第19話 スコットランドの赤いバラ:2022年6月

文字数 639文字

(スコットランドで、独立推進党の新しい党首が誕生した)


2022年6月。スコットランド。エジンバラ。


6月のスコットランドには、赤いバラが咲き乱れる。「蛍の光」の作詞者で知られる、詩人ロバート・バーンズも、6月のバラを詩「真っ赤なバラ」 A Red Red Roseで詠んでいる。

赤いバラの咲く時期に、独立推進党は新しい党首の選挙を始めていた。選挙会場は、独立推進党の党本部の建物で、エジンバラらしく、外装は古風な石造りで、周りに、バラのゲートがあった。

「それでは、これで、投票を終了します。これから、開票に移ります」

開票作業といっても、電子投票だから、結果が、出るまでは、一瞬だ。

「ウィリアム・ベーカー 24票、キャサリン・オースティン 96票、ジェームス・ワトソン 41票。得票数のトップは、キャサリン・オースティンです。オースティンの得票は、過半数も越えています。新しい党首は、キャサリン・オースティンに決まりました」 

キャサリン・オースティンは、 40歳のブロンドの青い目の女性だった。典型的な、色白の白人の容姿をしていた。

独立推進党はスコットランドの第1政党である。スコットランドは、英国に属しながらも、1999年から、スコットランド議会があり、独自の首相を置いている。つまり、キャサリン・オースティン・スコットランド首相が誕生した。

スコットランドと英国の新聞は、バラの季節に、女性首相が誕生したということで、「スコットランドに赤いバラが誕生した」と記事の見出しに書いた。


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