第12話 仲間(あこがれ)
文字数 2,271文字
日常は崩れた。
早朝にいつも聞こえる鳥の鳴き声はかき消され、空には重高音が鳴り響いた。
ブゥゥゥゥン
ブゥゥゥゥン
ブゥゥゥゥン
ババァーン!!!
それに続き、地面が轟音とともに揺れた。
その音に驚き、慌てて音の方角である空を見ると街に四機の飛行艇が爆弾のようなものを落として街を攻撃してきた。
俺達も外に出てギルドに向かうとその入り口前には街の人たちも武装しており、町長でもあるマスターが指示をしていた。
「戦闘に関わらない者は、地下避難所に入ったな」
「マスター!!!」
自分たちに呼ばれたマスターはこちらに気づいた。
「あぁ君たちか、今帝国がこの都市を攻撃してきてこんな有様さ」
周囲を見渡すと、いくつかの家は爆弾でほとんど原型も残さずに破壊されていた。
「なんで、だって帝国は魔獣を倒すためにいるのにいるんじゃないの。
それがなんで……」
隣にいたマーニさんは声を震わせながら言ったが、マスターはそれが現実だと言うことを知らせるように無言で頭を横に振った。
「それは分からない、だが今はこの街の兵士に抵抗させ囮にして、僕たちは先にこの包囲網が完成する前に脱出して、本艦であるアマテラスを叩く」
「あの飛行艇よりも大きいものがいるんですか」
「えぇ、そうよマコト君。
あれ以上のものが恐らく近くにいるはずよ。
街の人たちを信じていきましょう」
マスターの隣からモルガーナ先生も歩いてきてそう言った。
それに続き、武装した街の人々も言った。
「そうだ、そうだ、俺たちもマコトやマーニ、アスラに頑張ってくれたんだ、次は俺たちも頑張らないといけないだろう。
なんたってマルスさんが呼んだ転生者なんだからな」
「えっ、みなさん、俺が転生者って知っているの」
おかしいな、それを知っているのは、マーニさんやアスラさんとマスター達ぐらいだけなのに。
すると、先生がトコトコと歩いてきて耳元でこっそりと話した。
「まぁ、マキュリーって言う、隠し事おじさんが君がクエストをこなしている間にこっそりと街の皆んなに君が転生者で味方だと言うことを教えていたからね」
「そうですか、そしたらありがとうって言わないと、俺もう隠し事したく無かったから」
それを聞いた先生は、ニッコリと笑った。
そうだもう自分はこの街の一員になったんだ、認められたんだ。
そしたら、前以上に全力で頑張らないと。
「マスター早くいきましょう」
「あぁ、そうだな」
✳︎✳︎✳︎
そして、俺たちはマスターを先頭に草原の中をしゃがみながら歩いていた。
「あいにく、背の高い草原地帯で良かったよ、背を低めながら歩けば、風が吹かない限り、上からは見えづらいから。
あぁ、本当は森とかのほうが早く移動できたんだけどな」
そんなマスターの小言を聞き、数十分後……
目の前には、透明であるが少し赤い光が差し込むバリアのようなものが現れた。
「皆止まってくれ、これがあの小型機が出している遮断シールドだ。
魔力も物理攻撃も全て無効化し、シールドを触れた者は、魔力を奪われて気絶してしまう代物だよ」
「どうするればいいんだろう。
穴を掘って地下から脱出することはできないの」
「マコト、これは地面を透過して動くものに反応するものだからね。
壊したり、避けるのは現状は不可能だから、ここはマコトのマギアを使ってそれぞれ一人ずつ付与させてこのシールドを突破したほうがいいだろう。
マギアは通常の魔力とは全く異なる魔力形態をしているから恐らくこのシールドを貫通できるだろう」
「詳しいんですね、アスラさん」
「いや、仲間のことぐらいは知らないといけないから」
すごいなアスラさんは何でもお見通しだね、俺が転生者だと言うことも知っていたし、魔術も上手だし、剣を使うマーニさんとはまた違う凄さがあるよ。
