オママゴト

文字数 879文字

私は武藤さんにとって特別な存在だとずっと思っていたの。


私にだけ心を開いてくれてるって。


だから一緒に過ごす時間を重ねれば必ず私の事が好きになるってそう思ってたよ。


でも彼に艶のある台詞を期待しても黙って微笑むだけ…。


ココまで来て私は根本的な間違いに気付いたよ。


私は自分から告白したことが無いの。


絶世の美女とは言わないケド『自分がカワイイ事』に私は自信があるよ。


あ、そこの人。


勘違いとか言わないでね。


当然だけど磨く事や維持する事に人並以上の努力をしているの。


元の素材が水晶でも、雑に扱われたダイヤより光り輝く自信が私にはあるよ。


黙っていてもむこうから告白してきたし友達もたくさんいるの。


武藤さんには奥さんと子供がいる。


そんな彼が私と付き合うには不倫の関係を築くか離婚してもらわなきゃいけないの。


不倫は駄目。


駄目というか彼はしなさそう。


不倫をしないで私との結婚を意識してもらうには告白するしかないの。


私が…


告白?


告白…


告白ってなに?


“好き”って伝える事?


でもそんな言葉じゃ私の気持ちは伝わらないよ?


ほんの1年前。


失恋して枯れ果てるまで泣いていた私。


でも今度の恋は今までとは比べものにならないの。


こんなにも男の人を想った事は生涯一度も無いよ。


今までの恋愛は流れに身を委ねていただけで私には気持ちが無かったのかも知れない。


そう思わせる位彼がいとおしい。


彼の心に響く告白がしたい。


今の私を伝えたい!


でも…


わからない。


根本的な間違い…


私はまだ彼に気持ちを伝えていない。


そう。


これまでの恋愛ゴッコとは違うの。


これまでは仲良く遊んでいればむこうから告白してきたよ。


でも今回は違うの。


愛する彼に私の全てを伝えるの。


今までの恋愛は遊びの延長だったよ。


少なくても私は…


そうよ。


愛想尽かされて当然だったんだ。


でも今回は…。
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登場人物紹介

ヒロイン(HN:藍苺ランメイ)


北海道の土産店に勤める高卒女性社員。

社会人として頑張っているがまだ若い。

趣味は自分磨き。


写真素材[モデル:Lala*]

武藤さん


仲卸しの営業マン。

妻子持ちの働き盛り。

ブルーベリーを使った中国酒が好き。

無糖あずは無関係(゜-゜)


写真素材[モデル:ゆうせい]

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