樹、ガラス、風
文字数 638文字
午後の日、あなたと出掛けた公園。
桜の花びらが吹雪く。
地面にはたくさんの花弁で雲のようになっている。
ブルーシートを敷いて、あなたと寝転ぶ。
あなたはポケットから青色の気泡の沢山入ったビー玉を取り出して
「これさー、覚えてる?」私の胸に置く。
「お前とはじめて出掛けた時に飲んだラムネのビー玉」
あぁ、そういえば、あの祭りの日君は私をつれて、友人に紹介してくれたっけ。
屋台のご飯はどれも美味しそうで結局ラムネだけ飲んで帰ってきたのが昨日の事のように思い起こされる。
日の光をうけてキラリキラリと光る。
胸に小さな虹が掛かる。
「……一緒にいてくれてありがとうな」
静かにあなたが言うから私はなにも言えない。
ちょうど良く風が花弁を巻き上げて通りすぎた。
「……大丈夫か?」
私についた花弁を優しく取り除く。
それでもなにも言えずにいると
「樹はさ、長い時間かけて大人になるじゃん?そんで、ずっとその場にいるじゃん?俺、そうなりたかったなぁ。お前の帰る場所に」そう寂しそうに呟いた。
私だって願わくばずっと一緒にいたかった。それが叶わぬことだと知っていても。
でもこの別れがあなたの笑顔に繋がっているからさようならは言わない。
「ひろしー!!買い物行こーぜ!!」
待ち会わせてた友人の声が聞こえる。
「おう!!」
あなたは私を大切に財布にしまい立ち上がる。
「新作のゲームソフト、お金足りるかなぁ」
「大丈夫だって!」
あなたの弾んだ声を聞いて最後のその時を待った。
桜の花びらが吹雪く。
地面にはたくさんの花弁で雲のようになっている。
ブルーシートを敷いて、あなたと寝転ぶ。
あなたはポケットから青色の気泡の沢山入ったビー玉を取り出して
「これさー、覚えてる?」私の胸に置く。
「お前とはじめて出掛けた時に飲んだラムネのビー玉」
あぁ、そういえば、あの祭りの日君は私をつれて、友人に紹介してくれたっけ。
屋台のご飯はどれも美味しそうで結局ラムネだけ飲んで帰ってきたのが昨日の事のように思い起こされる。
日の光をうけてキラリキラリと光る。
胸に小さな虹が掛かる。
「……一緒にいてくれてありがとうな」
静かにあなたが言うから私はなにも言えない。
ちょうど良く風が花弁を巻き上げて通りすぎた。
「……大丈夫か?」
私についた花弁を優しく取り除く。
それでもなにも言えずにいると
「樹はさ、長い時間かけて大人になるじゃん?そんで、ずっとその場にいるじゃん?俺、そうなりたかったなぁ。お前の帰る場所に」そう寂しそうに呟いた。
私だって願わくばずっと一緒にいたかった。それが叶わぬことだと知っていても。
でもこの別れがあなたの笑顔に繋がっているからさようならは言わない。
「ひろしー!!買い物行こーぜ!!」
待ち会わせてた友人の声が聞こえる。
「おう!!」
あなたは私を大切に財布にしまい立ち上がる。
「新作のゲームソフト、お金足りるかなぁ」
「大丈夫だって!」
あなたの弾んだ声を聞いて最後のその時を待った。