真昼の夢
文字数 466文字
郵便局まで歩く道すがら
枯れた木々の揺れる音が
わたしたちをあたためる
足は緩やかに好奇心を見つめる
速達で出した封筒の行く先を
安心して眺めていられるのは
そういう訳で
手の震えがいつの間にか
蛇口をひねったら出る錆のように
当たり前になっていた
頭の痺れが冬の深さを物語る
切り花が水を吸い込もうとしても
部屋の空間という概念がわたしの邪魔をする
窓ガラスの向こう側に月が張りついた
コタツの上に転がるみかんの皮のように
誰かが残したりんごの芯の抽象画のように
風雨に晒されて孤独死した公衆電話のように
山々に吸い込まれていく夕暮れの余暇のよう
に
どうやらわたしたちは心の奥底で
座りながらじっと夜を待っている
口笛を吹いて蛇を呼ぼうか
爪でも切って不幸に酔うのもいい
猫がときおり見せる艶まかしい寝姿を抱き
眠り続ける人生のひと時だってあるはずだ
植物はつぼみに戻る
月明かりは懐中電灯
電池の切れた星々が散っていく
胃液のような空気が天井を覆う
小さな夜を枕にして
小さな夢を遠くに見つめる
真昼のキラキラ光る太陽の粒が
枯れ葉のようにふっと落ちてくる
わたしは今夜も大地に足跡をつける
枯れた木々の揺れる音が
わたしたちをあたためる
足は緩やかに好奇心を見つめる
速達で出した封筒の行く先を
安心して眺めていられるのは
そういう訳で
手の震えがいつの間にか
蛇口をひねったら出る錆のように
当たり前になっていた
頭の痺れが冬の深さを物語る
切り花が水を吸い込もうとしても
部屋の空間という概念がわたしの邪魔をする
窓ガラスの向こう側に月が張りついた
コタツの上に転がるみかんの皮のように
誰かが残したりんごの芯の抽象画のように
風雨に晒されて孤独死した公衆電話のように
山々に吸い込まれていく夕暮れの余暇のよう
に
どうやらわたしたちは心の奥底で
座りながらじっと夜を待っている
口笛を吹いて蛇を呼ぼうか
爪でも切って不幸に酔うのもいい
猫がときおり見せる艶まかしい寝姿を抱き
眠り続ける人生のひと時だってあるはずだ
植物はつぼみに戻る
月明かりは懐中電灯
電池の切れた星々が散っていく
胃液のような空気が天井を覆う
小さな夜を枕にして
小さな夢を遠くに見つめる
真昼のキラキラ光る太陽の粒が
枯れ葉のようにふっと落ちてくる
わたしは今夜も大地に足跡をつける