス』、もとい『愛ゆえのパス』をみなさんにも出してあげてください!」
マ太郎 「分かっタ!!」
千里 「あっ、マ太郎が⁉︎」
望 「大変です!関内くんを追いかけなくては!」
奈美 「まためんどくさいことに!」
あびる 「展開には仕方ないことよ」
奈美 「あっ、あれは!」
女 「別れてやるー!」
男 「ああ、いいよ!こっちこそ、別れてやる!」
まとい 「男女間の喧嘩!」
望 「いたんですか」
まとい 「ええ、ずっと」
マ太郎 「どうかしたのカ?」
望 「なるほど。第三者として二人の喧嘩を止めるための仲裁になるということですか」
あびる 「でも確か『逆効果パス』をマリアちゃんはやろうとしてるんじゃ」
女 「ねぇ、聞いて!!圭くんったら私のことブスって言うのよ⁉︎」
男 「でもお前は俺のことバカって言ったろう!!」
望 「……さて、どんなパスを出すんでしょうか」
マ太郎 「……どっちも合ってるんじゃないのカ?」
望 「あっ……」
男 「なっ⁉︎」
女 「こうなったら」
二人 「本当に別れてやる!!」
望 「なんとひどい、厳しすぎるパス!これが『愛ゆえのパス』ですか!」
奈美 「愛を微塵も感じないんだけど⁉︎」
晴美 「むしろ余計なサポートで信頼関係が一つ崩壊した!!」
望 「あっ、今度は」
政治家 「清き一票を!清き一票を!」
マ太郎 「あの人ともシンライカンケイ、築くヨ!」
奈美 「また逆効果パスを出すんじゃ⁉︎ 」
マ太郎 「……貸して欲しいものがアルヨ」 ごにょごにょ
可符香 「……うん!それならすぐ用意できます!マリアちゃん、少し待っててね」 ごそごそ
あびる 「何かを可符香ちゃんが準備してます」
望 「風浦さんまで関わるとは、嫌な予感しかしませんね……」
奈美 「だったら止めろよ!!」
可符香 「この中に入ってるからね、マリアちゃん!」
マ太郎 「分かったヨ!」
奈美 「あっ、マリアちゃんが政治家の方へ!!」
政治家 「清き一票を!清き一票を!」
マ太郎 「これ、プレゼントダヨ!」
政治家 「えっ?」
マ太郎 「……応援してるカラ!」
ペラッ
可符香 「封筒の中には札束が入ってます!」
ピーポパーポー
望 「まさに役に立とうとして逆効果になってしまう『逆効果パス』!」
奈美 「ていうか札束を持ってた可符香ちゃんには誰もツッコまないの⁉︎」
マ太郎 「今度はホントのパスダヨ!」
可符香 「あっ、マリアちゃんがサッカーボールを蹴りました!」
奈美 「それでそのボールが……」
あびる 「芽留ちゃんにぶつかってケータイが飛んでいって」
晴美 「そのケータイの風でカエレちゃんのスカートがめくれて……」
奈美 「それを見た臼井くんが鼻血を出した⁉︎」
あびる 「それでその鼻血を避けようとして愛ちゃんが木野くんに衝突して」
晴美 「テンパった木野くんが走り出して万世橋くんに衝突!」
奈美 「……で万世橋くんが大切そうに抱えてたフィギュアが飛んでいって」
あびる 「千里ちゃんに衝突」
一同 「……」 ドキドキ
千里 「……ゆ、許さない!!」
奈美 「待って!千里ちゃん!マリアちゃんは悪くないの!!」
千里 「……許さない!先生!!」
望 「なんで私なんですか⁉︎」
奈美 「……先生ならいいや」
望 「良くないです!!」
千里 「先生を殺して私は生きる!」
望 「ひっっ!!」
可符香 「……パスがうまく繋がりました!!」
マ太郎 「これでシンライカンケイ、築けたカ?」
晴美 「むしろ信頼崩壊してるでしょ⁉︎」
マ太郎 「でもちゃんとパス、繋げてゴールできたじゃないカ!」
あびる 「……オウンゴールだけどね」
前巻までのあらすじ
