第7話 郷田十三(1)

文字数 503文字

○都内のホテル、ニューコタニの一室
あなたが、伝説の国際A級スナイパー、郷田十三さんですか?
いかにもワシが郷田十三じゃ。ゴホン、ゴホン。
ずいぶん老けた印象だけど。
実は、最近嫁をもらってな。
郷田さんは、生涯独身を標榜していたんじゃ?
ワシも古希が近くなって、看取ってくれる人が欲しくなってな。そしたら、毎晩激しくて困った。ふえーって。
実は、香港の雨乞い運動のリーダーから、C國のトップを狙撃するよう依頼が来ています。報酬は、米ドルで1000万ドル。
あっ、とみん銀行に振り込んどいてくれ。
スイス銀行じゃないのか?
もう近くが見えなくて、外国の銀行は面倒くさい。振り込みを確認次第、質屋から散弾銃をもってくるから。
えっ?M1ライフルじゃないのか?
歳のせいか、ライフルじゃ当たらなくなってのう。散弾銃で弾がバッと散れば一発ぐらいは当たるじゃろ。熊を撃つやつなんだがな。
何か不安だなぁ。何か若い頃の武勇伝があったら聴かせてもらえますか?
ワシの若い頃なぞ、東欧の女を一晩に三人もブイブイヒーヒーいわせたもんじゃわい。ワシのビッグマグナムが連発で火を吹いてな。ピーって。
駄目だろなー、この人じゃ。武勇伝の意味を履き違えてるし。
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