ランプ:透哉と睦月
文字数 563文字
ライブを数日後に控えたある晩。
スタジオ練習を終えたカナデ、透哉 、睦月 は、それぞれ楽器を仕舞ったケースを抱え、建物の外で打ち合わせをしていた。
「いつも通り、当日の昼ごろにスタリハね。詳しいことはLINEで送るので、確認よろしく! じゃ、解散!」
カナデは透哉と睦月に別れを告げると、そそくさと駅に向かった。二人はカナデの背中を見送ると、駅の方角とは反対にある駐車場まで一緒に歩を進める。
「このまま直帰は、なんかもったいない気がするなあ」
透哉は愛車のワイヤレスキーをポケットから取り出し、そのまま両手で弄 ぶ。
「みなとみらいまでドライブでもしようかな……あっ」
透哉が弄んでいたキーは両手から離れ、睦月の両手に収まった。
「壊れても知らないよ?」
睦月は透哉にキーを渡しながら言った。
「落さなきゃいいんだよ」
そろそろ駐車場に着く。透哉は愛車のMINIを目視すると、ワイヤレスキーを操作してキーロックを解除させた。
睦月はふいに立ち止まると、透哉に投げかける。
「ドライブ、ご一緒してもよろしいですか」
透哉は振り返ると微笑みながら、手招きをした。
「いいよ。ドライブデートと洒落込もうか。」
夜は長い。荷物は後部座席に放り込んで、煌くあの街まで一緒に行こう。
(終)
スタジオ練習を終えたカナデ、
「いつも通り、当日の昼ごろにスタリハね。詳しいことはLINEで送るので、確認よろしく! じゃ、解散!」
カナデは透哉と睦月に別れを告げると、そそくさと駅に向かった。二人はカナデの背中を見送ると、駅の方角とは反対にある駐車場まで一緒に歩を進める。
「このまま直帰は、なんかもったいない気がするなあ」
透哉は愛車のワイヤレスキーをポケットから取り出し、そのまま両手で
「みなとみらいまでドライブでもしようかな……あっ」
透哉が弄んでいたキーは両手から離れ、睦月の両手に収まった。
「壊れても知らないよ?」
睦月は透哉にキーを渡しながら言った。
「落さなきゃいいんだよ」
そろそろ駐車場に着く。透哉は愛車のMINIを目視すると、ワイヤレスキーを操作してキーロックを解除させた。
睦月はふいに立ち止まると、透哉に投げかける。
「ドライブ、ご一緒してもよろしいですか」
透哉は振り返ると微笑みながら、手招きをした。
「いいよ。ドライブデートと洒落込もうか。」
夜は長い。荷物は後部座席に放り込んで、煌くあの街まで一緒に行こう。
(終)