闇を照らす光
文字数 3,907文字
俺達は増援に来たパーティを何とか撃破することに成功した。
「オズワルト、顔色が悪いが大丈夫か?」・・・アレス
「毒矢(壱)を受けてしまった」・・・オズワルト
オズワルトはプイプイ草(*味方単体の状態異常を一つ回復)を1つ自身に使用する。
オズワルトの毒状態(壱)が回復する。
「気分がマシになった」・・・オズワルト
「しかし、相手から物を強奪しようとする敵は思った以上に多いな」・・・オズワルト
「世知辛い世の中だ」・・・オズワルト
「それはどうだろうか?皆が一生懸命生きているからだろう。犯罪は許せないが、事象 は当然のことだと思う」・・・アレス
「アレスさんは私達にはない考えを持っていますね」・・・レオノーレ
「そうだろうか」・・・アレス
「何て言いますか。生命力があるというか」・・・レオノーレ
「生きていく内に考え方が変わったんだ」・・・アレス
「そうなんですか?どういった心境から考えが変わったのか気になります」・・・レオノーレ
(俺の考えは具体的には俺にしか 分からない。言葉や文字にしても、相手は自分に置き換えて考えたり、自分の体験や経験を通じてしか 分からない。この世で俺の考えが正確 に伝わる者は存在しない 。一生の内にこの事実 に気がつく人もいれば、気がつかない人もいる。知らない方がいいこともある。当然、反対に俺自身もこの事実 から他の人の考えを正確に分かることは不可能である。そういう意味では人生に解は存在しない。存在するのは自身の考えのみ 。全て の人間はその宿命 を背負っている。自分以外に正確に分かって貰おうとするのは残念ながら不可能だ)・・・アレス
「大したものではないよ。気が向いたら話すよ」・・・アレス
「約束ですよ」・・・レオノーレ
「ああ」・・・アレス
俺達は陽が沈んで真っ暗な森の中を手探り状態で進んでいく。時間にしては短いかもしれないが俺達にとっては真っ暗な状態が永遠に続くものかと思われた。視えない路の中で月の光だけが俺達の頼りだった。
「前方に明かりが少し視えます」・・・レオノーレ
「きっと森の真ん中のゴール地点の野営地の明かりだろう」・・・アレス
「ようやくこの状態を抜けられそうだ」・・・オズワルト
俺達は暗い路の中でようやく光明を見出した。明かりの灯 す方向に向かって手元に手繰 り寄せるようにして進んだ。ようやく森の真ん中のゴールが視える。
「あっ。アレス達が帰って来た」・・・ニコル
「アレス、待ちくたびれたぞ」・・・ケヴィン
ニコルとケヴィンは俺達の帰りを信じて待ってくれていたのか、手を振って俺達の帰りを迎えてくれた。俺も嬉しくなり手を振って返す。
俺達は無事にゴールし、この永かった課外授業を終えることができた。
「アレス、オズワルト、レオノーレ。お帰り。ご苦労だった。」・・・ミランダ先生
「ただいま帰りました」・・・レオノーレ
「無事に戻りました」・・・オズワルト
「戻りました」・・・アレス
「課外授業の目標の『アカシアハーブ』は採ってきたか?」・・・ミランダ先生
「ここにあります。」・・・アレス
俺は3人分の『アカシアハーブ』をミランダ先生に渡す。ミランダ先生はそれをじっくり確かめて、
「うん、間違いない。3人とも合格だ。よくやった。」・・・ミランダ先生
「苦労した甲斐がありました」・・・レオノーレ
「ようやく終えられる」・・・オズワルト
「やっとか」・・・アレス
俺達はようやく課外授業から解放された。俺達の元にケヴィンとニコルの2人が集まってくる。
「アレス達に負けまいと頑張っていたらアレス達よりずいぶん早くに着いてしまった。」・・・ケヴィン
「いったいどうしたんだ?張り合いがなくて寂しいぞ」・・・ケヴィン
「俺達は思わぬ遠回りをしていた。張り合いがなくて済まない」・・・アレス
「そんなことはどうでもいいんだ。帰りが遅いから純粋に心配したぞ。道中で何かあったのかと。」・・・ケヴィン
「いろいろあったが、無事に解決して今しがた戻った。心配してくれてありがとう」・・・アレス
「よせよ。照れるじゃないか」・・・ケヴィン
「レオノーレさんも無事に帰ってきたのですね。お疲れ様でした」・・・ニコル
「ただいま、ニコルさん。お気持ち感謝です」・・・レオノーレ
「私も、ケヴィンと同じでレオノーレさんを心配したよ」・・・ニコル
「ありがとうございます。大変でしたが何とか乗り越えることができました」・・・レオノーレ
「もし、良ければ後に話を聞かせて貰ってもいいですか?」・・・ニコル
