ネタバレ? キャラやらの設定

文字数 4,350文字

【ユーグ】
本名:セーラ・ベッテンドルフ
一人称:僕
位置づけ:主人公
好きな物:食肉、姉の手料理
嫌いな物:野菜、苦い物全般

 ショックな出来事から生じた人格。言語障害があり、単語で区切りながら話す。生まれついての人格であるセーラは、「眠ったまま」。
 唯一の肉親である姉の事を慕っており「姉さんが言うなら」口癖。また、姉以外の人間には心を開かず、世話になった人物でさえ(警戒はしていないものの)どこか距離を置いている。シュバルツのことは仕事の能力は認めている為、嫌そうながらも会話はする。
 幼少期に受けた火傷跡をからかわれることが嫌で、外出時は常に黒い布で顔を覆っている。医者によれば、跡は綺麗に治せるのだが「憎しみを忘れない」為に姉に言われても治そうとはしなかった。
 黒い服は仕事の為の支給品で、拳銃や独自に開発された揮発性の睡眠薬も支給されている。また、様々なサイズの拘束具も服の中に仕込めるようになっており、消耗品は自己申告によって新たに手に入れていた。
 仕事中、精神的に強いストレスを受けて残虐な人格が出現し、その間に行ったことをまるで覚えていなかったことがある。その上、シュバルツらから与えられた仕事も相まって精神的に弱ってしまった。


【アンナ】
本名:レイラ・ベッテンドルフ
一人称:私
位置づけ:主人公の姉
好きな物:紅茶、焼き菓子
嫌いな物:味付けの強い料理

 アンナは洗礼名であり、神父など教会に関係する者からはこの名前で呼ばれている。また、教会と家の往復が殆どである為に友好関係は広くなく、本名で呼ばれることは極めて稀(シュバルツは意図的に名を呼ぶことは避け、ユーグは姉さんとしか呼ばない)
 本来、教会の敷地内で暮らしていかなければならなかったが、ユーグが成人するまでという制限付きで妹との二人暮しをしている。素材の味を生かした料理が得意で、ハーブティーは材料から自分で作る。
 基本的に穏やかな性格で体力も無く、精神的に強い訳でも無い。しかし、妹関連の事となると別で、一度火を付けたら止まらない一面も有る。
 子供の頃から父親を慕っており、一方的に出ていってしまった後も憎めないでいる。また、自分の我儘が原因で妹を傷付けたと思っており、自分を責め続けていた。この為、変わってしまった妹に違和感を抱きながらも表情には出さず、いつか元の妹に戻ると自らに言い聞かせてきた。


【シュバルツ】
本名:不明
一人称:俺
位置づけ:主人公の兄貴分
好きな物:珈琲、辛い料理
嫌いな物:甘い菓子

 幼かったユーグらを助けた張本人。その流れで仕事のやり方も教えた。名前は、自らの髪色を皮肉って名乗っているうちに定着。本名は本人すら覚えておらず、本名があるのかすら不明。
 遺伝的に不自然な髪色であった為、家族に疎ましく思われ育児放棄をされていた。この為、幼児の頃から路上でひったくりをして飢えを凌ぎながら過ごす。しかし、偶然通りかかった神父に掴まり、孤児院に行くことを勧められた。
 その後、紆余曲折を経て孤児院に入り「子供を救い出す」と言う仕事を知る。そして、生まれつきの運動能力や甘言を使って仕事をこなし、多くの子供を保護してきた。
 ユーグを助けたのも仕事の一つで「入院中の子供のくせに走りが早かった」という身体能力に目を付けていた。そして、自分へ孤児院を紹介した神父と共にユーグへ仕事の興味を持たせ、仲間に引き入れる。
 ユーグが仕事を始めてからは情報収集をメインにしているが時間のゆとりは無く、珈琲を飲んでは眠気を飛ばしている。最早カフェイン中毒なのか、飲まないと落ち着かないらしい。
 黒い服を好んで着るが自前で、話を聞き出す相手によって着替えている。また、口調や声色も相手によって変え、それによって警戒心を解いていたりもする。


