四、相手をビビらせる

文字数 6,986文字

これは以前におれも言っていたんですが、ビジネス書などを読むに、どうもこれは鉄板のテクニックっぽいのですが……


「まず相手に与える」


というのが関係構築術としてあるようです。

しかもそれは相手からの見返りを求めるような、せせこましい「ギブ」ではなく、「テイク」をほとんど期待しないレベルでの「ギブ」が良いようです。


そう、以前に「架神恭介の実践ボードゲーム講座」でおれが恐る恐る語っていた宣伝術「他人の宣伝をする」ですね。

今日の交流会で、漫画界でコネといえばこの人……! というコネの達人のMさんに会ったんですが、


「相手が困っていることを見つけて、それを解決する」


という関係構築術を教えてもらいました。

相手が大して困っていないことを助けても、あまり感謝も信用もされないけど、ピンポイントで困っているところを見抜いて助けると、感謝も信用も得られる、とのこと。


まずどうやって困っていることを見抜けばいいのか分からんのだけど、ヒアリング(聞き取り)がベーシックな手段かもしれない。

どちらも基本は「得る」前に「与える」という話ですね。


そして、これはおれの表現なんですが、「相手をビビらせる」ことを、そういえば結構やってきていた気がしたし、ビビらされた相手とは仲が良くなった気がします。


例えば、ダンゲロス・ボードゲームでは出会ったばかりの森脇かみん先生に、「1万円で1ページの宣伝漫画を描いて~!」とお願いしたんですが、森脇先生はなぜか4コマ漫画を1ページ分とストーリー形式の漫画を1ページ、つまり、2種類の宣伝漫画を描いてくれたんですね……。


「エッ、なんでこの人、おれの発注した2倍も仕事してきたの!? 怖っ!!」


となって、それで一目置かざるを得ない感じになったわけです。

また、GOTTA2カフェで、ダンゲロス・ボードゲームのイベントを開かないかと誘われて、おれが勝手にGOTTA2カフェのキャラでカードを作って、イベント参加者への特典アイテムとして配ったところ、その次のイベントでは、店側が印刷業者を通してそのカードを量産してました。


どうも話を聞いた感じだと、おれが勝手に店のカードを作って、勝手にイベントを盛り上げようとしたことに向こうがビビったらしく、「こっちも架神先生をビビらせなければならない」という謎の強迫観念に駆られて、そのような行為に及んだらしいです。


「相手の期待以上のことをして相手をビビらせる」と、相手も対抗して「なにかしなければ!」という気持ちになるようなんですね。


ということで、常に相手をビビらせ続ける、というのがテクニックとしてあるかな、と思ってるんですが、いかがでしょうか。

>至道様

>さらにネットワーク作りに力を入れていかれるのでしょうか?

もちろんそのつもりです。

というよりも自分が人脈作りに成功していると思ったことがまったくありません、むしろこれからだと思っております(汗)。


>目指す目的

自分が台湾(中華圏)の出身で、日本の方以上にコネクションの重要度が高い環境で育ったため、人脈作りを重要視しているのだと思います。

今以上にもっと多く仕事をいただきたいので、そのために人脈作りは欠かせないと考えております。

仮に実力が拮抗している集団の中でなら人、人脈は勝敗を大きく左右する要素だと思っております。



>坂場様

>あの頃から

考えるよりも先に手を動かすのは今も昔も変わってないですね(汗)

我ながら成長してないと苦笑しきりです。



>架神様

>一際覚えやすいキャラクター

ありがたい事にツカミになるものをナチュラルで神様からいただきました(笑)。

そのツカミの先を勉強していきたいです。



>上尾様

ご無沙汰しております。

あっちこっちに出没してますので見かけたら是非絡んでくださいませ(笑)。



>「私はお役に立てます」

これまでの話だと、セールストークを磨け、といわれているような気がするのですがどうなのでしょうか。

>三木先生


> >「私はお役に立てます」

> これまでの話だと、セールストークを磨け、といわれているような気がするのですがどうなのでしょうか。


いま何となく思っているのが、「困っているのを塞ぐ」という感じなんじゃないかなー、と。

その塞ぐのが仕事に関係するかどうかはさて置いて。


巧い例が出ないんですけど、「水道管が破裂して家中水浸しで困ってます」という人に(清掃サービスの営業でなくても)「じゃー、掃除を手伝いましょうか」みたいな。


それが清掃サービスの人なら仕事になるというか。


いや、これじゃただの良い人だな、っていう気が自分でもするけど、たぶん、ただの良い人がふつうにコネにおいても最強な気がする。

>自分が台湾(中華圏)の出身で、日本の方以上にコネクションの重要度が高い環境で育ったため、人脈作りを重要視しているのだと思います。


そうでした、三木さんに対して失礼なことかもですが、あまりに日本人と変わらぬ印象で、中華圏の方だという認識がどうも持てなかったのでぼくが誤解していたかもしれません。