「はい。もちろんです」・・・レオノーレ
一方オズワルトはというと、俺達とは離れて普段仲のいい多くの友人達と談笑をしていた。
(一段落 だな)・・・アレス
◇
◇
俺達は課外授業の終了時間まで待機を命じられて森の真ん中で一泊した。そして次の日の朝6時とともに課外授業は終了を告げ、俺達は帰り支度に着く。教師たちは残って引き続き課外授業の雑務に当たる。疲れを癒す目的もあり生徒全員が2日間の休暇を与えられる。
そして2日間が過ぎ、いつも通りの日々に戻る。朝、俺は寮を出て学校へ登校し、自分の教室に入る。
(人がいつもより少ない)・・・アレス
俺は自分の教室に入るといつもの3分の2くらいのクラスメイトしかいなかった。
(あれだけ過酷な課外授業だったんだ。怪我人が続出しているのだろう。死者もいるかもしれない。無理もない)・・・アレス
「おはようございます」・・・レオノーレ
「おはよう」・・・アレス
「人が少ないですね」・・・レオノーレ
「そうだな。思った以上に少ない」・・・アレス
「先生の事前の説明と違い、非常に厳しい課外授業でした。私は学校に不満があります」・・・レオノーレ
「授業が始まってから、何かしら教師から説明があるだろう」・・・アレス
予鈴が鳴り、授業が始まる。
「諸君、課外授業ご苦労だった。この課外授業はこれから君達がつく任務の難易度の高さもありテスト兼 ふるい落としを兼 ねていた。事前に説明ができなかったことは謝りたい。」・・・ミランダ先生
「まずこの課外授業の合格率を発表する。達成率は40%だった。」・・・ミランダ先生
ザワザワッ
(嘘の発表で、あらかじめ事前に決められているものを言っているだけだ。実際の達成率はもっと低いだろう。)・・・アレス
「合格者は後に個室でひとりずつ教師との面談がある。授業が終わっても待機しているように」・・・ミランダ先生
「そして、皆も分かっていると思うがクラスの生徒数が少ない。これはこの課外授業で怪我をした者たちである。幸いなことに当校は医療施設が最先端で充実している。近日中にはそれらの学生も復学できるだろう。そして皆も気になる死亡者はなしとだけ報告しておく。」・・・ミランダ先生
(あの獰猛 な肉食動物が蔓延 る草原で死亡者がいない訳がない。きっと死亡者を伏せているだけだ)・・・アレス
◇
そして授業が通常通りに行われ終了し、合格者の個別の面談に移る。時間が過ぎ、俺が呼ばれた。
「次、アレス」・・・ミランダ先生
「はい」・・・アレス
「まずは合格おめでとう」・・・ミランダ先生
「ありがとうございます」・・・アレス
「型どおりの儀礼はこれくらいでいいだろう。何か聞きたいことはあるか?」・・・ミランダ先生
「たくさんあります。まず死亡者がなしは本当でしょうか?」・・・アレス
「特別任務で深く関わっていた私とお前の仲だ。教えておこう。他の学生の手前、そう言ったがあれは学校が用意した回答だ。死亡者は確実にいるとだけ」・・・ミランダ先生
「やはりそうでしたか」・・・アレス
「『アカシアハーブ』を採取してウォルテア大森林に戻ってきた時に、他の同学年の学生に強奪されそうになりました。そしてそういった行為が横行していることは、教師はご存じですか?」・・・アレス
「勿論だ。課外授業でのルール上は問題ないから公では静観して黙認している。だけどそういう行為をする学生は今後裏で動向を逐一監視されるとだけ伝えておこう」・・・ミランダ先生
「少し安心しました。ですが、なぜ黙認されるのですか?」・・・アレス
「褒められた行為ではないとは承知しているが、実社会や高難易度の任務ではその能力が必要とされることもあるからだ」・・・ミランダ先生
「なるほど、存在意義があったから黙認されるのですね」・・・アレス
「そうだ」・・・ミランダ先生
「私もお前に質問がある。監視を担当していた他の教師からの報告では、アレス達をアルスター山で見失ったとのこと。そしてウォルテア大森林の監視を担当していた教師からは突然、アレス達が現れたとのこと。どう帰って来たんだ?」・・・ミランダ先生
「一度、校舎の外に出て貰えないでしょうか?そこで真実をお見せします。」・・・アレス
■
こうして俺は校舎の外に出てミランダ先生にアルスター山で何が起こったのかを説明することになった。
■■
【持ち物リスト】
アレス・・・薬草(HPを50回復する)を1つ、まんまるドロップ(HP100回復)を2つ、風の太鼓(神獣フラミーを呼び出せる)を1つ、プイプイ草(*味方単体の状態異常を一つ回復)を2つ、HP+20%の宝玉が1つ余分にあります。
