第8話 背中を押す出来事の連鎖 ~『DAYS』~
文字数 1,731文字
『DAYS』 という熱い高校サッカー漫画がある。
これは週刊少年マガジンに連載されていた作品で、なぜか私はこの作品に関する偶然の一致を数多く体験している。
ある時期から、この作品『DAYS』を読み始めたのだが、これがじつに面白い。
サッカーに全く関心の無かった私が読んで面白いと感じたのだから、この作品は間違いなく素晴らしい作品である。
毎週、この作品の続きを読むことが、人生の大きな楽しみの1つとなっていた。
ところが、連載の途中から読み始めたもので、主人公が誰なのかさえ判らない。
本来ならば、物語をじっくり味わう為には1巻から順に読むべきである。
「あぁ、これは1巻から読んだ方がイイな……」
そんなことを考えていた時のことだった。
TSUTAYAで会計を済ませると、なんと!
――『コミックレンタル5冊無料券』が当たった!
なんという絶妙なタイミング!
私が『DAYS』を1巻から読みたいと思った矢先に当たったのである!
「おぉ、これで『DAYS』1巻から読んでみよう」
私はさっそく1巻から5巻まで無料レンタルで読んでみた。
すると、これが予想を遥かに超えるほど、めちゃくちゃ素晴らしい作品だった!
「あぁ、これは素晴らしい作品だ!面白いし感動する!」
となると、当然、6巻から先の物語が気になりだす。
いや、いや、それどころではない。
もはやレンタルではなく、1巻からコミックを購入したくなってしまっていた。
ところが、この時点で『DAYS』は27巻まで出ている。
「27冊……全部揃えるのは、ちょっと大変だな……」
続きを、読みたくて、読みたくて、仕方がない。
しかし、27冊買い揃えるのは少しばかり大変である。
そんなことを考えていると、またまた偶然の出来事が起きた。なんと!
――『ポイント10倍券』が当たった!
またもやTSUTAYAの当たりチケットである。
ポイントが10倍になるので、『DAYS』をまとめ買いするのに、打って付けである。
今、まさに状況が整った。
確かに普通に買うよりもお得である。しかも、当たり券には期限がある。
「うむむ、これで『DAYS』を買えってか……」
そんなことを考えつつ、私は別件で書店へとクルマを走らせていた。
すると、街中に『安田』と書かれた看板が目に飛び込んできた。
――『安田』
なぜか、妙にその看板が気になった。
しかし、『安田』という名前には、別段思い当たる節もない。
一体、どうして気になるのだろうか…‥不思議である。
書店に着くと別件を済ませ、コミックコーナーにも足を運んだ。
やはり、どうにも『DAYS』の続きが気になるらしい。
しかし、ここで驚くべき出来事が起こった!
私が棚に並べられた『DAYS』のコミックスに目をやった、その瞬間!
「あああっ!そういうことだったのか!」
先程、目にした『安田』という看板の意味が判明した。
そうである。『DAYS』の背表紙に書かれていたのは、なんと!
――安田剛士 氏
『DAYS』の作者の名前が『安田』氏だったのである!
私がこの時まで、『DAYS』の作者の安田剛士氏のお名前を存じ上げていなかった為、これには驚きを隠せなかった。
なるほど、それで、先ほどの看板がやたら気になったわけか……
すべて納得がいった。
「よし、買おう!」
私は、この偶然の一致の出来事に背中を押され、ひとまず8巻までを購入した。
続きの巻はあと19冊となった。
ところが、ここで再び不思議な出来事が起きた。
通常では、ほとんど起こり得ないことなのだが、このタイミングで、なんと!
――臨時収入が2度!
1度ならば、ともかく、2度である。これは、完全に通常起こり得ない出来事である。
このありがたき臨時収入で『DAYS』全巻を購入したことは、もはや言わずもがな。
こうして、「次々に起こる偶然の出来事に背中を押され」、私は『DAYS』を集め、至極の物語を読み進めることが出来たわけである。
それにしても、本当に不思議な絶妙なタイミングで偶然の出来事が続いた。
『コミックレンタル5冊無料券』『ポイント10倍券』『安田という看板』『二度の臨時収入』
それは、まるで……
「早く『DAYS』を全巻読みなさい」
と言われているかのような出来事の連鎖であった……
まさに「事実は小説よりも奇なり」である。