俺も二人に負けないぐらい頑張らないと。
「じゃあ、さっそくやってみます。」
「気をつけてマコト」
「大丈夫ですよ、マーニさん」
ビュュュン
キュポッ
少し触れていると、俺の体はそのシールドに飲み込まれたと思ったらすり抜けられた。
「何とか、すり抜けられた。
じゃあ、今からこれを無効化しますから」
俺が、両手をかざすとその障壁に人が一人入れるほどの穴が出現した。
その空間に強者のマギアを付与すれば、応用すればこんなものに使えるなんて中々便利なんだね。
マルスさんにますます感謝しないと。
そして、俺を含めた五人がその穴から外に出ることができた。
「皆、準備しろ。
さすがはラウ、もうお待ちかねのようだ」
その姿を見たときは感想としては、圧巻だった。
巨大な飛行艇が飛んでいるから、聞いたイメージ通りのものなのだが、普通の巨大な飛行艇とは何か異質に感じられる。
まるで、一つの巨大な生物が空に飛んでいる、そんなような感覚だ。
「マコト、君が見てきた何かと違うような感じがするか」
「えぇマスター、確かに感じたことのない気配ですね。
なんかあの飛行艇、生き物のような感じもするんですよね」
「そうか王兵英雄こと、帝国元帥ラウ。
その性質は創造。
自身の思い描く機械なら、物質さえあれば手に触れ続けることでそれを本物と差異がないほど再現できる性質を持っている。
恐らく君が見ているのは、彼の一部でもある飛行艇だ、だから転生者同士でまた何か感じるだろう」
ガチャ
「みんなくるわよ、対魔獣兵器レギオン型よ」
モルガーナ先生がそう言うと、その飛行艇からピアノ線のようなもので繋がれた人型のロボットのようなものが次々と降りてきた。
それは、相手を気絶させるように遮断シールドをまとわせた杖を持っていた。
俺たちもそれぞれの武器を構えて、迫り来るレギオン達に向かっていった。
早朝にいつも聞こえる鳥の鳴き声はかき消され、空には重高音が鳴り響いた。
ブゥゥゥゥン
ブゥゥゥゥン
ブゥゥゥゥン
ババァーン!!!
それに続き、地面が轟音とともに揺れた。
その音に驚き、慌てて音の方角である空を見ると街に四機の飛行艇が爆弾のようなものを落として街を攻撃してきた。
俺達も外に出てギルドに向かうとその入り口前には街の人たちも武装しており、町長でもあるマスターが指示をしていた。
「戦闘に関わらない者は、地下避難所に入ったな」
「マスター!!!」
自分たちに呼ばれたマスターはこちらに気づいた。
「あぁ君たちか、今帝国がこの都市を攻撃してきてこんな有様さ」
周囲を見渡すと、いくつかの家は爆弾でほとんど原型も残さずに破壊されていた。
「なんで、だって帝国は魔獣を倒すためにいるのにいるんじゃないの。
それがなんで……」
隣にいたマーニさんは声を震わせながら言ったが、マスターはそれが現実だと言うことを知らせるように無言で頭を横に振った。
「それは分からない、だが今はこの街の兵士に抵抗させ囮にして、僕たちは先にこの包囲網が完成する前に脱出して、本艦であるアマテラスを叩く」
「あの飛行艇よりも大きいものがいるんですか」
「えぇ、そうよマコト君。
あれ以上のものが恐らく近くにいるはずよ。
街の人たちを信じていきましょう」
マスターの隣からモルガーナ先生も歩いてきてそう言った。
それに続き、武装した街の人々も言った。
「そうだ、そうだ、俺たちもマコトやマーニ、アスラに頑張ってくれたんだ、次は俺たちも頑張らないといけないだろう。
なんたってマルスさんが呼んだ転生者なんだからな」
「えっ、みなさん、俺が転生者って知っているの」
おかしいな、それを知っているのは、マーニさんやアスラさんとマスター達ぐらいだけなのに。
