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文字数 275文字
ブランコが揺れる
高く高く誰よりも高く
そんな時間が
楽しすぎて
いつまでも空に
触れていたかった
誰にも邪魔されない
特別な時間は
太陽が沈む頃に
危ないからと
取り上げられて
つまらないルーティンに
戻される
あてがわれた名前
あてがわれた食事
いい子ねと言われて
はみ出せない匣
誰かが悲しい顔をするから
窮屈なその場所で
変な顔のまま歯をだして
笑顔という仮面を被る
本当なのか役に立つのか
わからないモノを
覚えるだけで喜ぶ人々
楽しいかけらがひとつもない
言われた通りを貫く事が
あの空に包まれる近道だから
今日もルーティンに身を委ねる
今日はせめて美味しいご飯がいいな
そして明日晴れるといいな