25話 犯行声明文

エピソード文字数 1,416文字

2017/06/10 13:57
A-3号室!
僕はしっかりと覚えていた。
正解!よかった。覚えていてくれて
そりゃ、まぁ覚えてるよ
部屋の番号だけじゃなくて、たとえ停電になっても助けにこれるように場所も覚えておいてよ?
う、うん、分かった・・・
鈴原はため息をついて、僕の向かいのベッドに腰掛けた。
怖いんだ
怖い?
ペンペンも殺されちゃったし、この先何かが起きるんじゃないかって不安で
確かに鈴原が不安になるのは仕方のないことかもしれない。このまま合宿を続けるのは無謀な事なのだろうか。
でも、もっと練習して俺も海老原や武藤みたいにバスケ、うまくなりたいし
僕は自分に言い訳するように言った。
そう・・・だよね。弘樹君が上手になれば試合でも勝てるようになるかもしれないしね。頑張ってね
え、ああ。ありがと
それからしばらく2人は、たわいのない話をして、僕は部屋を出た。
僕は自室に戻ると、ベッドに寝っころがって雑誌を読んだりして時間を過ごした。しばらくして腕時計を見ると、9時10分。そういえば、今日の日誌当番は僕だった。忘れないうちに済ませてしまおうと思い学習室へ向かった。
学習室に入り、僕はパソコンの電源を入れた。ウィーンと個々のパーツが起動する音がして、パソコンが立ち上げられていく。
僕はワープロソフトを使って、今日あった出来事を書いていった。ペンペンが殺されたこと。キーボードで打ち込んでいると、後ろから声をかけられた。
よお、弘樹。何やってんだ?
振り向くと、それは若宮だった。
バスケ部の日誌を書いているんだよ
へえ。まじめな奴
若宮こそどうしたんだよ?お前が2階に来るって珍しいじゃないか
若宮は大きなあくびをした。
プーやんとのゲームにもあきたからな。ちょっと寝てたんだけど、目を覚まして。みんな何やってるのかなって思ってな
この寮にいると、普段よりも時間の流れがゆっくり感じられるから不思議だよな
若宮は僕の言葉にうなずくと、日誌が挟まれているファイルを手にとって、パラパラとめくって読み出した。僕はタイピングしながら若宮に話しかけた。
それにしても、とんでもない合宿になったもんだよな。ペンペンは殺されるし、1年生は帰っちゃうし、物は盗まれるし・・・この合宿、やって失敗だったのかなぁ・・・なあ、若宮?
僕は若宮の方を見た。若宮は手を小刻みに震わせ、食い入るように日誌ファイルを見ている。
・・・若宮?
弘樹・・・これ・・・読んで見ろ
え、何?
僕は若宮からファイルを受け取った。何が書かれてあるというのだろう?
・・・あ!!
そのゴシック体フォントで書かれた紙を見たとき、僕は自分の目を疑った。読み進めるうちに、鼓動が高鳴る。

最後にファイルしてある紙には、こう書かれてあった。
『ペンペンの死体をみんなが見つけたペンペンは僕が殺したんだペンペンを縄で縛りつけてナイフで刺したときキャンキャンと泣き叫んでとても苦しそうだった大量の血が僕の服に着いたのでお風呂で服や体を洗ったら浴槽のお湯が少し赤くなったみんながそれを見て不思議がっていたがあれはペンペンの血なんだみんなそうとも知らず風呂に入っているのが無性に面白かったまた殺そう』
・・・!
ぞっとして背筋に悪寒が走った。ペンペンを殺した奴の文章なのか?
若宮、これ・・・!!
犬を殺したやつに違いない
昨日の風呂のお湯がかったのは・・・
殺された犬の血だったんだ・・・!!
・・・!!
僕と若宮は、得体の知れない影が男子寮全体を飲み込んでいくような恐怖を感じていた。
つづく
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登場人物紹介

「小川弘樹」

主人公。密かに鈴原あゆみに恋してる普通の高校生。でも鈴原が好きな事はみんなにバレバレ。鈴原が近いと少し声が大きくなるからだ。

最近、ワックスは髪型を自由に変えられる魔法の練り物だと思ってる。

「鈴原あゆみ」

バスケ部のマネージャー。とにかく明るくて、いつも笑顔を絶やさない。
明るすぎて悩み無用と思われてる。そんなわけないでしょ! と一応怒った事もある。
弘樹は怒った顔も可愛いと思った。

「海老原さとる」

バスケ部キャプテン。力強くみんなを引っ張っていく。多少強引なところもある。

あまり女の子の話とかしないので部員に疑われた事もあるが、普通に女の子が好き。らしい。

「武藤純一」

文武両道で、バスケもうまく、頭脳明晰。優しく、皆が熱くなった時も冷静に答えを導こうとする。殴られたら殴り返す男らしい一面も。

いつもメガネがキラリと光る。人の3倍くらい光る。風呂に入る時もメガネをつけるので、体の一部と言われている。横顔になるとメガネのフレームの一部が消えたりはしない。

メガネが外れると3みたいな目になる。

「若宮亮太」

ヤンチャな性格で、言いたい事はズバズバ言う。プーやんをいつもいじってる。背が少し低い。そこに触れると激怒するのでみんな黙っている。

「人をいじっていいのは、逆にいじられても怒らないこと、お笑いの信頼関係が構築されてることが条件だ」と武藤に冷静に指摘されたが、その時も怒った。

沸点が低い。というより液体そのものが揮発してる。

いつもプーヤンをいじってるが、格ゲーでボコられてる。すぐにコントローラーを投げるのでプーヤンにシリコンカバーを装着させられてる。

怖い話とか大好き。

「長野五郎」

略してプーやん。いや、略せてないけど、なぜかプーやんと呼ばれてる。いつも減らず口ばかり叩いてる。若宮にいじられながらも一緒にゲームしたりと仲が良いのか悪いのか謎。ゲームとアニメ大好き。犬好き。

将来の夢はゲームクリエイター。意外と才能あるのだが、恥ずかしいのか黙っている。

エクセルのマクロを少し扱えるので、自分はハッカーの素質があると言った時は武藤にエクセルを閉じられなくするマクロを組まれた。

「塩崎勇次」

おっとりした性格で、人からの頼みは断れない。心配性。
心配しすぎて胃が痛くなる事も多く、胃薬を持ち歩いている。

キャベツは胃に良い、だからキャベジンはキャベジンって言うんだよ、というエピソードを3回くらい部員にしてる。

黒いシルエット。それはが誰なのか、男なのか女なのか、しかし、人である事は確か、という表現ができる。少なくとも猫ではない。

だいたい影に隠れて主人公たちを見てニヤリと笑い、だいたい悪いことをする。
この作品では初っ端からアクティブに大暴れしてる。

酒井先生。バスケ部の顧問だが、スポーツに関する知識はない。

奥さんの出産が近いため、そわそわしている。

織田切努(おだぎり つとむ)。謎の転校生。

夏休みで、寮に慣れるためにやってきたらしい。 

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