プロローグ
文字数 490文字
太陽が紅染まりながら、地平へと消えていく中、2人の男が赤々と染まる森林の中にいた。
1人は泣きながら穴を掘り続ける青年。
もう1人は、座ったまま何もしない半裸の男、背中には気味の悪いトカゲの模様が刻まれている。そいつはだるそうに青年に話しかける。
「もう良くない? 適当に捨てておけばいいじゃん、そんなゴミなんてさ」
その男の指摘する、[ゴミ]は青年の隣にあった。
それは遺体だ。
お粥みたいにドロドロに溶けた肉塊は、もう人とは呼べなかった。
これが業魔化のために使用した人間は、皆こうなる。
青年はそいつを睨みつける。その男はこっちを見んじゃねぇ!と叫びながら手で自分の顔を覆う。青年はまともに取り合うのも馬鹿らしいと、感じているようで、すぐに視線を外す。
青年は罪悪感に駆られながら必死に穴を掘り、墓を作る。
何故なら彼が殺めた張本人だから。
青年は、知らなかった。この遺体の名を。
青年は、知らなかった。この遺体である、ライアンは心を優しく、勇敢な異端審問官であったことを。
1人は泣きながら穴を掘り続ける青年。
もう1人は、座ったまま何もしない半裸の男、背中には気味の悪いトカゲの模様が刻まれている。そいつはだるそうに青年に話しかける。
「もう良くない? 適当に捨てておけばいいじゃん、そんなゴミなんてさ」
その男の指摘する、[ゴミ]は青年の隣にあった。
それは遺体だ。
お粥みたいにドロドロに溶けた肉塊は、もう人とは呼べなかった。
これが業魔化のために使用した人間は、皆こうなる。
青年はそいつを睨みつける。その男はこっちを見んじゃねぇ!と叫びながら手で自分の顔を覆う。青年はまともに取り合うのも馬鹿らしいと、感じているようで、すぐに視線を外す。
青年は罪悪感に駆られながら必死に穴を掘り、墓を作る。
何故なら彼が殺めた張本人だから。
青年は、知らなかった。この遺体の名を。
青年は、知らなかった。この遺体である、ライアンは心を優しく、勇敢な異端審問官であったことを。