第24話 エンジェルフード   ~天使の日の出来事01~

文字数 1,039文字

「天使の日」をご存じだろうか。
毎年10月2日はカトリックでは「守護天使の日」とされている。
日頃、お世話になっている天使たちに感謝の気持ちを伝える日。
それが「天使の日」である。

私は、なぜかこの「天使の日」に不思議な面白い体験をする。
どういうわけか「天使の日」に必ず「天使にちなんだ偶然の一致」が起こるのである。

――しかも、毎年!

あの年の「天使の日」も、じつに不思議だった……

その日、私は「今日は天使の日だな」と思いつつ、いつものカフェで執筆をしていた。

ところが、その日に限って、なんだか無性に「シフォンケーキ」なるものが食べたくなってきた。
不思議である。

――なぜだろう……

特別ケーキが好きというわけでもない。
特別甘い物が好きというわけでもない。

「シュークリーム」は、わりと好きだが、「シフォンケーキ」には馴染みがない。

ところが、どういうわけか、その日は……

――シフォンケーキが食べたい

という心の感覚が湧き上がってくる。
まったくもって不思議である。

この心の感覚に素直に従ってみた。

「まぁ、食べてみるか」

自分でも、珍しいな、と思いつつ、軽い気持ちでシフォンケーキを注文して食べてみた。

わりと美味しかった。

カフェでの執筆を終え、帰宅後、ふと思った。
それにしても不思議である……

どうして、急に「シフォンケーキ」が食べたくなったのだろうか?

「天使の日」に限って「シフォンケーキ」を食べたくなるとは、そこには必ず何らかの理由があるはずである。

そこで、シフォンケーキをネットで調べてみた。

「なになに、シフォンケーキの由来は……」

――えええっ!マジか!

驚愕である!
そこには……なんと!

――『エンジェル』フードケーキ

と書かれていた!

「エンジェル」すなわち「天使」である!
「シフォンケーキ」の由来は「天使」のケーキだったのである!

これには本当に驚かされた。

ちなみに「シフォンケーキ」はロサンゼルスで生まれた。
この「ロサンゼルス」も『天使の街』という意味である。

なるほど、それで天使の日にシフォンケーキを食べたのか……

驚愕である。

心の感覚に従って愛や調和のもとに行動すると、偶然の一致が起こる傾向にあるという。

シフォンケーキも心の感覚に従って食べた。
それが原因で偶然の一致が起きたのだろう。

――いや、待てよ……

それともこれは天使の仕業だろうか。
ふとそんな考えが心に想い浮かんだ。
それにしても……

「天使の日」に知らずして……

――「天使」由来のケーキを食べたとは……

まさに「事実は小説よりも奇なり」である。


ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み