第12話
文字数 1,105文字
「BWWWWW-!」
TUの断末魔だけが聞こえる。
「シャー」
「ここか!」
今度は、目の前を横薙ぎにした。
「UWWWWW----!!」
「ハハッ! これで二体片付けたぞ。余裕だな!」
だが、急に猫が鳴かなくなった……。
おひるねこはブルブルと震えている。
リーエは焦った。
「どうした? おひるねこ!」
「……」
リーエは悟った。
所詮は猫。おひるねこがTUに恐怖していることに……。
圧倒的な数に怯えたのか?
それとも、大型のTUでもいるのだろうか?
リーエは考えたが、一つ思い付いた方法があった。
「すまない! おひるねこ! 少し無茶を押し通していく! だから、最初に謝っておこう!」
「ニャ?」
リーエはおひるねこを片手で持ち、前に突き出しながら司令部の端から端へと、フラングレー司令官と女性士官がいる中央を除いて駆け出した。
「ニャ――――!!」
「そうだ! お前の鳴き声ではなく。今度はお前の顔の向きで判断させてもらうぞ!」
右へ左へと猛スピードで走り回るリーエの腕の中で、おひるねこの首が四方を巡っていた。
「はんっ! すでに囲まれていたってわけか!!」
リーエはソードエネルギーで、片っ端からおひるねこの首が少しでも向くと、その方向へと、激しい斬撃を加えていく。
「DUUUUUUU」
「BVVVVVV」
「WVVVV」
不気味な断末魔が周囲から聞こえる……。
次第にリーエとおひるねこの活躍によって、断末魔がしなくなってきた。
リーエは残存兵を斬り捨てるべく。
司令部内をおひるねこ片手に今度はゆっくりと歩き回った。
「リーエ! 後ろ! 危ない!!」
リーエがクリスの声でハッとして後ろを向いた。
だが、すぐに44口径の巨大な弾丸がどこからか放たれた轟音が木霊した。
「BU!」
即座に唸り声と共に、おひるねこが欠伸をした。
クリスは司令部の唯一の出入り口で大型コルトを構えていた。
「クリス。助かったぞ。ありがとう」
リーエはニッと笑った。
――――
「失礼いたします! お鍋できました!」
今日のリーエは鍋料理を珍しく畏まって食卓に置いていた。
「司令官。このお鍋とても美味しいですよね」
「ええ、美味しいですよね」
クリスとエデルも何故か緊張していた。
「美味しいであります」
ジェリーも顔が強張っている。
ここはリーエの家。
いつもの食卓には、クリスとエデルとジェリーと……そしてフラングレー司令官が座っていた。
「そんなに畏まらないでくれ……みんな……いつも通りでいいんだが……」
フラングレー司令官は微笑んでいるが。リーエの豹変ぶりにもどこか驚いているのだろう。
珍しい猪鍋が湯気の立ち。全員が畏まるリーエの家だった。
TUの断末魔だけが聞こえる。
「シャー」
「ここか!」
今度は、目の前を横薙ぎにした。
「UWWWWW----!!」
「ハハッ! これで二体片付けたぞ。余裕だな!」
だが、急に猫が鳴かなくなった……。
おひるねこはブルブルと震えている。
リーエは焦った。
「どうした? おひるねこ!」
「……」
リーエは悟った。
所詮は猫。おひるねこがTUに恐怖していることに……。
圧倒的な数に怯えたのか?
それとも、大型のTUでもいるのだろうか?
リーエは考えたが、一つ思い付いた方法があった。
「すまない! おひるねこ! 少し無茶を押し通していく! だから、最初に謝っておこう!」
「ニャ?」
リーエはおひるねこを片手で持ち、前に突き出しながら司令部の端から端へと、フラングレー司令官と女性士官がいる中央を除いて駆け出した。
「ニャ――――!!」
「そうだ! お前の鳴き声ではなく。今度はお前の顔の向きで判断させてもらうぞ!」
右へ左へと猛スピードで走り回るリーエの腕の中で、おひるねこの首が四方を巡っていた。
「はんっ! すでに囲まれていたってわけか!!」
リーエはソードエネルギーで、片っ端からおひるねこの首が少しでも向くと、その方向へと、激しい斬撃を加えていく。
「DUUUUUUU」
「BVVVVVV」
「WVVVV」
不気味な断末魔が周囲から聞こえる……。
次第にリーエとおひるねこの活躍によって、断末魔がしなくなってきた。
リーエは残存兵を斬り捨てるべく。
司令部内をおひるねこ片手に今度はゆっくりと歩き回った。
「リーエ! 後ろ! 危ない!!」
リーエがクリスの声でハッとして後ろを向いた。
だが、すぐに44口径の巨大な弾丸がどこからか放たれた轟音が木霊した。
「BU!」
即座に唸り声と共に、おひるねこが欠伸をした。
クリスは司令部の唯一の出入り口で大型コルトを構えていた。
「クリス。助かったぞ。ありがとう」
リーエはニッと笑った。
――――
「失礼いたします! お鍋できました!」
今日のリーエは鍋料理を珍しく畏まって食卓に置いていた。
「司令官。このお鍋とても美味しいですよね」
「ええ、美味しいですよね」
クリスとエデルも何故か緊張していた。
「美味しいであります」
ジェリーも顔が強張っている。
ここはリーエの家。
いつもの食卓には、クリスとエデルとジェリーと……そしてフラングレー司令官が座っていた。
「そんなに畏まらないでくれ……みんな……いつも通りでいいんだが……」
フラングレー司令官は微笑んでいるが。リーエの豹変ぶりにもどこか驚いているのだろう。
珍しい猪鍋が湯気の立ち。全員が畏まるリーエの家だった。