第24話 だって恥ずかしいんだもん!
文字数 934文字
初めて、宮廷の舞踏会に参加した日……。
一度でも彼のいたずらの犠牲になってみたら、わかる……、彼は、天使ではない! 小悪魔だ!
しーーーーん
何事もなかったかのように、楽団が音楽を再開した。
その後、踊り手が入れ替わり、また、観客達も踊りに加わり、ダンスパーティーが始まった。
ホールは暑く、人いきれが凄かった。
広間の隅で、彼は、壁に向かって立っていた。
彼は、真っ赤な顔をしていた。
りんごのように赤い頬をしたまま、小さな声で、彼は叫んだ。
ディートリヒシュタインは、陥落した。