愚かな市長 PART4

文字数 2,066文字

愚かな市長はバカだけど、ツキがある。
こいつはツキと口の上手さだけで生きている。
人格は下の下の三流以下で、議員時代からどうやって名声を得て女を口説くかしか頭にない助平の変態野郎である。
お気に入りの女子職員を秘書にし、県外の出張には必ず秘書を同行させる。今までの市長は秘書を出張に同行させたりしなかった。しかし、このバカは好みの女性秘書を同行させ、権力にものを言わせ秘書を自分の女にしていった。散々やりまくって飽きたら、次の人事異動で別の好みの女を秘書にして、同じ事を繰り返す。
しかし遂に、このバカ市長に反旗を翻した勇気のある秘書が現れた。市長の出張に同行はするものの、夜のお供は断固できないと拒否した。するとバカ市長は、ガキの様に「頼むから一回でいいから、ボクちゃんと一緒に寝てくれない」とほざく。勇敢な秘書は「お断りします」ときっぱり言う。バカ市長は「キミは、ボクちゃんが誰だかわかっているのかい?」と何時もの様に、脅しにかかる。「……」「ボクはね、本市始まって以来最も若い市長なんだよ、でね、ボクがずっと市長をやり続ける限り、キミはボクの言う事を聞いてさえいれば、キミの市役所人生は薔薇色に輝くんだよ、どうだねキミ」「だけど、私には無理なんです」「キミも往生際の悪い子だね、だから、ボクはね、有能な市長でもあるんだけど、誰にも負けないテクニシャンでもあるって事キミは知らないのかね」「……」「まだ、わからないかね、キミはボクに抱かれて天国に行けるし、将来は課長にも昇進させてあげるから、ネッ、いいだろう」「でも、やっぱり私には無理なんです」「キミッ、あんまりボクちゃんに逆らわない方がいいよ、こんな事あんまり言いたくはないけどね、ボクちゃんに逆らうと、次の人事異動では、ごみ取りの事務所にでも行ってもらって、もう本所には永久に帰ってこれなくなるんだけどね、それでもいいのかい?」「……」「キミの様な有能な職員は秘書として五年位勤めたら、次は三階級特進で課長に昇進させてあげるから、それでも嫌かね?」「……」「じゃあ、三年で課長にしてやると言っても、まだ不足かね?」「……」「キミも中々、往生際の悪い子だね、多分今まで付き合った男がロクでもない男だったんだろうね、ボクちゃんみたいな有能な男に抱かれると、キミの人生も変わってくるよ、ネッ、ものは試しだから、一遍ボクちゃんに抱かれてみなさい、本当に気持ちよくって、失神してしまうかもしれないよ、だってボクちゃんのテクニックに潮吹いた女は数え切れないほどいるんだからね、どうだい、本当のところはもうあそこも濡れ濡れなんじゃないのかい」そう言ってバカ市長が秘書の手を握ろうとする。「やめて下さい」秘書がその手をふりほどく。「キミね、飲みがちょっと足りないんだろう、ほいほい、もっと飲みなさい」と言ってバカ市長が秘書のコップにビールを注ぐ。「市長、実は私、LGBTQなんです」「はぁ! なんだねLGBQTって?」「いや違います、LGBTQです」「LBGTQがどうしたって?」「だから、LGBTQですって」「LGTBQがキミに何をしたのかね?」「市長、本当にLGBTQの事ご存じないのですか?」「それが何か?」「だって何時かの定例議会で女性議員からその関連の質問が出てた時、市長はそういったマイノリティの方々にも寄り添って支援をしていきたいって仰ってたじゃないですか」「そうだったかね、あんなものは担当が書いた答弁書を只読むだけだから、そんな事いちいち覚えてられないのよ、ボクちゃんにはやらなければいけない事が山の様にあるからね、で、LGBQTがどうしたって?」「だから、LGBTQです、ちゃんと覚えて下さいよ。実は、私はレズビアンなんです、だから市長の夜のお供は出来ないのです、どうですか、これでもまだわかりませんか?」「ウハー! なんとなんとキミはレズちゃんだったかね、それはボクちゃんの情報収集が足りてなかったね、イヤー、ボクちゃんとした事がなんたる失態か、トホホホ」「……」「そうか、レズちゃんなら仕方ないよね、じゃあキミは、来月から出先のゴミ収集の事務所に異動する事が本決まりだね」「エッ! そんな直ぐにですか?」「そりゃそうだよね、ボクちゃんに可愛がられない職員が、ボクちゃんの秘書をしててもなーんのメリットもないでしょ、じゃあキミは、もう部屋に帰ってもいいからね、ボクちゃん今から、この部屋にデリヘル嬢を呼ぶから、それとキミは、明日からは同行しなくていいから、キミは一人で帰りなさい」「エッ、そんな、出張旅費は一週間分出てるんですが?」「そんな事、ボクちゃんに言われても仕方ないから、キミが役所に帰ってから、適当に処理しなさいね、じゃあ、時間ももう遅いから、キミは早く部屋に帰りなさい」「わかりました、じゃあ市長、おやすみなさい」「キミはお休みかもしれないけれど、ボクちゃん今から、ウハウハ楽しむから、キミは部屋で、一人で寂しくオナニーでもしてスッキリして眠りなさいね、じゃあ」
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