第120話 坂田さんへ  3

文字数 2,187文字

じゃあつまり。魔樹くんと美優ちゃんが~お互い同じタイミングで入れ替わってて。二人を演じてたわけ?

そそそ! そうです坂田さん!

そうする事によって、白竹さん達は普通の人間のように違和感なく生活してたわけなんですよ。

あ~~! 

だから可愛い魔樹くんもいれば、クールな魔樹くんも……

そうなんです。多分クールなのは私でしょう。

可愛いと思った魔樹は、美優の男の子の姿。本当の名前は美樹といいます。

一つ、しつも~~~ん!

何で入れ替わらないといけないの? どして? 

別に入れ替わらなくて、ずっと同じ性別でいてたらよろしいのでわ?

 坂田さんからの質問には三人で丁寧に教える。

 入れ替わり体質の制限時間やリミットの話。その時間を超えればどうなるのか、などなど。


 普通の人間には無い特殊体質な身体。この説明をするのに相当な時間が掛かってしまう。

まぁこの話は追々説明します。イキナリ全部を分かってもらうには坂田さんがパンクしちまう。

ゆっくりでいいですから、俺達のことを分かって欲しいんです。

そうだね。さおりんも未だに黒澤と楓蓮おねーさまが同一人物だなんて信じられない。


全然分からなかった……

今までずっと騙してたみたいですみません。

ですが、俺達はこの特殊体質を世間に知られるのは怖いんです。


男や女に変わってしまう。そんな話なんて聞いた事ないでしょう?

そんな人間が有名になってしまえば、俺達の身体目当てに近づいて来る人間もきっといるでしょうし、下手をすればどっかの研究所に連れて行かれモルモットにされる可能性だってあるかもしれない。

私達は今までずっと、この身体の事を秘密にして生きて来た。


……でも。なんで私にこの話を?

坂田さんならきっと分かってくれるって。そう思ったんです。

蓮くんも魔優も、私だって……あなたなら全てを喋って良いと、前からずっと考えてたんです。


学校だって、喋れない私にも優しくしてくれたり、体力テストの時も助けてくれた。

喫茶店だって手伝ってくれてるし、コテツだって譲ってくれたのは……あなただから。 

俺だって一緒です。学校でもよく喋ってくれるし、

楓蓮でもすごく優しく接してくれるし、ももまろだって譲ってくれた。

蓮でも楓蓮でも、あなたはとても優しくしてくれたんです。

く、くろさわ……ちょ。恥ずかしいじゃん。

いや、でも本当にそう思ってるんです。本心です。

だから、美優ちゃんや魔優と相談してて、あなたならカミングアウトしてもいいって。皆で決めたんです。

わ、わかった。この事はみんなに内緒にするから。

ありがとう。坂田さん。

私達の事。分かってくれて本当に感謝します。

 良かった。坂田さんにも俺達の思いは通じたようだ。

 

 そう思うと、自然と溜息が漏れてしまう。

 と同時に凄まじい達成感に襲われ、暫くはその余韻に浸っていた。



 ※





 そこからは坂田さんに今までの経緯を話し出した。

 

なるほどね。つまりこの話は美神さんも知ってるわけね。
そそそ、聖奈ちゃんもわたくし達の入れ替わり事情を詳しく知っておりまする。

 蓮は楓蓮。美優ちゃんは美樹。魔優は魔樹。

 この形式が坂田さんの頭に入ると、ここからはスムーズに進行する。

ちょっと聖奈さんにも報告しておくね。
ああ。上手くいったって言っておいてくれ。

聖奈さんにも連絡しなきゃだし、綾ちゃんにも報告しないと。

予定が狂っちゃったから、辻褄を合わせられるようにしないといけない。

後は、凛ちゃんや虎ちゃんにも報告。


一度、皆で集まって話し合うほうがいいわね。

そして坂田さん。あなたも私達の集まりに参加してもらう。

そっかそっか。それで……

どうしたんです?

何か納得できる部分がありました?

