第88話 弥一郎の想い人~初めての夜 輝く美しさ
文字数 666文字
弥一郎は、柔らかい布団の感触とほのかに香るよい匂いに包まれて徐々に目を醒ました。
目の前には、妖艶にほほ笑む絢乃が座っていた。
絢乃は、化粧を落とし、肌襦袢を掛けただけであった。
なで肩の嫋 やかな様子は、何時 まで見ていても飽きることはない美しさだった。
弥一郎は、
(ああ・・絢乃さんだ・・なんて綺麗なんだ・・・)
と、ぼんやりと思った。
次第に酔いが醒め、突然、弥一郎はその場の状況を理解した。
驚いた弥一郎は、すごい勢いで起き上がると、絢乃の前に座った。
気が付くと、弥一郎も寝間着であった。
「・あやのさん・・これは?・・・」
絢乃は、経緯を説明した。
お座敷で弥一郎が酔いつぶれたこと、夜も遅かったので自分の家に連れて来たこと、この家は丸の家という置屋で、自分は女将の実の娘であることを話したのだった。
弥一郎は、前後不覚に酔いつぶれたことはなかったので、自分の醜態を恥ずかしく思ったのだが、
「私が、酔わせたのです・・・」
と言いざま、絢乃は、弥一郎の胸にしなだれかかったのだった。
「私の本名は、三和子・・みわと呼んで・・・」
「・みわさん・・・」
部屋には小さな灯 りだけだったが、二人には互いの姿がはっきりと見えた。
三和子のしなやかな肢体は、薄明かりの中で浮かび上がるようにくっきりと白く輝いていた。
弥一郎はその美しさに感動したのだった。
20年以上経った今も、三和子の美貌は衰えていないが、あの夜の三和子の美しさは、弥一郎の脳裏に焼き付いて消えることは無い。
皆藤三和子は、その夜、弥一郎の初めての女になった。
目の前には、妖艶にほほ笑む絢乃が座っていた。
絢乃は、化粧を落とし、肌襦袢を掛けただけであった。
なで肩の
弥一郎は、
(ああ・・絢乃さんだ・・なんて綺麗なんだ・・・)
と、ぼんやりと思った。
次第に酔いが醒め、突然、弥一郎はその場の状況を理解した。
驚いた弥一郎は、すごい勢いで起き上がると、絢乃の前に座った。
気が付くと、弥一郎も寝間着であった。
「・あやのさん・・これは?・・・」
絢乃は、経緯を説明した。
お座敷で弥一郎が酔いつぶれたこと、夜も遅かったので自分の家に連れて来たこと、この家は丸の家という置屋で、自分は女将の実の娘であることを話したのだった。
弥一郎は、前後不覚に酔いつぶれたことはなかったので、自分の醜態を恥ずかしく思ったのだが、
「私が、酔わせたのです・・・」
と言いざま、絢乃は、弥一郎の胸にしなだれかかったのだった。
「私の本名は、三和子・・みわと呼んで・・・」
「・みわさん・・・」
部屋には小さな
三和子のしなやかな肢体は、薄明かりの中で浮かび上がるようにくっきりと白く輝いていた。
弥一郎はその美しさに感動したのだった。
20年以上経った今も、三和子の美貌は衰えていないが、あの夜の三和子の美しさは、弥一郎の脳裏に焼き付いて消えることは無い。
皆藤三和子は、その夜、弥一郎の初めての女になった。