第93話 M子様とKK氏、そしてマスコミ

文字数 3,995文字

 これまで何度も書いて来たことではありますが、マスコミによる世論誘導の企みは収まる気配がありません。
 先の自民党総裁選でもありましたね。
 当初は高市候補を泡沫候補のように扱い、まるで立候補していないかのように完全無視していた局もありました。
 にもかかわらず、高市候補が存在感を示し始めると、今度は『右翼』扱いです。
 私から見れば高市候補は正に『中道』だと思うのですが、この連載のタイトルでもある『左端から見れば全部右寄り』を地で行くが如しでした。
 前回都知事選での桜井氏に対する扱いも同様でした、懲りずに繰り返しているのです。
 
 で、このところ目に付くのはKK氏とM子様にかかわる報道の変化です。
 どうやら結婚の意志は固いらしく、10/26には婚姻届けが提出されるようです。

 これまではKK氏とその母親に関しては、あまり芳しくない報道がなされていました。
 元婚約者から提供された400万円が贈与であるのか借金であるのか、と言う金銭トラブルに端を発し、母親のK代さんの身辺で不審死が相次いでいたこと、傷病保険を受給しながら軽井沢の喫茶店で優雅に働いていたこと、それ以外にも遺族年金を不正に受給していた疑いが持たれていること、本来充分な収入がないであろうにもかかわらずKK氏が非常に学費の高い学校に通っていたこと、KK氏自身のいじめ疑惑など、枚挙にいとまがありません。
 婚約しているにもかかわらず銀行員という安定した仕事を辞め、唐突に弁護士を目指すと言い始めてアメリカのロースクールに留学したわけですが、その費用はどこから出たのかと言う疑問、法律事務所に勤め始めたのは良いとして、面接の際の履歴書に『日本のプリンセスのフィアンセ』と書かれていたと取り沙汰されていること、国民への釈明文を出したのは良いけれど、その内容に心がこもっておらず、自身の潔白ばかりを主張したものであったことなどにも否定的な報道がなされていました。
 で、最近帰国したKK氏の髪型や報道陣への態度、隔離先に帝国ホテル(!)を要求しておきながら土壇場になって実家に変更したことなども当初は批判の対象になっていました。
 まあ、どれをとっても結局裁判沙汰になったり、不正があったと断定されてはいないわけではありますが、ここまで疑惑が多く、身勝手とも受け取れる行動が多ければ一般家庭であっても『娘はやれん』となっても不思議はない、と言うか、普通そうなるでしょうね。
 ましてお相手は皇族です。
 結婚は当事者の合意のみによって成立するものと規定されていますが、現実は当人たちの気持ちだけで決められないことも多いものです。

 例えば男性が農家の長男だったとします、もちろん農家の長男をくさそうなどと言う気持ちはさらさらありませんが、結婚に二の足を踏む女性は多いのが現実でしょう。
 それ以前にも長男は敬遠されがちだとも聞きます、まあ、今の世に次男、三男は希少ですからそうも言ってはいられないでしょうけど。
 どちらかの身内に逮捕・服役歴のある人物がいたりすればやはりそれは障害になり得ますし、どちらかの親が病弱だとか高齢だとか、一族に癌など特定の病気で亡くなった人が多いと言うようなありがちなことですら障害になり得ます。
 結婚すると言うことは、互いを取り巻く環境も承知の上で、それによって苦労することがあったとしても、力を合わせて乗り越えて行かなければならないと言うことでもあります、好いた惚れただけでは不足です、相手をきちんと支えて行けるだけの覚悟が要るのです。

 私にはKK氏がそのような覚悟を持った人物のようには見えません。
『それは偏見なのでは?』と言われるのを承知の上で書くならば、彼はプリンセスのハートを射止めたことを利用して自身の虚栄心を満足させ、その立場を利用して、金銭面も含めた特別な待遇を得ようとしているようにしか見えません、M子様の目にはそう映ってはいないようですが。

 ところが、このところ、『二人の結婚を祝福すべきだ』と言う論調が目立つように見えます、少なくとも否定的な論調はぐんと減っています。

 ひとつにはマスコミも商売だから、と言う点があるでしょう、とりわけ週刊誌やワイドショー的報道では、プリンセスのお相手の疑惑を書き立てることで発行部数や視聴率を稼ぎ、破談になったとすればそれもネタにしたいと言う下心があったのではないかと思います。
 ところが結婚が事実上決定的になってしまうと、今度は『数多の障害を乗り越えて純愛を貫かれた』と言う論調で報道し、もうひと稼ぎしようとしているのではないでしょうか、お二人がNYで新生活を始められるのであれば、記者たちが大挙して渡米するでしょうね。
 ゴシップ記事を売ろうとするならば、今度は結婚生活の破綻を期待しているのでは? とすら勘ぐってしまいます。

