【プロローグ 裕一郎の場合】

文字数 489文字

今年の京都の梅雨入りは例年よりも2週間も早く、昨日、梅雨入り宣言が出た。
僕はベットに入ったものの、窓ガラスを打つ雨の音が激しく、なかなか眠りにつく事が出来ない。枕元に置いたスマホに手を伸ばし、横になったまま画面に見入る。明かりを消した部屋の壁には青白い光が反射している。
「なんだこれ!」
ネットのフリマで奇妙な出品を見つけた。『なんでも夢を叶えてくれるチケット』
どう考えてみても怪しい・・。しかし興味が沸く。少し進んでみると、
「(注)お金以外の夢ならなんでもOK。チケットを購入後そこに書いてある住所のSHOPへ持参すると、『夢を叶える道具』に交換してもらえる」
という事だそうだ。値段は¥1000円
「安い」
これはヤバイ話しだろー。多分、詐欺商法か宗教かもしれない。
しかし、その先が気になってしょうがない。
「よし、試しに買ってみるか!」
とは言うものの、試しのきく事かどうかはわからないが、¥1000で遊べるなら安いもんだ。
「思い切って買おう」
思い切るのはお金ではない。この話に首を突込む覚悟の方だ。
こうして、僕、裕一郎の夢探しの挑戦が始まる事になる。

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