元冒険者、近隣に挨拶をする

文字数 1,024文字

 この国に来て1週間が経過した。
 だいぶ落ち着いてきて色々考えるようになって来た。
 まずはこの国を発展させるのが第一目標だが、その次に考えなければならないのが近隣国との付き合いだろう。
 この国は二つの大国に囲まれている。
 1つは俺がいたダイマン王国、もう1つは『ラズリ王国』という国だ。
 この二つの国は、正直余り良い関係ではない。
 と言っても民間の交流はあり、俺も何度かラズリ王国には訪れた事がある。
 ラズリ王国にも知り合いはいるので、手紙でも出しておくか。
「まぁ、こんな小さな国を相手にする事は無いだろう。そもそも貴族でもなんでも無いからな。」 
 それでも、近隣の村には挨拶くらいはしておいた方が良いだろう。
「ダイマン王国側の近隣だと・・・・・・、この『ケイマ』て言う村が近いな。」
 この村には確か魔獣狩りで行った事あるな。
 その時に村長にも会った事ある。
「ラズリ国側は・・・・・・『シイナ』という町があるのか。」
 この町は行った事がないな。
「まずは、この二つの町とは交流をしておこう。」
 早速、翌日から行動を開始した。
 まずはケイマに行き村長に会った。
 村長や村人達は俺の事を覚えていてくれたみたいで歓迎された。
 そして、ファズリー国に住んでいる事を教えると村長達は驚いていた。
 特に村長はファズリー国の事を知っているみたいで色々教えてくれた。
 村長曰く、旧ファズリー国王は戦争を嫌い内政に力を注いでいた、という。
 近隣国とも友好関係を築き国としても安定していた、という。
 しかし、その国王が死に後を引き継いだ王子がダメだった。
 自分の力を過信して国民に重税を課して武器商人と手を組み色々企てていたらしい。
 徐々に国民達はファズリー国から逃げ出してダイマンやラズリに助けを求めた。
 結果としてはダイマンやラズリから攻められてその王子達は逃げ出したらしい。
 簡単に言えば『調子に乗った』という事だろう。 
 これは肝に命じて置かないといけないな。
 ケイマの村長はシイナの町長と面識があるらしく、話をしておく、と言ってくれた。
 翌日に俺はシイナを訪れると話が通っていて町長と会えた。
 町長からは『貴方はファズリーの前国王と雰囲気が似ている。きっとあの国を発展できるでしょう』と言われた。
 買い被りすぎだと思うが褒められて悪い気はしない。
 こうして近隣との挨拶は無事に終わった。  
 
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