端書
文字数 282文字
命を持つことばがある。
力を持つことばがある。
――咎言。
神話のうちに忘れ去られた数多くのことばがある。
ひとたびそれが発せられれば、摂理はねじ曲がり、擾乱によって六骸は裂かれ、六極は動乱のさなかに震えるだろう。
何人もそのことばを口にすることはできない。
何人もそのことばを耳にすることはできない。
――咎言を魂に宿す者を除いて。
そのことばを与えられるに足る罪を犯した者を除いて。
大罪の証たることばがある。
命を持つことばがある。
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