鄭成功の天地会、洪門や青幇などのお話も著書に書いたことがあるにもかかわらず、中華圏の方々のそうしたナチュラルなコネクションづくりを甘く見ていました。

中華圏の方々はコネづくりが日常・ビジネス活動に組み込まれているようにお見受けします。


そう考えていくと、欧米も秘密結社の文化が底流に根付いていますし、欧米の有名大学はコネ獲得のための登竜門みたいなところもあります。


その反面、日本人は日本人であることが薄く広いコネみたいな緩い歴史を長く経験してきたがために、コネづくりにはあまりにも無頓着だったかもしれません。

日本人は民族全体として緩すぎる。あまりにも、生き残りということに怠惰になりすぎています。このグローバリズムが過酷化する世界にあって、我々日本人は滅びゆく民族でしょうか。コネを安易に考えすぎている世界で最も幸せ(?)な人々が日本人なのかもしれませんね。


まぁ日本人全般がどうなろうとも、我々は一個人としてコネづくりに邁進し、もっとガツガツしないと生き残れない世界になりつつあるような気もいたします。

ちょっと上で自分の著書について触れたので、そういえば人脈についても書いたなと思い、過去作を引っ張り出して当該箇所を見てみました。ぼくの小説はいつもナチュラルに過激なので、それを差し引いてどうぞ。

これは経営者の視点からで、たしかに自分は必要な状況なら、それまで面識なかった方でも、直接ご連絡していきなり会いにいったりしてますね、普通に。


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革命部が多国籍化したあたりから、人脈はいつでも構築できるようになっていた。望んだ人脈が、コンタクトするだけで手に入った。自分が社会的に高い地位になれば、自分と同じレベルの人脈は、必要に応じてあっという間に形成される。

逆に言えば、いくら人脈があったって無意味なものだ。一介のサラリーマンが、仮に総理大臣と長年の知人だったとしても意味はない。せいぜい酒場で、「アイツは俺の友達でさ~。面倒見てやったこともあるんだよ」などと、あることないこと吹聴できるくらいだろう。

結局のところ、いくら世界のすべての人間と人脈があったとしても、自分の力量に応じたものしか活かせないということだ。人脈を広げるために、人脈を求めるのはナンセンス極まりない。人生で成功するために人脈を広げようと駆けずり回るのは、半人前の白昼夢だ。自分に実力をつけることだけが、人脈を広げるための唯一無二の方法なのである。


『羽月莉音の帝国 8巻』より抜粋

>架神様

>ただのいい人が

自分はここを「好かれる人」だと言語化しております。

決定権を持つ人間が、スキルではっきりと差別をつけられない複数の選択肢があった場合、より感情的に好ましい相手にそれを与えるはずだと信じております。

その場合の好ましいは付き合いの深さももちろんありますが、「好かれる人」「愛嬌のある人」もきっとあるのかなあ……と考えております。



>至道様

>過去作を引っ張り出して当該箇所を見てみました。

おっしゃることには全面的に同意です。自分も拮抗している実力の中でならと考えております。

まずは実力があり、複数の同等の実力者の中から人脈で選ばれるようになる……のが自分の目標なのかも知れません。

おはようございます。

架神先生、至道先生、昨日はご参加ありがとうございます。

また、昨日の参加者の方で

こちらみて下さっている方も多くて嬉しかったです。


偉そうなこと言っておいてなんですが、

私はこれからお礼メールタイムです。


ちなみに、私は参加者全員にします。


基本の内容はありつつ、

その方に合わせて全員文章は違います。


なんでそんなことするかって、

昨日の交流会の復習をして、

次につなげたいからなのですね。



交流会は私は基本お酒飲まないようにしているのですが、

それは記憶力と集中力を最大限にしておきたいからです。

私はお酒飲むと自分のことしか考えられなくなるので(笑)