すると、先生がトコトコと歩いてきて耳元でこっそりと話した。
「まぁ、マキュリーって言う、隠し事おじさんが君がクエストをこなしている間にこっそりと街の皆んなに君が転生者で味方だと言うことを教えていたからね」
「そうですか、そしたらありがとうって言わないと、俺もう隠し事したく無かったから」
それを聞いた先生は、ニッコリと笑った。
そうだもう自分はこの街の一員になったんだ、認められたんだ。
そしたら、前以上に全力で頑張らないと。
「マスター早くいきましょう」
「あぁ、そうだな」
✳︎✳︎✳︎
そして、俺たちはマスターを先頭に草原の中をしゃがみながら歩いていた。
「あいにく、背の高い草原地帯で良かったよ、背を低めながら歩けば、風が吹かない限り、上からは見えづらいから。
あぁ、本当は森とかのほうが早く移動できたんだけどな」
そんなマスターの小言を聞き、数十分後……
目の前には、透明であるが少し赤い光が差し込むバリアのようなものが現れた。
「皆止まってくれ、これがあの小型機が出している遮断シールドだ。
魔力も物理攻撃も全て無効化し、シールドを触れた者は、魔力を奪われて気絶してしまう代物だよ」
「どうするればいいんだろう。
穴を掘って地下から脱出することはできないの」
「マコト、これは地面を透過して動くものに反応するものだからね。
壊したり、避けるのは現状は不可能だから、ここはマコトのマギアを使ってそれぞれ一人ずつ付与させてこのシールドを突破したほうがいいだろう。
マギアは通常の魔力とは全く異なる魔力形態をしているから恐らくこのシールドを貫通できるだろう」
「詳しいんですね、アスラさん」
「いや、仲間のことぐらいは知らないといけないから」
すごいなアスラさんは何でもお見通しだね、俺が転生者だと言うことも知っていたし、魔術も上手だし、剣を使うマーニさんとはまた違う凄さがあるよ。
俺も二人に負けないぐらい頑張らないと。
「じゃあ、さっそくやってみます。」
「気をつけてマコト」
「大丈夫ですよ、マーニさん」
ビュュュン
キュポッ
少し触れていると、俺の体はそのシールドに飲み込まれたと思ったらすり抜けられた。
「何とか、すり抜けられた。
じゃあ、今からこれを無効化しますから」
俺が、両手をかざすとその障壁に人が一人入れるほどの穴が出現した。
その空間に強者のマギアを付与すれば、応用すればこんなものに使えるなんて中々便利なんだね。
マルスさんにますます感謝しないと。
そして、俺を含めた五人がその穴から外に出ることができた。
「皆、準備しろ。
さすがはラウ、もうお待ちかねのようだ」
その姿を見たときは感想としては、圧巻だった。
巨大な飛行艇が飛んでいるから、聞いたイメージ通りのものなのだが、普通の巨大な飛行艇とは何か異質に感じられる。
まるで、一つの巨大な生物が空に飛んでいる、そんなような感覚だ。
「マコト、君が見てきた何かと違うような感じがするか」
「えぇマスター、確かに感じたことのない気配ですね。
なんかあの飛行艇、生き物のような感じもするんですよね」
「そうか王兵英雄こと、帝国元帥ラウ。
その性質は創造。
自身の思い描く機械なら、物質さえあれば手に触れ続けることでそれを本物と差異がないほど再現できる性質を持っている。
恐らく君が見ているのは、彼の一部でもある飛行艇だ、だから転生者同士でまた何か感じるだろう」
ガチャ
「みんなくるわよ、対魔獣兵器レギオン型よ」
モルガーナ先生がそう言うと、その飛行艇からピアノ線のようなもので繋がれた人型のロボットのようなものが次々と降りてきた。
それは、相手を気絶させるように遮断シールドをまとわせた杖を持っていた。
俺たちもそれぞれの武器を構えて、迫り来るレギオン達に向かっていった。