眠り姫を目覚めさせるために森の中へとやってきた望。小人が言うには「キスをすれば目を覚ます」らしい。しかし女性が大の苦手である望にはそれは地獄の試練であった。そこに謎のおじさんがやってきて「俺がこの子の王子様だ!」と支離滅裂なことを言う。小人は猛烈に彼に反対し、止めようとするが望にはかえって好都合。その小人を抑えて、おじさんに全力で協力する。そしてキスをした結果、眠り姫は目を覚ましたがおじさんを見た瞬間眠り姫は彼をビンタ!で、隣にいた望にも勢いよくビンタ!意味も分からず望はその場に倒れ込んでいた……。
・ ・
望 「……そういえばW杯ですね」
千里 「はっ?」
望 「あのゴールは感動ものでした。あのシュートのかっこよさと言ったら」
千里 「先生、W杯はもうとっくに……」
望 「そしてついつい多くの人は、シュートをした人間の方を見てしまいますが」
千里 「だから先生、W杯はとっくに……」
望 「私はパスした方の人間を見ます!」
あびる 「どういうことです?先生」
望 「……私は知っています。良いパスあってこその良いシュートだと。良いパスからシュートを外すことはあっても、悪いパスからシュートを決めることはほとんどありません!」
奈美 「まあ分からなくもないけど……」
望 「そう、これはサッカーだけの話ではありません。良いパス、もといサポートのおかげで良いシュート、もとい良い結果を出すことができるのです!」
・両親の良きサポートで合格へゴール
・部下の良きサポートでプロジェクト成功へゴール
・友達の良きサポートで恋愛成功へゴール
可符香 「なんて素晴らしい、パス!」
望 「……しかし、世の中には余計なサポートというのもあります。例えば無理に役に立とうと努力した結果、かえって状況を悪化させて足を引っ張ってしまったりなど、悪いパスは無駄になったり、最悪良いシュートを邪魔してしまったりしてしまうのです!」
望 「まあ俗にいうありがた迷惑もそれの一部です。そしてそんな『逆効果パス』のなんたる多いことか!」
・アップデートした後の方が逆に使いにくくなったアプリ
・師匠からの愛ある読み切りが、結果として自分にダメージを与える
・お誕生日プレゼントに勉強道具を渡す親、ありがた迷惑やん(ーー;)
望 「絶望したっーー!! サポートしようとして逆に迷惑しかかけてない『逆効果パス』に絶望したっーー!!」
奈美 「まあ、あるよね、そういうの。周りがやけに私に食べ物をくれるんだけど、おかげで最近太ってきた気がするんだよね」
あびる 「奈美ちゃんはそうでしょう」
可符香 「そんな『逆効果パス』なんてあるわけないじゃないですか!」
望 「風浦さん……しかし実際に『逆効果パス』はあるのだから、その意見は通じませんよ!」
可符香 「『逆効果パス』ではありません!これは一種の『獅子の子落とし』ですよ!」
奈美 「獅子の子落とし?」
あびる 「ライオンの親は子供を崖から落とすほどに子供に対して厳しくすることで、子供を立派に育てる。そんな話からできた言葉だったような……」
望 「つまり良いシュートを邪魔する悪いパスは、あえての厳しさだと言いたいのですか?」
可符香 「ええ、その通りです!」
可符香 「だって考えてもみてください!パスとは自分の持っているものを人に渡すこと! そんなことは信頼している相手にしかできませんよ! そして信頼している相手に対してありがた迷惑などあるはずがない!そう、これはその人の成長のための、あえて授ける試練なのです!」
望 「ちょっと飛躍しすぎでは⁉︎」
可符香 「この世には素敵な『逆効果パス』、もとい『愛ゆえのパス』が多くあります!!」
・愛ゆえに、部下が失敗するように手回しを!
・愛ゆえに、新連載よりも話題になる読み切りを!
・愛ゆえに、迷惑でしかない二次創作小説を!