【背景】
現代化によって人の繋がりが希薄になり、幼児に対する虐待が増えていた。また、子供を助けようとする者も減っており、虐待を疑っても解決しようとする者も減っていた。
 子供を保護する為の法律も制定されてはいたが、子供を取り巻く環境によっては上手く機能していなかった。そして、機能していない環境では、虐待の起きている家族自体が見放され孤立。または、孤立した状態で虐待が起き、明るみにならないことが少なくなかった。
 こうした中、親を拘束し子供を親から引き離すことによって「子供の命は助ける」という裏のビジネスが始まる。

【タスク】
 十代を中心に「虐待の被害者である子供」を救い出す仕事をする。興味を持たなければ仕事内容を説明しない上、適性が無ければ仕事は回されない。
 二十代からは、情報収集や助けた子供を車で病院に運ぶ仕事に回される。また、子供を秘密裏に(拉致に近い形で)保護したことが公にならぬよう、子供の保護先の医師や看護師にも「保護されて孤児院に来た人間」が据えられている。

 そして、彼らを纏める役として孤児院の経営者が居り、そういった仕事につくよう密かに導いている。また、孤児院の経営は表の顔で有り「子供を保護する者」や「情報を集める者」など一連の仕事に関わる者達の連絡役をこなしている。
 子供の保護と同時に虐待者を拘束するが、拘束された者達は「人目につかない施設」に運ばれる。その施設に連れてこられた者達は「罪を贖う意思があるか」を問われ、無いと判断されれば生きて施設を出ることは叶わない。

【裏社会】
 虐待加害者の殆どが反省すらしない為、いわゆる「表の世界」では禁じられた「人体実験」や「臓器売買」にその肉体を供される。
 前者は「医学の進歩」を免罪符に虐待加害者は様々な実験に供され、実験に使えない体になったら廃棄が決まる。後者は「堕ちた者の命を代償に多くの者を救う」事を名目にして「正規のルート」では移植が間にあわない者(あるいはその縁者)から「孤児院経営費」として金を受け取っている。また、余ったパーツは廃棄される。

 廃棄となった者は専用の焼却炉で灰になるまで焼かれ、それは砕かれた後に山の中に埋められる。また、それを隠す為に樹木が植えられ、これらの仕事を監視する人物も存在する。
 臓器の売買は基本的に加害者のパーツのみであるが、救出した子供が助からないと判断された場合のみ「多くの小さな命を救う」という名目で売買することも有る。こちらの収益は、どの道助からないとはいえ「子供を犠牲にした」ことには変わりないので「表の仕事である」孤児院の経営の為だけに使われる。それ以外の利益は、子供を保護する為に使用する車の維持費等や、保護後の治療費にも回される。また、子供を保護する為に必要な「情報を得る為」に掛かる費用や「保護をする者の装備一式」も捻出されている。

 こういった形で保護を行った子供を育てる孤児院は複数あり、それを統括する者達が居る。その者達は、元々「臓器売買の斡旋」をして稼いでおり、児童虐待や経営の苦しい孤児院が増えた所に目を付け段々と仕事の規模を広げていった。
 売買によって得られる利益の多くは、元斡旋者の懐に蓄えられている。しかし、その協力者の機嫌を損ねない為の投資はしており、子供の保護や虐待加害者の拘束を容易なものにする道具の開発も行われている。

