右京、おつかいにいく
文字数 2,232文字
スラムの通路を抜けて開けたところに出た。
そこからはその建物の外側を観察することができた。
建物はやっぱり九龍城のような建物で、いかにも貧乏人が住みそうなところだった。
しかしそれ以上に右京の関心を引いたのは、街の景色だった。
遠くのほうで、スカイツリーの解体作業が進んでいる様子があったのだ。
スカイツリーの解体もそうだが、なぜか建物の床下が浸水して、いい言い方をすればベネツィアみたいな街並みになっているのだ。
だがそれは水没している、といえば正解。
いったいこの町はどうやって成立したのか。