第3話
文字数 919文字
「なんでいつもセーター伸びちゃうのよ……」
私の呆れた口調で、休日が始まった。お父さんが洗濯したであろう私のセーターは、ごわごわに伸びていたからだ。今朝起きて、お気に入りの服が無いので、昨日干してから取り入れたであろう洗濯物の山を探しに行くと、そこで見つかってしまった。お父さんが洗濯してしまっていたのだ。
「自分で手洗いするって言ったのに」
「もったいないからこれで何か拭くか」
買ったばかりのお気に入りのセーターは、二度と着ることのない掃除用具になってしまった。こういった事態に慣れてしまっているからか、お気に入りの服で掃除をしようが無でいられる。
「ちゃんと洗濯できないのなら、やらなくていいのに、ほっといてよ」
私のお父さんは余計なことばかりする。ちゃんとできない癖に洗濯をして、私の服を山ほどダメにしてきた。洗濯機の中はためた洗濯物でぎゅうぎゅうのまま回すし、干し方は型崩れのオンパレード。しかし、私がいくら注意しても、直してはくれない。言っても無駄なので、もう私は言葉を投げない。
せっかくの休日は、お父さんのせいで、また憂鬱に変わる。毎日毎日、お父さんが私の頭の中を曇りに変えていくのだ。私はいつ、気持ちの良い朝が迎えられるのだろうか。
「はぁ……」
溜息なんかつきたくなくても出てしまう。
「年頃の女の子が怒鳴りに行かないだけマシだと思ってよね」
怒りたい。心の中でふつふつと鬼は生まれてきている。でも、無駄なのである。無駄なことはいくらしても無駄なのだ。私は大人だから、胸に気持ちを押し込める。もやもやしたまま、そのまま閉じ込めてしまうのだ。閉じ込める蓋は縁には密着はしないけれど、蓋を増やして押し込めばしばらく出てくることはない。
「この服でいいや」
私は代わりの服を手に取り、楽しい休日を過ごす為に準備をする。お父さんはまだ寝ているであろう。休みの日にお父さんが午前中に起きてくるところなんて見たことがない。いつまで寝ているのだろう。まあ、どうでもいいのだけれど。
「これでオッケイかな、あ、もうこんな時間。行かなきゃ」
時計を見ると、時刻は午前十時二十六分。支度を終え、カチャリと静かにドアを開けて私は家から外へ踏み出した。
私の呆れた口調で、休日が始まった。お父さんが洗濯したであろう私のセーターは、ごわごわに伸びていたからだ。今朝起きて、お気に入りの服が無いので、昨日干してから取り入れたであろう洗濯物の山を探しに行くと、そこで見つかってしまった。お父さんが洗濯してしまっていたのだ。
「自分で手洗いするって言ったのに」
「もったいないからこれで何か拭くか」
買ったばかりのお気に入りのセーターは、二度と着ることのない掃除用具になってしまった。こういった事態に慣れてしまっているからか、お気に入りの服で掃除をしようが無でいられる。
「ちゃんと洗濯できないのなら、やらなくていいのに、ほっといてよ」
私のお父さんは余計なことばかりする。ちゃんとできない癖に洗濯をして、私の服を山ほどダメにしてきた。洗濯機の中はためた洗濯物でぎゅうぎゅうのまま回すし、干し方は型崩れのオンパレード。しかし、私がいくら注意しても、直してはくれない。言っても無駄なので、もう私は言葉を投げない。
せっかくの休日は、お父さんのせいで、また憂鬱に変わる。毎日毎日、お父さんが私の頭の中を曇りに変えていくのだ。私はいつ、気持ちの良い朝が迎えられるのだろうか。
「はぁ……」
溜息なんかつきたくなくても出てしまう。
「年頃の女の子が怒鳴りに行かないだけマシだと思ってよね」
怒りたい。心の中でふつふつと鬼は生まれてきている。でも、無駄なのである。無駄なことはいくらしても無駄なのだ。私は大人だから、胸に気持ちを押し込める。もやもやしたまま、そのまま閉じ込めてしまうのだ。閉じ込める蓋は縁には密着はしないけれど、蓋を増やして押し込めばしばらく出てくることはない。
「この服でいいや」
私は代わりの服を手に取り、楽しい休日を過ごす為に準備をする。お父さんはまだ寝ているであろう。休みの日にお父さんが午前中に起きてくるところなんて見たことがない。いつまで寝ているのだろう。まあ、どうでもいいのだけれど。
「これでオッケイかな、あ、もうこんな時間。行かなきゃ」
時計を見ると、時刻は午前十時二十六分。支度を終え、カチャリと静かにドアを開けて私は家から外へ踏み出した。