いあ~なんで黒澤がモテるのかなって思ってたら、そっか!

正体は楓蓮さんだったからだね。


ふふっ。やっと意味が分かったでござる!

あ、いや……それは、関係なさそうな……

ですよね? 私達だって蓮くんと楓蓮さんが一緒だったなんて分からなかったですし。

どちらも素敵さんだったから、私はもうメロメロでございまし

くくっ、私だって二人が同一人物だって聞いても、信じられなかったもん。

ま、まぁそれは……俺のステルス能力が凄かったわけですね。

そりゃ。バレちゃいけませんし、必死だったんですよほんと。

 徐々に会話も弾んでくると、やはり楽しい。

 これでまた一人。気を許せる人間が増えたのだから。


 

おふっ。もう帰らないと。十一時になっちゃってる。
ごめんね。お話が楽しすぎちゃって、お時間をすっかり忘れてしまいました

 坂田さんと魔優は更衣室に入っていくと、慌しく着替えているようだ。


 十一時はまずいな。

 俺も思いっきり忘れてたぜ。明日は学校だしマジでヤバい。

良かった。これで坂田さんも……

また一人、俺達を分かってくれる人が増えた。

やっぱり嬉しいですよね。


おっとっと。もう15分。やっばい。

ママンにラインしとこ。

坂田さん。俺がお送りします。
へ?

大丈夫っすよ。

ほらっ。楓蓮ではいつも一緒に帰ってたでしょ?

おおっ。そっか! そうだったでござる。


じゃあみゆちゃん。まゆちゃん。またねっ!

今日は遅くまでありがとうございました。

またゆっくりお話しようね。

これからはもっと仲良くしようねっ! 坂田さんっ!
こちらこそ! こんごともよろしくござる!


 あとは坂田さんを家に送り届ければ今日のクエストは終了だ。



――――――――


次回。楓蓮姫の弟君 1



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登場人物紹介


 ★登場人物でも若干のネタバレを含みます。第一部からお読みいただきますようよろしくです。

 ★逆に第二部の登場人物を先に読んでから、第一部をお読み頂きますと、別の意味で楽しめます。

 

 ★読者視点は神視点。登場人物の心の声も聞こえます。(フキダシの色がこの色)

 ★ 黒澤 蓮 くろさわ れん


 本編の主人公。高校一年

 男女入れ替わり体質。
 
 弟の凛と共に、新天地で新たに生まれ変わろうと、楽しい学校生活を送ろうとする。友人作りに重きを置き、人との付き合いにはとても慎重である。


 自分自身の事よりも、仲間の為ならば凄まじく有能になる。

 ★ 白峰楓蓮 しらみね かれん


 蓮の女性の姿。類稀なる美少女だが本人にはあまり自覚がない。


 外部には黒澤家の親戚(蓮の姉)となっている。

 楓蓮では世間との関わりあいを最小限にしてきたが、徐々に一人の女性として目覚め始める。

 

 自分を理解してくれる人間が増えるたびに楓蓮は飛躍的に成長してゆく。  

 ★ 黒澤 凛 くろさわりん


 小学校六年生

 男女入れ替わり体質。

 

 兄である蓮を慕い、とっても素直で女の子のような性格。
 ことある毎に兄に甘えてしまい、いつまで経っても、子供のままなので、蓮は凛の将来をとても心配している。

 

 二部中盤で凛オンリーの章があります

★ 白峰 華凛 しらみねかりん


 凛の女性の姿。

 外部との接触が無いので、彼女の存在を知るのは黒澤家の秘密を知るものだけ。

 楓蓮と違い、おしゃまさん。

★ 黒澤 玲斗 くろさわ れいと

★ 白峰 麗華 しらみね れいか


蓮や凛のお父さん。ただいま遠方で仕事中。

麻莉奈や平八。ティナとは大親友。


後半から再び登場します

★ 美神聖奈 みかみせいな


 高校で蓮と同じクラスとなる。実は小学四年生までの幼馴染。

 容姿端麗。成績優秀。運動神経抜群。リーダーシップ抜群。お金持ち。


 高校当初から蓮と関わりを持ち、お互いに影響されてゆく。無二の親友?