 新聞やTVニュースも同様ですが、そこに『皇室の在り方』を絡めて来るだけにより悪質です。
 批判的な報道をしていた頃でさえ『皇室の権威の失墜』や『国民の皇室離れ』を危惧するかのような報道が見られましたが、彼らの本心は『危惧』ではなく、そこに世論を誘導することにあるのです。
『皇室に詳しい〇〇氏は、~の怖れがあるとコメントしています』のような論調は、『ほら、専門家はこう言ってますよ、そう考えないと世間から浮いてしまいますよ、そう言わないと世事に疎いと思われてしまいますよ』と言う意味なのです、間違いなく。
 今は『M子様が皇族だからと言う理由で好きな人と結婚できないのは可哀想』と言う論調で、KK氏の髪型や態度に対しても『自分自身を貫こうとする強い気持ちの表れではないか』とすら言っています、KK氏アゲの段階ですね、今まで叩けるだけ叩いていたのが?のようです。

『好き合った二人の結婚を、M子様が皇室の一員だと言う理由で祝福しないのは時代遅れ』
『M子様の結婚を認めないのであれば、K子様やA子様も好きな人と結婚できなくなりそうで可哀想』
『そもそも、皇室って何?』
『制度自体が時代遅れなんじゃないの?』
『皇室なんて制度よりも個人の気持ちの方を尊重すべきじゃないの?』
『皇室の一員と言う立場を超えて純愛を貫こうとするM子様とKK氏は立派なんじゃないの?』
 で、究極的には。
『皇室なんて要らないよね』

 これが本音でしょう、そちらへ話を持って行こうとして、『専門家』を引っ張り出したり『芸能人』を焚きつけたり、今後しばらくそんな報道が続くでしょう、KK氏やK代さんを皇室の一員として扱い、何か問題を起こせば、あるいは過去の疑惑が解明されたりすれば、皇室の汚点にしたい、そう考えているのではないでしょうか。
 そうなったらマスコミはこぞってKK氏サゲにかかりますよ、間違いなく。
 皇室全体をザゲることにもつながりますからね。

 正直なところ、私も『皇室、天皇陛下は日本人の心の拠り所であり、天皇陛下がいらっしゃらなくなることは日本と言う国の終焉を意味する』とまでは思っていません。
 ですが、日本の皇室の歴史と言うものは世界的に類を見ない長きにわたって、男系を保ちつつ途切れることなく続いていて、それはイギリスの王室などの比ではなく、ローマ法王ですら及ばないものです。
 少なくとも私はそれを『日本の誇り』だと考えていますし、それは私を日本人たらしめているとも感じています。
『現代の』と言うようなごく短い期間に形づくられた『常識』に当てはめて、その歴史や存在を否定したり貶めたりして良いものではありません。

 最近よく取りざたされている『女性宮家』、これはその血筋でない男性でも、皇族の女性と結婚することでそこに加われると言う制度になります、例えば外国人男性でさえも、もちろんKK氏も、それが私が女性宮家に反対する理由です。
 宮家の継承が『男系』に限定されているは男尊女卑の考えに基づくものではありません、女性は皇族男性と結婚して皇室の一員となることが出来ます、美智子様も雅子様も民間から当時の皇太子殿下に嫁がれて後に皇后陛下になられました、ですが皇族の血筋でない男性は皇族にはなれない、天皇陛下直系でなければ皇位は継げない、そう言う決まりなのです。
『女系天皇』や『女性宮家』は一見男女同権を標榜しているように見えますが、そう言う危険をはらんでいるのです。

 私は、皇室の由緒ある血筋は私たちの子孫の代にも続いて行って欲しいものだと考えます、日本人が日本人としての誇りを持つこと、その象徴として天皇陛下と皇室を頂くこと、それは今後増々グローバル化して行くであろう世の中にあって、むしろ重要性を増すもの、失ってはならないものだと思っています、失ったが最後、決して元には戻りません。
 
 M子様がKK氏の下へ走る、それはもう覆しようのないことだとは思います、ですが、それを当然のことだと考えるべきではないと思います、あくまで『残念ながらかつてそう言うこともあった』と言うことであって欲しいと思います。
 その為には、M子様は皇族の身分を名実ともに全て捨て去り、KK氏も、あくまでM子様と言う一人の女性を愛して結婚しただけで、皇族とは何のかかわりもないこと、今後も金銭的援助や特別待遇を望まないことを宣言して、言葉通りに貫いていただきたい。
 もしそこまでするのであれば、それはそれで認めざるを得ないでしょうし、認めます。
 ですが、私にはKK氏がそのような人物には見えず、M子様もそこまでの覚悟がおありのようには見えないのです。
 KK氏がM子様のフィアンセとなってから3年もあったのに、何ら実効性のある手を打ってこなかった宮内庁も大概ですけどね。
 
 まさか、事実無根の『暴露本』でも書いて皇室を貶め、自分達を正当化した上にひと儲けしようなんで考えていませんよね? KKさん。
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