ヤマ

文字数 480文字

今回のヤマは殺人だ。
若い女が殺された。
殺したのも若い女だ。
つまり、自殺ってことですね!
バカ、若い女が二人いたってことだよ。メモとってんじゃねえ! ……いや、いい。なんでもメモしとけ。お前は。

はいっス!
「若い女が二人。自殺……」
だから、殺人事件だっての。
若い女A若い女Bを殺したんだよ!
ああ、そっか! さすが年の功。
トシは余計だ、馬鹿。
ホメたって何もでねえぞ。

つーか、それ以前の問題だぞ、お前……。
それはさておき、現場ではすでに鑑識の連中が忙しく立ち働いていた。
あの、アレですよね……。
どうした?
日本の警察って黄色いテープ、使わないですよね。
黄色いテープ?
ホラ、アメリカの映画とかであるじゃないですかKEEP OUTって書いてある立ち入り禁止の……
(ああ、アレか)
……そうだな。ここは日本だからな。
俺、アレに憧れて警官になったんスよねー。
憧れは大切だな。
ですよねー!
ピアノは嬉しそうにメモを取る。
(ん? なんかメモ取るような会話だったか?)
俺はピアノの手帳を覗き込んだ。
「ここは日本」
(……まあ、そういうことも大事な情報だ)
(うっかり見落とすこともあるからな)
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登場人物紹介

芋山鶴お。

人呼んで「芋づるデカ」。

如月ピアノ。

新米の相棒。

警察手帳。



星だピカ子。



オバちゃん。



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