オズワルト・・・薬草(HPを50回復する)を1つ、まんまるドロップ(HP100回復)を2つ、プイプイ草(*味方単体の状態異常を一つ回復)を1つ
レオノーレ・・・まほうのせいすい(MPを30回復する)を1つ。薬草(HPを50回復する)を2つ、まんまるドロップ(HP100回復)を1つ、夢見草(昼と夜を入れ替える)を2つ、プイプイ草(*味方単体の状態異常を一つ回復)を2つ
「オズワルト、顔色が悪いが大丈夫か?」・・・アレス
「毒矢(壱)を受けてしまった」・・・オズワルト
オズワルトはプイプイ草(*味方単体の状態異常を一つ回復)を1つ自身に使用する。
オズワルトの毒状態(壱)が回復する。
「気分がマシになった」・・・オズワルト
「しかし、相手から物を強奪しようとする敵は思った以上に多いな」・・・オズワルト
「世知辛い世の中だ」・・・オズワルト
「それはどうだろうか?皆が一生懸命生きているからだろう。犯罪は許せないが、
「アレスさんは私達にはない考えを持っていますね」・・・レオノーレ
「そうだろうか」・・・アレス
「何て言いますか。生命力があるというか」・・・レオノーレ
「生きていく内に考え方が変わったんだ」・・・アレス
「そうなんですか?どういった心境から考えが変わったのか気になります」・・・レオノーレ
(俺の考えは具体的には俺に
「大したものではないよ。気が向いたら話すよ」・・・アレス
「約束ですよ」・・・レオノーレ
「ああ」・・・アレス
俺達は陽が沈んで真っ暗な森の中を手探り状態で進んでいく。時間にしては短いかもしれないが俺達にとっては真っ暗な状態が永遠に続くものかと思われた。視えない路の中で月の光だけが俺達の頼りだった。
「前方に明かりが少し視えます」・・・レオノーレ
「きっと森の真ん中のゴール地点の野営地の明かりだろう」・・・アレス
「ようやくこの状態を抜けられそうだ」・・・オズワルト
俺達は暗い路の中でようやく光明を見出した。明かりの
「あっ。アレス達が帰って来た」・・・ニコル
「アレス、待ちくたびれたぞ」・・・ケヴィン
ニコルとケヴィンは俺達の帰りを信じて待ってくれていたのか、手を振って俺達の帰りを迎えてくれた。俺も嬉しくなり手を振って返す。
俺達は無事にゴールし、この永かった課外授業を終えることができた。
「アレス、オズワルト、レオノーレ。お帰り。ご苦労だった。」・・・ミランダ先生
「ただいま帰りました」・・・レオノーレ
「無事に戻りました」・・・オズワルト
「戻りました」・・・アレス
「課外授業の目標の『アカシアハーブ』は採ってきたか?」・・・ミランダ先生
「ここにあります。」・・・アレス
俺は3人分の『アカシアハーブ』をミランダ先生に渡す。ミランダ先生はそれをじっくり確かめて、
「うん、間違いない。3人とも合格だ。よくやった。」・・・ミランダ先生
「苦労した甲斐がありました」・・・レオノーレ
「ようやく終えられる」・・・オズワルト
「やっとか」・・・アレス
俺達はようやく課外授業から解放された。俺達の元にケヴィンとニコルの2人が集まってくる。
「アレス達に負けまいと頑張っていたらアレス達よりずいぶん早くに着いてしまった。」・・・ケヴィン
「いったいどうしたんだ?張り合いがなくて寂しいぞ」・・・ケヴィン
「俺達は思わぬ遠回りをしていた。張り合いがなくて済まない」・・・アレス
「そんなことはどうでもいいんだ。帰りが遅いから純粋に心配したぞ。道中で何かあったのかと。」・・・ケヴィン
「いろいろあったが、無事に解決して今しがた戻った。心配してくれてありがとう」・・・アレス
「よせよ。照れるじゃないか」・・・ケヴィン
「レオノーレさんも無事に帰ってきたのですね。お疲れ様でした」・・・ニコル
「ただいま、ニコルさん。お気持ち感謝です」・・・レオノーレ
「私も、ケヴィンと同じでレオノーレさんを心配したよ」・・・ニコル
「ありがとうございます。大変でしたが何とか乗り越えることができました」・・・レオノーレ
「もし、良ければ後に話を聞かせて貰ってもいいですか?」・・・ニコル
「はい。もちろんです」・・・レオノーレ
一方オズワルトはというと、俺達とは離れて普段仲のいい多くの友人達と談笑をしていた。
(
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◇