 記憶喪失だったが、徐々に昔の事を思い出してゆく。


 二人目の主人公。

★ 平八 へいはち 


 聖奈専属の運転手。

 黒澤家の秘密を知っており、蓮の親である麗斗(れいと)とは旧知の仲

 おっぱい職人。ツイッタのフォロワーは10万以上の有名人。

 作中でも最強だと言われるが……

★ 白竹 美優 しらたけ みゆう

 

 男女入れ替わり体質

 蓮と同じクラスとなる。ピンクの髪が目立つ美人。とても内気で、語尾が変になる。

 自分の家の喫茶店で働いている事になっているが、実は魔優と入れ替わっている

 歌が上手く、全国でも有名な絵師でもある。(エロ同人が本業)

 

 三人目の主人公。 

★白竹 美樹 しらたけ みき


 白竹美優の男性の姿。

 外部では白竹魔樹と名乗っているので、彼を知るのは家族と秘密を共有する人のみ。

 主に喫茶店で厨房担当したり、サイクルの都合上、学校でも魔樹として振舞う。

 男の子の身体で遊ぶのが大好き

★白竹 魔優 しらたけ まゆう


 男女入れ替わり体質。

 外部では白竹美優と名乗っているので、彼女を知るのは家族と秘密を共有する人のみ。

 主に喫茶店で接客担当。サイクルの都合上、学校でも美優として振舞う。

 心の中は女の子なので、こちらが真の姿となる。

 四人目の主人公

★白竹 魔樹 しらたけ まき


 魔優の男の姿。外部に知られているのは魔樹である。

 蓮の隣のクラスで、常にクール。成績も良く、空手や合気道を習得。

 学校内では魔樹王子と呼ばれるほどモテる。


 自分の家の喫茶店で働いている事になっているが、実は美優と入れ替わっている

 乙女ゲー大好きのツンデレ。

★白竹 麻莉奈 しらたけ まりな


美優。魔優の母。入れ替わり体質。


とてもピアノが上手く、蓮はプロの犯行だと断定。

双子の母だけあり、とても美人だが色々とヤバい人。

男の姿は、でかい上にマッチョらしい。


★ じいじ


 白竹家のおじいさん。喫茶店のオーナー。

 小太りでツルっぱげ。チョビ髭が可愛い。

 厨房担当で楽しい事があると、その場でクルクル回りだす。

★ 染谷龍一 そめやりゅういち


 男女入れ替わり体質。

 蓮と同じクラスとなり、前の席という事で付き合い始める。

 わりと積極的で、クラスでも人気がある。

 楓蓮に一目惚れし、ずっと彼女を追い求める。

 オムライサーでありポニテマニア。

 

 五人目の主人公

★山田 龍子 やまだ りゅうこ


 龍一の女性の姿。

 楓蓮を追って同じ喫茶店で働く事になる。全国でも有名な山田組の人間。

 ケンカが強く、蓮も認めるほど。

 楓蓮に近づく男を排除しようとする俺っ子。

★山田 虎子 やまだ とらこ


男女入れ替わり体質。龍一の弟(妹)

全国統一を夢見る女の子。既にチームを結成しており、チームヴァルハラと名づける。

口調はキツいが、兄弟には頭が上がらない。

デコトラならぬデコチャリで街中を暴走する。

★染谷 翔一 そめや しょういち 


男女入れ替わり体質。龍一の兄(姉)

龍一が恐れる唯一の兄貴。百人でかかっても勝てないらしい。

ただいま、新婚生活真っ最中。

★染谷 桜 (そめや さくら)