それで、お礼メールを打ちながら、

昨日この人とどんな話をしたかを思い出します。



昨日メモ→お礼メールと言いましたが

お礼メールを書きながら逐一メモ、の方が効率よいかもしれません。



皆様も創作活動されてらっしゃるから覚えがあると思うのですが、

うーんうーんとうなっていてもあまり思い浮かばないように、

実際書いてみると

色々過去考えたこと思い出したりしますよね。


記憶は実際書いたほうが想起しやすいようです。


で、復習がてらメモ&メールして送ります。

それでひと段落です。


参加者が多い時はまあ、大変な作業ですが

これをやらないのであれば

会を開催してはいけないんじゃなかな、とも思います。


>「まず相手に与える」


あ、まさにこれに尽きます。

私もずっとこれを意識してきました。


ちなみに結婚をうまくいかせるコツは

「結婚とは与える場だ」という認識を持つことだそうです。


イケメンで年収1000万の男性と結婚したーい

と言っている女性は結婚しづらいですよね笑





Mさんのように(投稿お待ちしておりますよ)

「相手が困っていることを見つけて、それを解決する」

架神先生のように

「相手をビビらせる」



私もずっと何か頼まれた際は

「相手の期待の2.5倍で応える!」

を意識してました。



そうすると、架神先生のような

誠実で実力ある相手でしたら

必ず返して下さります。



返ってこなかった、こんなに頑張ったのに!

ということがある時は

それは至道先生のおっしゃる

「人を辞めさせること」

取捨選択すればいいだけの話です。



大丈夫です、

大体実力ある方は返して下さいますので、

その方と信頼関係を築けばいい話です。



森脇先生やGOTTA2 CAFEさんは

本当にナチュラルにそれができてらして

こちらも刺激頂くばかりです。


ちなみに宣伝をちょっとだけ…

https://ameblo.jp/sakabayu/entry-12322033842.html

最近ブログ始めまして…


というのも、

私は漫画業界に貢献できることをずっとしたいと思っておりまして

その為にマンガ家さんへのメンタルケアをしたくて

心理学ずっと学んでいました。


皆様色々悩みあるのに

なかなか解決手段がわからないことも多いんだな、

と接してみて実感しまして。


またその中で、漫画家さんのパートナーシップが大事だなと。

私の経験、あと架神先生のデレっぷり、

そして私の交流会から生まれたカップル、ご夫婦からも感じるんですね。



で、漫画家婚活を特にやりたくて

そ為のブログを始めました笑


その中で、昨日はトークメーカーさんのこと、

またまさに「まず相手に与える」ということが

めちゃ大事だよ!ということを描いたので

よ、良ければ見ていただければ嬉しいです。


女子向けなので男性から見られるのが

マジで恥ずかしいのですが、

架神先生が同じことおっしゃってたのでつい…

三木先生も色々お話して下さっているので、

自己PRについてもう少し。


「キャッチフレーズ」が大事だと思います。


三木先生で言えば「台湾人初のラノベ作家」

至道先生で言えば「IT経営もしている作家」

森脇先生で言えば「医学部出身の漫画家」


聞いただけで会いたくなりますよね。



架神先生は色々活動しているので難しいのですが…

一般的には「コンドームごはん書いた人」

ゲーム好きそうな人には「ボードゲームクリエイター」


漫画関係には

「マンガ新連載研究会というサロンオーナーで

ダンゲロスという頭のおかしい作品書いた人」


かな…


私の知り合いがダンゲロス知っている人多いので

私は最初ダンゲロスの原作者さんって説明をしています。



私の場合、ずっと自分に葛藤あったのですが

やっぱりこれが一番食いつきよいので

最近ようやく開き直れましたが


「【漫画家の妻】であり漫画家エージェント」


自分はがっつり仕事したいタイプなので

漫画家妻であることを

あまり全面的に出したくなかったのですが

やはりこの方が覚えてもらいやすく、

コネクションが作りやすい。





私は自分の仕事の先には

絶対に漫画業界の貢献を考えているので

漫画業界の為に、自分の名前を売る必要があり、

名前を売る為に、わかりやすく漫画家の妻であることを

出そうと思いました。




ので、皆様も、自分のどこが

「他人から食いついてもらいやすいポイント」なのか

を見極めてください。


これは、なかなか自分だけじゃわからないので

他人と接する必要があります。

他人が自分の話のどこに食いついてくれるのかを

注目してください。



私も漫画家妻であること、

付き合った当初夫が無職だったこと(たまたまですが)が

めちゃ食いついてもらえるなんて、

人と話すまではわかりませんでした。



そこをアピールするのが嫌だなあと思うこともあると思います。

私のように、他人(夫)の威を借るなんていいのかな~

という場合もあると思います。



有名な●●先生のアシスタントをしているとか

▽▽先生の絶賛もらって受賞した、とか。



でも、その先に得たいもの、

それが他の人や世間の為だったらよいのではないかなと思います。


他の人や世間の為なんて考えてないよ!って方も

一番最初に漫画書きたい動機って

人を感動させたい、とか

そういう気持ちからスタートしている方も

多いんじゃないかな、と思います。


その気持ち(他人や世間への貢献)を一番大事に、

自分の活動を大切に

コネクション作って頂ければと思います!


