詩小説『流星飛び出した街』3分の現代の闇。若者へ。

エピソード文字数 914文字

はじめまして、ひきこもりです。

ようこそなんて言わないよな、横浜。

部屋から駆け出してきたんだ、横浜。

街行く人間とは眼を合わさないようにしてる。

僕自身もそう、街行く人間だということ。
まだ気づいていない。ただ群れてはいない。

流星 流星 流星 流星
少しの時間にしか光っていられない光。

あなたたちリア充にとっては変わり映えのない、いつもの街なのかもしれない。

だけど僕にとっては眩しいくらい煌めいて見える。まるで月面につまさきかけてるみたいだ。

気づかないでと願う僕のことなんて、誰も見てもないよな、実際。

流星 流星 流星 流星
願い事なら決めている光。

行き先などないが、誰も待っていないが、走ってんだ。馬鹿だよね。

だけど、急いでいるような気がしてならないんだ。馬鹿だよね。

何かと待ち合わせしてる気がしてならないんだ。馬鹿だよね。

これを中二病と言うなら、僕は一生、中二でいいや。

長すぎる夏休みの果てに。

季節を過ぎた夏休みの果てに。

僕は走り出す。

流星 流星 流星 流星
追いつこうとしても、追いつけないな光。

海沿いのデッキ、踏みつける木の感触。
灯りを浮かべた静かな波、乾いた風。

赤いキリン、泣いているのか?
あの娘を、首長くして待ってておくれ。

夜行観覧車はそびえ立つツリー。
沈黙の花火、ゴンドラにぶら下げて想い。

誰にも言えなかった打ち明け話を自分にしようか、横浜。

流星 流星 流星 流星
手を伸ばしたとしても、届くはずない光。

好きだった。いや、今も好き。

だけど言えなかった、言えるわけなかった。

そもそも、話ができなかった。

会話を交わしたのはただ、二回半だけ。

こんなこと言ったら嫌がられるよね。
気持ち悪いよね。

君を変えれないのは知ってる、僕を変えようとしてる。

掴めないけど、関節曲げたまま、少し手を伸ばしてみようか。遠慮がちに、横浜。

届かないけど、かかと浮かべて、気づかれないくらいで背伸びしてみようか、横浜。

心の中で一回言ってみよう、横浜。

君が好き。

流星 流星 流星 流星
僕は流星、小さく、僅かな光。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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