 翔一の奥さん。普通の人間。

 とても清楚で大人しそうな美人だが染谷三兄弟は彼女に対し頭が上がらない。

 翔一を女らしくする為、日々調教中。

★百済 紫苑 くだら しおん


 高校二年。軽音部。実家はソッチ系統の百済組。

 楓蓮達と一緒に喫茶店でバイトを始める。関西弁ちっくな喋り方だが、とても優しく後輩想い。

 蓮の同じクラスである、米山まゆこと、坂田沙織は小学校からの付き合い。

 マイブームはマジョリーナちゃん(ミニチュアダックス)を可愛がる事。

★坂田 沙織  さかた さおり


 高校一年。蓮と同じクラス。

 いつもニコニコ。おっとりとした口調でマイペース。

 紫苑と同じ軽音部。ベース担当。

 親が犬のブリーダーで楓蓮に二匹のダックスを譲る。

★ 西部

 蓮と同じクラス。

 事あるごとに蓮に絡んでくるが、その目的は聖奈や美優と接点が持ちたいが為である。

 ツイッター名では「モントゴメリー」。おっぱい職人を神と崇める。

★真鍋

 蓮と同じクラス。西部の友達。

 頭は良く、テストでも上位だが、彼もおっぱい職人を神と崇める。

 ツイッター名は「穴バースト」

★米山 まゆこ (だんじりバージョン)


 蓮と同じクラス。坂田とは昔からの親友で、紫苑は先輩に当たる。

 魔樹王子にベタ惚れてしまい、蓮に紹介してもらえるよう頼んだ。

 バスケ部所属。一年なのに相当の実力を持っている。

★ 三輪 加奈子 みわ かなこ

 

 蓮と同じクラス。坂田沙織の友達で幼稚園からの付き合い。

 男の子同士がホニャララするのが好き。

★ 清原 愛美 きよはら まなみ


 魔樹と同じクラス。米山まゆこと中学時代からの付き合い。

 ちなみに魔樹王子と呼び出したのはこの子。

★ 梶谷


 蓮と同じクラス。西部の友達で小学生からの付き合い。

 バスケ部所属。一年でレギュラー筆頭。

★高坂


蓮と同じクラス。梶谷の友達。

ギャルゲーのアイドルプリンセスをこよなく愛する男の子。

★ 鼻


楓蓮が命名。

その昔、蓮にケンカ売ってきたり、美優をナンパしたり、ろくでなし男であったが楓蓮や龍子にボコられる。だが楓蓮に鼻を治してもらったと勘違いしている。

楓蓮に殴られてから、とんでもなく優秀な男へ変貌する(だがケンカは弱い)

★ヴァルハラメンバー 


 只今メンバーは八人。

 虎子率いるチームヴァルハラメンバー。俗に言う不良だが、楓蓮。龍子。虎子には従順。

 実は全員イケメンレベルだが、とにかく頭も弱く、ケンカも弱い。

 NO表示されており、変なヤツが混じってます。 

 竜王 冴子 りゅうおう さえこ


 高校一年。西部曰く、彼女と美神聖奈。白竹美優を三大美女認定している。

 いつも笑顔。とても愛想が良い彼女だが……

 王二朗曰く、超危険人物。鞄にスタンガンを隠し持ち、女の子を襲うらしい

★ 播磨 王二朗 (はりま おうじろう)


 高校一年。竜王冴子と共に登場。190センチの巨漢であり極道顔。

 とてもじゃないが高校生には見えない容姿に、シルエット姿となっている。

 警官とエンカウントすると、ほぼ職務質問されてしまう。

 ゴリラのモノマネが神がかっている。

★竜王 将哉 りゅうおう しょうや


 萌ゴリと共に現れた男性。とてもイケメンだが萌にナンパーマンであると暴露されてしまう。萌は恋人だと告げるが……楓蓮は最初から将哉を警戒する。 

★稲坂 萌 いなさか もえ


 楓蓮が早朝マラソンに出かけた際に知り合った女性。

 巨漢で筋肉質なので、楓蓮は男だと勘違いするほど。

 とても気さくでしゃべりやすい印象を受けた萌ゴリ。ちなみにラッキースケベ体質。

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