姫様のこと

文字数 1,306文字

姫様の部屋の前
タッキ様。
んん…?なんだ?
姫様のことで少々ご相談が。
ふむ。聞かせてもらおう。
本日、ご昼食、ハンバーグでございましたよね?
ああ。誠に美味であった。

シェフにそう伝えておいてくれ。

伝えておきます。

その際、野菜の盛り合わせがありましたね?

あっ。

………うむ、よくわかった。最後まで言わなくて良い。

私の方からきちんと伝えておこう。

よろしく、お願いいたします。


去っていくメイド。

はぁ、とため息をつき、ゆっくりと姫様の部屋のドアを叩くライラ。

パウリーナ・ラウラ・タッキ、只今、参りました。
あっ、ラウラ。

ちょっとまってて!今開けるからー。

開かれる扉。
えへへっ、こんにちわ、ライラ。

今日もよろしくね?さぁ、はいってはいって。

ええ、失礼致します。
そういって、扉の前から、部屋の中に入る二人。

そして。

・・・さて姫様。

本日、パウリーナは言わなければいけないことがあります。

えっ?何々?

プロポーズ?!やだー、なんの準備もできてない!

それとも何かな?!どっちが子供生むって話?!やっぱ私かなー…いやでもライラでもー…

昼食のお話です
ブロッコリーは森であって、食料ではない!!!!!
ブロッコリー、また残したのですか…。

いえ、付け合せって話を聞いた瞬間そんな気はしておりましたが…

だって、ブロッコリーだよ?ぶろ、と、こりーだよ?!

なんだよ、ブロとコリー!

後あれね。甘くにた人参。ライスが進まないよ!

人参は甘いものなのになんでわざわざ甘く煮るの?!

人参のグラッセがライスにあわない、というのは同意しますが。
そこで、ごほん、と咳払い。
兎も角。姫様は時期女王様なのです。

好き嫌いをなくせ、とはいいません。が、出されたものを残すのは非常にマナーが悪いです。

ですから、今後は、出されたものは残さずいただいていただきたい。


むぅー…。

………まあ、分かるんだけれどさ。でもなー…

まあ、アレルギーなどがあれば断りをいれ、残しても仕方がありませんが。

そうでないのなら、残さないのがレディかと。

それに、国王様も女王様もお残しはしないでしょう?

ママはしないけれど、パパは良くしてるよ?

トマトとかパプリカとかしめじとか。

えっ?
パパ、食感がそんなによろしくないの駄目らしくてね。

グニグニしてる、って言って食べないの。それでよくママに叱られてる。

「貴方は国王なのだから文句を言わずに食べなさい。下のものにしめしがつかないじゃないの」って

国王様…
その度にパパは「いや、ワシだって人間だし好き嫌いするさ」って言ってるけれど。

そのことで更にママに怒られるよね。

「貴方は人間であると同時にトウコネン国王なのです!つべこべ言わず食べなさい!」

って。

で、最終的に口に突っ込まれる。

国王様と女王様ェ…
まあ、パパも口に突っ込まれるのを強く拒否しないし、それはそれで愛情表現なんだろうけれどねー。

やっぱ凄いよね、大恋愛の末に結ばれた夫婦の絆って。

そうですね。
だから、私とライラもパパとママみたいになれるよ。

早くなろ?

………すみません、少々執務室に忘れ物をしたようです。

取って参ります。

そう言って、部屋を出て行くライラ。

残されたサラは。

むぅー…まだ、だめかあ。

でも、諦めないんだから!

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登場人物紹介

姫様。

本名 フローラ・サラ・ハーパライネン

18歳、女性。


トウコネン国ハーパライネン朝時期女王。

ライラのことが好き。隠さない

ライラ

本名 パウリーナ・ライラ・タッキ

20歳 女性


トウコネン国初の女性で騎士団団長兼姫様おつきの騎士。

姫様のことが好き。だが隠す

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