パンダさんの三分クッキング!

文字数 1,273文字

ウシさんは牧場の経営者。
たくさんのホルスタインを集め、ミルクを出荷していました。
ところが最近、ミルクがあまり売れなくなったのです。
ジュースやコーヒー、お茶なんかが好んで飲まれるようになったのが原因。
ウシさんは困ってしまいました。
ホルスタインたちは毎日ミルクを絞らないと病気になってしまいます。
そして、絞ったミルクは保存がききません。
仕方ないので、ウシさんは自分たちでミルクを飲むのですが、
あまり飲みすぎるとお腹を壊してしまうのです。
そこへひょっこりパンダさんが遊びにきました。
ウシさんの窮状に、パンダさんひと肌脱ぎます。
パンダさんのパン屋さんにやってくるお客さんが、
「朝食はパンとミルク!」などと話しているのを思い出したのです。
店に、パンと一緒にミルクも置けばきっと売れるでしょう。
ナイスなアイデア!
早速、パンダさんとウシさんのコラボが展開されました。
評判は上々!ウシ牧場はピンチを脱したのです。

パンダさん、ありがとう!
ウシさんは、パンダさんにお礼がしたい。
ウシ牧場秘伝の味をプレゼント!
ミルクの容器の底にいつもドロッとしたものが溜まっていました。
何だろう?集めると結構な量になります。
匂いかいだりツンツンしたりして、ははぁこりゃミルクのカタマリだな、と。
試しにパンに塗って食べたらこれがまたウマい!
以来、ウシ牧場ではパンにミルクのカタマリは欠かせないメニューとなったのです。
だけどウシさんはこのことをナイショにしていました。
パンにミルクのカタマリを塗って食べてる!
それはパンダさんのパンが「味気ない!」と公言するようなもの。
パンダさんが気を悪くしないよう黙っていたのです。
でも今回、パンダさんにはお世話になった。
ミルクの販路を拡大したように、
パンも新しい食べ方を提案すればもっともっと売れるでしょう。
ぜひ、コラボ第二弾に!使ってみてよ!


パンダさん、困った。
これは一体、何だろう?
おそらく有益なものなのでしょう。
何しろウシさんがワザワザ持ってきてくれたんだから。
匂いかいだりツンツンしたりして、ははぁこりゃ食べ物だな、と。
四角くって黄色っぽくてノッペラとしてる・・・
見たことも聞いたこともない。
およそ動物界では、未知なるモノへ警戒せねばなりません。
特にエサには用心に用心を重ねます。
毒でもあったら生死に関わるからです。
まさかウシさんが危険なモノをくれたりしないでしょうが、
パンダさんは野生のカンを働かせます。
ナマはアブナイ!火を通そう!
早速パンダさんは鍋に入れて煮沸しました。

すっすると・・・?????
ききききき消えたっー?!

鍋の中にはお湯しか残っていません。
確かに、確かに、ここに入れたのです!

面妖なっ!

パンダさんは大慌てで鍋の中身をドブに捨て証拠隠滅を謀った。



パンダさんの三分クッキング!
動物界はバター普及の千載一遇のチャンスを逸した!
ええっ?んじゃ、クッキーとかじゃがバタはどうやって作ってるの?
ホットケーキの上に乗ってる四角いヤツは何?
パン面ヒーローのお手伝いさんが認知される日は来るの?


・・・・・・・・・・To Be Continued
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登場人物紹介

パンダです。パン屋です。

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