> 交流会は私は基本お酒飲まないようにしているのですが、

> それは記憶力と集中力を最大限にしておきたいからです。

> 私はお酒飲むと自分のことしか考えられなくなるので(笑)


おおう、そこまでやってたんですね……。


しかし、おれも昨日は、この座談会を経て目的意識を持って参加してたため、メシを食う時間がなかなか捻出できずに、スゲー隙を突いてメシを食ってました。


「出版社のパーティーに呼ばれる時はタンパク質を大量摂取するチャンスだぜ……」


と思っていたカネがない時のおれは、「本来この手のパーティーには『先にメシを食ってから来る』もの」という話を聞いて、頭の上に大量のはてなマークを浮かべていたのだけど、この歳になってついにその意味が分かってきたのである。


まあ、おれは今でも酒を飲むし、昨日もパーティー終了後に大皿に残ってたパスタを皿ごと持って一人でモシャモシャ食ってたんですけど。

> 私もずっと何か頼まれた際は

> 「相手の期待の2.5倍で応える!」

> を意識してました。


ただ、これをあんまり頑張りすぎると電通めいたことになりカロウシしてしまうので……。


最近、おれは便利な概念を知ったんですけど、期待値コントロールという概念があって、相手の期待値を上げすぎないのも大事かな、と。

「最低このくらいはしてくれるかなあ」と思わせておいて、「ゲーッ、こんなにしてきやがった!?」とビビらせる。


ま、ちょっと姑息なテクニックなんですけど、「こんくらいはやりますよ!」って言って、それだけやっても、相手もそんなに喜ばないので、まあ相手を喜ばせるための演出効果ということでイイんじゃないでしょうか。


状況は変化するので、その中で「ここでこれをやったら相手はビビるかな?」というのを考えるのが良いかもしれません。

>三木先生


> その場合の好ましいは付き合いの深さももちろんありますが、「好かれる人」「愛嬌のある人」もきっとあるのかなあ……と考えております。


「付き合っていて気持ちがいい人」なんでしょうね、たぶん。

三木先生は共通の知人からの人物評価が押しなべて高いイメージですが、何か具体的に意識して実行していることはありますか? リアクションとか大事かなあ、とは思うんですが。

> たしかに自分は必要な状況なら、それまで面識なかった方でも、直接ご連絡していきなり会いにいったりしてますね、普通に。


至道先生がこう書かれてますが、「コンタクトを取れない」というのがあるんですよね。

おれも、もう知らない目上の人に飛び込みで行くときは、ビビってビビって仕方ないんですよ。


逆にビビられて来てくれない時もある。


というわけで、少し早いですが、次のエピソード「なぜコンタクトできないのか?」へ移動したいと思います。

「相手をビビらせる」のテーマでもまだ何かありましたら、ぜひ次のエピでも発言してくださいね。

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登場人物紹介

架神恭介


作家、漫画原作者、ゲームデザイナー、サロンオーナー。

今は概ねコネで仕事を作って食ってます。

20代の頃はコネが全く役に立たなかったのに、30代になってから急激に役立ち始めたのでコネの正体を探りたい。


架神恭介クリエイターページ

至道 流星 (しどう りゅうせい)


小説家、システム開発、会社経営などに携わる兼業クリエイター。

小説、ビジネス書、漫画原作など50冊ほどの著作がある。海外翻訳も多数。創作者というよりビジネス色が強いクリエイター。


◆主な著書

小説『大日本サムライガール(全9巻)』『羽月莉音の帝国(全10巻)』『破滅軍師の賭博戦記』

(※そのほか多数!)

坂場有妃子


漫画家エージェント、マジメント会社「クリアーティ」代表取締役。

2010年より異業種交流会を月1~2回主催。毎回30名~150名参加。のべ8000人参加。

会からの縁で作られたカップル&結婚50組以上、漫画家さんの仕事の縁も50件以上つないでいる。


家族に漫画家がいるので、漫画家はじめクリエイターに不利益な活動は絶対しないということがモットー。


【クリアーティ】 

Twitter:https://twitter.com/creartiofficial 

FACEBOOK:https://www.facebook.com/creartiofficial/


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