そして、花は摘まれた

文字数 138文字

 受付に花が咲いた。

 彼女の小さな口からこぼれる白い歯は、まるでカスミソウだ。

 彼女に逢うため、俺は歯を磨くことをやめた。

 一年が過ぎ、俺は彼女に診察券が無くとも覚えられた。

 二年経ち、彼女は別の患者に摘まれていってしまった。

 ほどなく、俺の花はすべて医師に摘まれてしまった。

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