「どうも、デブスでスタイル最悪な者です」

文字数 1,364文字

 以前、「ファッションブスは滅びてください」で書いたように、私は明らかにブスである(B専の方にとって以外)。
 それでも、スタイルはそれほど悪くないと思って生きてきた。貧困家庭育ちだったもので、ろくに栄養をとれなかったせいか、身長は約百六十センチ、体重は三十キロの後半という時期が長かったのだ。

 自分で言うのもなんだが、ただ痩せているだけでなく、スリーサイズもよかった。
 ……あっ、だからこそ、背後からならスカウトマンに声をかけられたのか。

 それはともかく、私は正直に言ってしまえば、スタイルは“よかった”。過去形なのは、今はそのスタイルさえも非常に悪いからである。
 言い訳をすれば持病の薬の副作用で太ったのだが、なんと、一番痩せていたときの倍近い体重になったこともある

 今はそこまでは太ってはいないものの、私を見て痩せていると思うのはお相撲さんぐらいだろう。
「いやいや、そんなこと言って、結局たいして太ってないんじゃないの」と思う方もいるかもしれない。
 だが、残念ながら私は現在、太ってもいるし、スタイルも最悪に近い。

 それを証明する出来事が数年前に起きた。
 あるサイトの編集者と知り合いだった私は、そのサイトの記事に使用する女性の首下画像(そのまんまで、首から下の画像)が必要だというので、安易に引き受けてしまった。

 なにせ、ブスだと言われ続けて数十年。なら、首から下だけなら大丈夫だと、妙な自信があったのである。
 しかし、私は自分のスタイルが極端に劣化していることをすっかり失念していた。

 その記事はコメントができる某ニュースサイトにも掲載されたのだが、コメント欄は私の画像に関するコメントで溢れかえった。
 よりにもよって、記事に登場する女性の設定は二十代前半の美女で、実際の私はアラサー(当時)のデブスなのだから、当然、好意的なコメントなど、皆無に等しかった。

「これ、二十代前半の女性、おまけに美人のスタイルにはとても見えないんだけど」
「どっかのおばあさんの画像かな?」
「いや、女には見えない。オッサンの画像でしょ」
 こんな具合である。もっとひどいコメントもたくさんあった。
 記事の内容にはまるで触れられず、私のスタイルの悪さで大盛り上がりのコメント欄を見て、私はとうとう、“スタイルブス”の称号も得たのだと知った。

「太っちゃった。ダイエットしなくちゃ」
 という言葉を発する人たちは、自称ブスと違って、基本的に本気でそう思っているんだろうな、と思う。だが、それを言っている人たちが私より太っているのだろうか。おそらく、私よりは大半の場合、痩せているだろう。
 だったら妬んでないでダイエットしろよと自分でも思うのだが、なんだかもう、ある程度の体重になると、ダイエットする気力すら湧いてこないのだなと実感した。

 それに、痩せていたころは、「ガリガリですけど、病気ですか?」などと初対面から失礼な質問をされることが多く、とても不愉快だった。
 今は周りの環境がよくなったこともあるかもしれないが、太っているからと、デブなどと馬鹿にされることはない。
 私にとって、太ってスタイルが最悪になったことで起きたデメリットは、例の首下画像の件ぐらいで、ほかにはとくにないのだ。

 ……ただ、健康のためにも、今年こそはダイエットしようと思う。
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