可符香 「言ってしまえば、『逆効果パス』は、お互いの信頼関係を示す存在にもなるということです!」
マ太郎 「ってことは、パスを出せば、シンライカンケイ築ける、ってことカ?」
可符香 「ええ、そうです!」
マ太郎 「マリア、みんなとシンライ築きたい!みんなとトモダチ、なりたいヨ!」
可符香 「なら『逆効果パス』、もとい『愛ゆえのパス』をみなさんにも出してあげてください!」
マ太郎 「分かっタ!!」
千里 「あっ、マ太郎が⁉︎」
望 「大変です!関内くんを追いかけなくては!」
奈美 「まためんどくさいことに!」
あびる 「展開には仕方ないことよ」
奈美 「あっ、あれは!」
女 「別れてやるー!」
男 「ああ、いいよ!こっちこそ、別れてやる!」
まとい 「男女間の喧嘩!」
望 「いたんですか」
まとい 「ええ、ずっと」
マ太郎 「どうかしたのカ?」
望 「なるほど。第三者として二人の喧嘩を止めるための仲裁になるということですか」
あびる 「でも確か『逆効果パス』をマリアちゃんはやろうとしてるんじゃ」
女 「ねぇ、聞いて!!圭くんったら私のことブスって言うのよ⁉︎」
男 「でもお前は俺のことバカって言ったろう!!」
望 「……さて、どんなパスを出すんでしょうか」
マ太郎 「……どっちも合ってるんじゃないのカ?」
望 「あっ……」
男 「なっ⁉︎」
女 「こうなったら」
二人 「本当に別れてやる!!」
望 「なんとひどい、厳しすぎるパス!これが『愛ゆえのパス』ですか!」
奈美 「愛を微塵も感じないんだけど⁉︎」
晴美 「むしろ余計なサポートで信頼関係が一つ崩壊した!!」
望 「あっ、今度は」
政治家 「清き一票を!清き一票を!」
マ太郎 「あの人ともシンライカンケイ、築くヨ!」
奈美 「また逆効果パスを出すんじゃ⁉︎ 」
マ太郎 「……貸して欲しいものがアルヨ」 ごにょごにょ
可符香 「……うん!それならすぐ用意できます!マリアちゃん、少し待っててね」 ごそごそ
あびる 「何かを可符香ちゃんが準備してます」
望 「風浦さんまで関わるとは、嫌な予感しかしませんね……」
奈美 「だったら止めろよ!!」
可符香 「この中に入ってるからね、マリアちゃん!」
マ太郎 「分かったヨ!」
奈美 「あっ、マリアちゃんが政治家の方へ!!」
政治家 「清き一票を!清き一票を!」
マ太郎 「これ、プレゼントダヨ!」
政治家 「えっ?」
マ太郎 「……応援してるカラ!」
ペラッ
可符香 「封筒の中には札束が入ってます!」
ピーポパーポー
望 「まさに役に立とうとして逆効果になってしまう『逆効果パス』!」
奈美 「ていうか札束を持ってた可符香ちゃんには誰もツッコまないの⁉︎」
マ太郎 「今度はホントのパスダヨ!」
可符香 「あっ、マリアちゃんがサッカーボールを蹴りました!」
奈美 「それでそのボールが……」
あびる 「芽留ちゃんにぶつかってケータイが飛んでいって」
晴美 「そのケータイの風でカエレちゃんのスカートがめくれて……」
奈美 「それを見た臼井くんが鼻血を出した⁉︎」
あびる 「それでその鼻血を避けようとして愛ちゃんが木野くんに衝突して」
晴美 「テンパった木野くんが走り出して万世橋くんに衝突!」
奈美 「……で万世橋くんが大切そうに抱えてたフィギュアが飛んでいって」
あびる 「千里ちゃんに衝突」
一同 「……」 ドキドキ
千里 「……ゆ、許さない!!」
奈美 「待って!千里ちゃん!マリアちゃんは悪くないの!!」
千里 「……許さない!先生!!」
望 「なんで私なんですか⁉︎」
奈美 「……先生ならいいや」
望 「良くないです!!」
千里 「先生を殺して私は生きる!」
望 「ひっっ!!」
可符香 「……パスがうまく繋がりました!!」
マ太郎 「これでシンライカンケイ、築けたカ?」
晴美 「むしろ信頼崩壊してるでしょ⁉︎」
マ太郎 「でもちゃんとパス、繋げてゴールできたじゃないカ!」
あびる 「……オウンゴールだけどね」