第2話
文字数 1,175文字
「僕には好きな女の子がいるんだけど、この手紙が僕の家に届いたのを最後に連絡が取れなくなってしまったんだ・・・」
シュローセンはそう言って手紙をクリスティーンに渡した。
その手紙はメルヘンな可愛い模様が施されており、非常に愛らしいものだった。
しかし、そこに書かれている文字は力強く、どこかもの寂しさを感じる。
手紙にはこう書かれている。
シュローセン、さようなら。
今までありがとう。
あなたがいてくれて楽しかったわ。
理由も言わずにいきなり去るのも気が引けるけど、それでも私はこうしなきゃダメだと思うの。
あなたを悲しませるようなことをしてしまうならごめんなさい。
でも理由は聞かないで。
あなたはみんなが期待する作曲家なんだから。
これからも頑張ってね。
応援しているから。
クリスティーンは手紙を読み終わると小刻みに数回うなづいた。
「この彼女を探したいっていうご要望で良いかしら」
シュローセンは力強くうなづいた。
「はい!」
アンナはシュローセンに彼女がいると聞いてあからさまにがっかりした顔になった。
「あ、じゃあ、私、次の教室に行くから・・・」
クリスティーンはアンナを励さなければならないのかというお節介心が芽生えた。
一方で、そんな自分に嫌気がさしたのか、大きくため息をついた。
「わたしもすぐ行くから、待って」
とクリスティーンは声をかけて、アンナを待たせた。
そしてシュローセンとワッツアップのアカウントをすぐに交換して、アンナと共にその場を去った。
クリスティーンは学校の時間を終えると、いつものように車で迎えがきて、いつものように帰宅した。
いつも通りに日常を過ごしたが、一点だけ違っていた。
その日、クリスティーンは久しぶりに夜遅くまで携帯電話を見つめていた。
シュローセンからやたらしつこく連絡が届いたのである。
少しイライラしながらもクリスティーンはシュローセンの話にしっかり向き合った。
わかったことといえば、シュローセンはドイツのザクセンの出身であること。
年齢は24歳。
10代で既に天才と言われていて、ドイツのクラシック雑誌に掲載されたことがあること。
シュローセンの探している恋人は音大時代にフランスで出会ったパリ出身のピアノ奏者で同い年ということ。
彼女も才能があるピアニストであったが、なぜか大学3年の時にピアノが弾けなくなって音大を中退し、普通の大学に編入したということ。
シュローセンと彼女との間は良好で、何が原因で去ったのかわからないということ。
強いて言うならシュローセンが最近スランプ気味で浮かない顔をよく彼女に見せていたという。
それだけだった。
全然手がかりが掴めず、クリスティーンは深夜0時を廻った時、ワッツアップを静かに閉じ、それ以後のシュローセンの連絡を翌日まで無視することにした。
正直、クリスティーンはこの時のやりとりは時間の無駄だったと思い、眠りについた。
シュローセンはそう言って手紙をクリスティーンに渡した。
その手紙はメルヘンな可愛い模様が施されており、非常に愛らしいものだった。
しかし、そこに書かれている文字は力強く、どこかもの寂しさを感じる。
手紙にはこう書かれている。
シュローセン、さようなら。
今までありがとう。
あなたがいてくれて楽しかったわ。
理由も言わずにいきなり去るのも気が引けるけど、それでも私はこうしなきゃダメだと思うの。
あなたを悲しませるようなことをしてしまうならごめんなさい。
でも理由は聞かないで。
あなたはみんなが期待する作曲家なんだから。
これからも頑張ってね。
応援しているから。
クリスティーンは手紙を読み終わると小刻みに数回うなづいた。
「この彼女を探したいっていうご要望で良いかしら」
シュローセンは力強くうなづいた。
「はい!」
アンナはシュローセンに彼女がいると聞いてあからさまにがっかりした顔になった。
「あ、じゃあ、私、次の教室に行くから・・・」
クリスティーンはアンナを励さなければならないのかというお節介心が芽生えた。
一方で、そんな自分に嫌気がさしたのか、大きくため息をついた。
「わたしもすぐ行くから、待って」
とクリスティーンは声をかけて、アンナを待たせた。
そしてシュローセンとワッツアップのアカウントをすぐに交換して、アンナと共にその場を去った。
クリスティーンは学校の時間を終えると、いつものように車で迎えがきて、いつものように帰宅した。
いつも通りに日常を過ごしたが、一点だけ違っていた。
その日、クリスティーンは久しぶりに夜遅くまで携帯電話を見つめていた。
シュローセンからやたらしつこく連絡が届いたのである。
少しイライラしながらもクリスティーンはシュローセンの話にしっかり向き合った。
わかったことといえば、シュローセンはドイツのザクセンの出身であること。
年齢は24歳。
10代で既に天才と言われていて、ドイツのクラシック雑誌に掲載されたことがあること。
シュローセンの探している恋人は音大時代にフランスで出会ったパリ出身のピアノ奏者で同い年ということ。
彼女も才能があるピアニストであったが、なぜか大学3年の時にピアノが弾けなくなって音大を中退し、普通の大学に編入したということ。
シュローセンと彼女との間は良好で、何が原因で去ったのかわからないということ。
強いて言うならシュローセンが最近スランプ気味で浮かない顔をよく彼女に見せていたという。
それだけだった。
全然手がかりが掴めず、クリスティーンは深夜0時を廻った時、ワッツアップを静かに閉じ、それ以後のシュローセンの連絡を翌日まで無視することにした。
正直、クリスティーンはこの時のやりとりは時間の無駄だったと思い、眠りについた。