端書

文字数 282文字





 命を持つことばがある。
 力を持つことばがある。

 ――咎言(とがごと)
 神話のうちに忘れ去られた数多くのことばがある。

 ひとたびそれが発せられれば、摂理はねじ曲がり、擾乱(じょうらん)によって六骸(ろくがい)は裂かれ、六極(りっきょく)は動乱のさなかに震えるだろう。
 何人(なんぴと)もそのことばを口にすることはできない。
 何人もそのことばを耳にすることはできない。

 ――咎言(とがごと)を魂に宿す者を除いて。
 そのことばを与えられるに足る罪を犯した者を除いて。

 大罪の証たることばがある。
 命を持つことばがある。





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登場人物紹介

哭日女囁 なきひるめ・ささや 16歳、女。

四人組の傭兵、〈戦勝請負〉の一員である。

通称、焉の囁。

天栲湍改 あめのたくたぎ・あらた 16歳、女。

〈戦勝請負〉の一員である。

通称、矛の改。

双思沈 ならびおもい・しず 14歳、女。

貴人の出身。〈戦勝請負〉の一員。

通称、知の沈。

別千千行 ことちぢ・ゆく 13歳、女。

〈戦勝請負〉の一員にして中心人物。

稀代の戦術家。

乙気吹睦 おといぶき・むつ 26歳、女。

列椿国軍所属・従七位。

行付きの任を命じられる。

神幡姫潤 かむはたひめ・うる 17歳、女。

兵(つわもの)の頂点として知られる。

通称・魅の潤。

戯(おど)と名付けた大蛇をいつも連れている。

禍祓早 まがばらえ・はや 12歳、女。

“死処の姫”の異名を持つ。

通称・夜の早。

秋大忌隠 あきおおいみ・かく 21歳、男。

隣国・羽撃ちの国に雇われた軍師。

行の一番弟子。

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