俺達は課外授業の終了時間まで待機を命じられて森の真ん中で一泊した。そして次の日の朝6時とともに課外授業は終了を告げ、俺達は帰り支度に着く。教師たちは残って引き続き課外授業の雑務に当たる。疲れを癒す目的もあり生徒全員が2日間の休暇を与えられる。
そして2日間が過ぎ、いつも通りの日々に戻る。朝、俺は寮を出て学校へ登校し、自分の教室に入る。
(人がいつもより少ない)・・・アレス
俺は自分の教室に入るといつもの3分の2くらいのクラスメイトしかいなかった。
(あれだけ過酷な課外授業だったんだ。怪我人が続出しているのだろう。死者もいるかもしれない。無理もない)・・・アレス
「おはようございます」・・・レオノーレ
「おはよう」・・・アレス
「人が少ないですね」・・・レオノーレ
「そうだな。思った以上に少ない」・・・アレス
「先生の事前の説明と違い、非常に厳しい課外授業でした。私は学校に不満があります」・・・レオノーレ
「授業が始まってから、何かしら教師から説明があるだろう」・・・アレス
予鈴が鳴り、授業が始まる。
「諸君、課外授業ご苦労だった。この課外授業はこれから君達がつく任務の難易度の高さもありテスト
「まずこの課外授業の合格率を発表する。達成率は40%だった。」・・・ミランダ先生
ザワザワッ
(嘘の発表で、あらかじめ事前に決められているものを言っているだけだ。実際の達成率はもっと低いだろう。)・・・アレス
「合格者は後に個室でひとりずつ教師との面談がある。授業が終わっても待機しているように」・・・ミランダ先生
「そして、皆も分かっていると思うがクラスの生徒数が少ない。これはこの課外授業で怪我をした者たちである。幸いなことに当校は医療施設が最先端で充実している。近日中にはそれらの学生も復学できるだろう。そして皆も気になる死亡者はなしとだけ報告しておく。」・・・ミランダ先生
(あの
◇
そして授業が通常通りに行われ終了し、合格者の個別の面談に移る。時間が過ぎ、俺が呼ばれた。
「次、アレス」・・・ミランダ先生
「はい」・・・アレス
「まずは合格おめでとう」・・・ミランダ先生
「ありがとうございます」・・・アレス
「型どおりの儀礼はこれくらいでいいだろう。何か聞きたいことはあるか?」・・・ミランダ先生
「たくさんあります。まず死亡者がなしは本当でしょうか?」・・・アレス
「特別任務で深く関わっていた私とお前の仲だ。教えておこう。他の学生の手前、そう言ったがあれは学校が用意した回答だ。死亡者は確実にいるとだけ」・・・ミランダ先生
「やはりそうでしたか」・・・アレス
「『アカシアハーブ』を採取してウォルテア大森林に戻ってきた時に、他の同学年の学生に強奪されそうになりました。そしてそういった行為が横行していることは、教師はご存じですか?」・・・アレス
「勿論だ。課外授業でのルール上は問題ないから公では静観して黙認している。だけどそういう行為をする学生は今後裏で動向を逐一監視されるとだけ伝えておこう」・・・ミランダ先生
「少し安心しました。ですが、なぜ黙認されるのですか?」・・・アレス
「褒められた行為ではないとは承知しているが、実社会や高難易度の任務ではその能力が必要とされることもあるからだ」・・・ミランダ先生
「なるほど、存在意義があったから黙認されるのですね」・・・アレス
「そうだ」・・・ミランダ先生
「私もお前に質問がある。監視を担当していた他の教師からの報告では、アレス達をアルスター山で見失ったとのこと。そしてウォルテア大森林の監視を担当していた教師からは突然、アレス達が現れたとのこと。どう帰って来たんだ?」・・・ミランダ先生
「一度、校舎の外に出て貰えないでしょうか?そこで真実をお見せします。」・・・アレス
■
こうして俺は校舎の外に出てミランダ先生にアルスター山で何が起こったのかを説明することになった。
■■
【持ち物リスト】
アレス・・・薬草(HPを50回復する)を1つ、まんまるドロップ(HP100回復)を2つ、風の太鼓(神獣フラミーを呼び出せる)を1つ、プイプイ草(*味方単体の状態異常を一つ回復)を2つ、HP+20%の宝玉が1つ余分にあります。
オズワルト・・・薬草(HPを50回復する)を1つ、まんまるドロップ(HP100回復)を2つ、プイプイ草(*味方単体の状態異常を一つ回復)を1つ
レオノーレ・・・まほうのせいすい(MPを30回復する)を1つ。薬草(HPを50回復する)を2つ、まんまるドロップ(HP100回復)を1つ、夢見草(昼と夜を入れ替える)を2つ、プイプイ草(*味方単体の状態異常を一つ回復)を2つ