 孤児院の経営者は「金の出所」に納得していない者も少なくない。しかし、その収入が無ければ子供を育てることが難しい為、妥協して協力をしている。



   孤児院
 協力↓ ↑資金援助
  臓器バイヤー

【子供の保護】
 虐待を受けている子供を救い出す仕事。虐待を受けた記憶の新しい年齢の者に与えられる。
 この仕事をする者達は、子供の「保護」だけでなく加害者の「断罪」のきっかけにもなるのだと言い含められている。また、拘束した加害者の処遇については聞かされていないことが殆どで、中には復讐心から楽しんで仕事を遂行する者も居る。
 仕事は、人目に付きくい、かつ見られたとしても容貌が見られにくい夜に行う。依頼された仕事は、先輩達等が収集した情報を元に行っている。得られる情報の内、仕事先となる家の間取りや家人の人数と活動時間は特に重要で、それが無ければ多くの危険を伴う事となる。

 仕事の為に衣服が支給されており、闇に紛れやすいように黒や藍色に染められている。また、護身用に銃や加害者を拘束する道具も支給される。
 拘束具は、子供を助け出すのに「邪魔されない為」と説明されている。だが、本来の目的は後に行われる回収を「抵抗されずに行う為」である。

 助け出す子供が泣いたり暴れたりするのを防ぐ為、独自に開発された揮発性の睡眠薬も支給されている。この睡眠薬は、病院への移動が終わった頃に目が覚めるよう出来ており、概ね体に害は無い。


【情報収集】
 子供の保護を安全かつスムーズに行う為の仕事。良く調べることにより冤罪を防ぐ事にもなる。
 保護を行う者への連絡や説明も仕事で、後輩と信頼関係を築く為に色々とやる者も居る。


【医療行為】
 保護した子供は怪我をしているか、衰弱しているか、その両方かなので治療が必要である。この為、病院に入院させ、孤児院での共同生活が送れるようになるまで治療を続ける。
 治療に掛かる費用は、裏の仕事で儲けた費用から負担されている。また、怪我が治った後も、精神的なケアを病院と孤児院が協力して行う。子供を助けに行った張本人が見舞いにきて元気づけることも有る。

【教会】
 孤児院を経営している為に、保護の仕事やら色々と噛んでいる。教会としての仕事もちゃんとこなしているが、一般の者が入れない部屋では「裏の仕事」の話もしている。
 一般の者が入れるのは礼拝堂迄で、表向きには神父やシスター以外は奥の部屋には入れないとしている。また(礼拝堂が開いている間中)見張り役として最低一人は礼拝堂に配置されており、奥の部屋に行く許可を与えている。
 教会に出入りする者の殆どは教会が管理する孤児院出身者で、同じ秘密を共有している為「裏の仕事」のことはばれにくくなっている。また、関係者が「裏切るようなそぶり」をみせた場合、秘密保持の為にその者を消し去ってしまうこともある。

【孤児院】
 教会が管理する。ユーグやアンナは共にここで育てられた。運営費用は、子供の保護時に拉致した「虐待加害者」を臓器バイヤー等に渡すことによって得た利益が多くを占めている。勿論、寄付による資金源も有るのだが、それだけでは子供の医療費や学費を賄うことは出来ない。
 食料は、孤児院から少し離れた位置に有る農園で野菜やハーブを育て、子供の食事に使っている。しかし、パンや肉、乳製品などは農園で作れない為、余った野菜やハーブを売った利益で揃えている。また、子供らが作った手芸品等も売って利益を得てもいる。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

???
内容の都合上、名無し状態。

顔に火傷の痕があり、基本的に隠している&話し方に難有りでコミュニケーション力は残念め。
姉とは共依存状態。

シスターアンナ
主人公の姉。
ある事情から左足が悪い。
料理は上手いので飢えた子供を餌付け三昧。

トマス神父
年齢不詳の銀髪神父。
何を考えているのか分からない笑みを浮かべつつ教会のあれこれや孤児院のあれこれを仕切る。
優しそうでいて怒ると怖い系の人。

シュバルツ
主人公の緩い先輩。
本名は覚えていないので実質偽名。
見た目は華奢な青年だが、喧嘩するとそれなりに強い。
哀れな子羊を演じられる高遠系青年。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み